それでは、告知通り▲中飛車vs△嬉野流の定跡研究を紹介します。
今回の記事では、俗に言う鳥刺しに合流する嬉野流を紹介します。次の記事では、相振り飛車への変化を解説していく予定です。
目次
嬉野流?
まずは、基本図に行く前に、嬉野流じゃなくなる変化です。
手を間違えると、5手目でどうにもいかなくなります。
▲5六歩△4二銀▲5八飛△3一角▲5五歩
これで嬉野流にはできなくなりました。
後手としては、ここからは4三銀として、相振りを目指すのが、正着だと思います。それで先手有利くらい。
ただ、これが嬉野流かと聞かれると……
なので、これは今回は考えません。
では基本図へ
2019.12.10追記
動く盤を追加しました。
▲中飛車vs△嬉野流
▲5六歩△4二銀▲5八飛△5四歩
基本図
これで後手の銀が中央に行けるようになりました。
中飛車が角道を開ける変化になります。
図①
(基本図から)▲7六歩△3一角▲4八玉△5三銀▲3八玉△6四銀
これは自然な変化だと思います。お互いにやりたいことがはっきりしている状況ですね。
どっちの主張が通るでしょうか?
図②
(図①から)▲6八銀△6二銀▲1六歩△1四歩▲6六歩△7四歩▲6五歩
▲6五歩がかなりの強打。銀が引けば、嬉野流失敗です。
居飛車側は、守備を固めることが難しいので振り飛車有利。
中飛車が勝ちやすい変化ですね。
なので、同銀と取るしかない。
図③
(図②から)△同 銀▲6七銀△7五歩▲同 歩△同 角▲5五歩
銀を狙いの筋から移動させて、中飛車の強烈なカウンター▲5五歩
この何気ない一手が強烈な攻撃となります。
結果図
(図③から)△7二飛▲5四歩△5二歩▲5五角△6四角▲同 角△同 歩▲4五角
後手は、嬉野流の狙いから外れた銀をカバーするために袖飛車へ。
しかし、ここから中飛車の強烈な捌きがはつどうされました。
角を捌いた後、▲4五角と打ちこんで中飛車優勢です。
この角がかなり受けにくい。
6三角と防いでも、2三角成。
何もしなくても、5三歩成が飛車取りとなり厳しい。
中飛車優勢ですね。
まとめ
このような流れで、嬉野流からの鳥刺しは中飛車には厳しいと思われます。
5筋に強烈な駒がそろっているので、鳥刺しの成功率はかなり低いです。
なので、基本図から、相振り飛車にする変化がより有効だと思われます。
次回はその変化を紹介します。
関連項目
「中飛車研究② ▲中飛車vs△嬉野流(鳥刺しver)」への4件のフィードバック