はじめに
前回は急戦の検討をしました。
なので、今回は持久戦vs四間飛車です。
使うソフトは、またまた「振電」です。振り飛車最強クラスのソフトなので非常に信ぴょう性が高いはずですw
今回は前回の記事の反省も生かして、より見やすくするために振り飛車からの評価値で考えていきます。
姉妹記事です↓
①5筋位取り

四間飛車黎明期からある持久戦です。
5筋の位は天王山。ここをとって駒組を制限してしまうのが基本戦略。
定跡化が難しいので力勝負になりやすい。

振り飛車「マイナス52」です。
意外と評価が高くて驚きですよねw
位取りは理想形に組んだら、負けにくくなるので結構勝ちやすい形です。理想形に組めれば、ですが……
②玉頭位取り

筆者の得意戦法ですw
玉頭戦になりやすいので、振り飛車党が苦手な縦の将棋になりやすいです。
玉頭位取りは、美濃囲いの進展性を奪うこともできるのでそこも魅力です。
さてさて、結果は

振り飛車「マイナス1」です。ほぼ互角。
理想形に組めずに乱戦になると、まとめるのに経験が必要になる形ですからねw
使い手としても納得ですw
③左美濃急戦(※参考記録)

天守閣美濃と斜め棒銀を組み合わせた形
私の得意持久戦その2
火力と守備力を同居させていますw

振り飛車「マイナス311」
かなり有力ですね。まあ、天守閣美濃に対して、藤井システムを直撃されるリスクがあるので使える時とそうじゃないときが結構難しいのが玉に傷。なので、今回は参考記録とします。
④天守閣美濃

さて、天守閣美濃です。
4枚美濃は固さと広さを同居させていて、一時は穴熊よりも評価が高かった時代も……
しかし、対天守閣美濃藤井システム(上の画像)で一気に数を減らしました。

振り飛車「マイナス50」
意外にも五筋位取りに競り負けです。やはりそれほど対策が有能なんですね。
⑤端玉銀冠+右四間飛車

右四間飛車の決定版ともいえる優秀な戦い方。
理想形を崩したくない四間飛車側と囲いをドンドン強化する居飛車の心理戦が楽しめる。

振り飛車「マイナス134」
やはり火力と守備力を備えていると強い
⑥ミレニアム

穴熊並みに固い。藤井システム用の囲いだが、最近ではドンドン市民権を得ている。
今度書籍もでるんですよねw

振り飛車「プラス34」
案外、勝てると思っているw
この企画始まって初のプラス評価ですね。
意外な結果です。振り飛車側が主導権を握りやすいからかな?
⑦居飛車穴熊vs△4四銀型

攻撃的な居飛車穴熊対策ですね。
さばき合いになりやすいので、そういう時は穴熊側に分があるのが少し怖い。
穴熊側がミスると一気に逆転可能なのが魅力。

振り飛車「マイナス171」
やっぱり穴熊は強いw
➇居飛車穴熊vs△5四銀型

こちらも主流な穴熊対策。⑦と比較して玉頭戦になりやすく、縦からの将棋になりやすい。結構主流の形。

振り飛車「マイナス132」
⑦よりもこちらのほうが指しやすい判断ですね。
たぶん、居飛車感覚を持っている人はこちらの方が得意だと思いますw
⑨飯島流引き角戦法

こちらも対藤井システムに有効な引き角戦法。安定して美濃囲いになりやすいので、愛好家も多いです。

振り飛車「マイナス47」
穴熊よりかはやりやすいという判断ですね。まあ、囲いは同等なんで、いい勝負だと思います。
⑩銀冠穴熊

この状況から銀冠のまま穴熊に潜る広さと固さを両立させる囲い。
中央からの速攻に弱いので組めないときも多い。

振り飛車「マイナス131」
穴熊に組めなくても、銀冠ができているのでそこを評価してくれているんでしょうね。
銀冠の広さは強い。
⑪左美濃

大山先生が好んだ8八玉型左美濃。
囲いは優秀だが、意外と使いこなすのは難しい。角道も閉じるのでやや消極的と言われる

振り飛車「マイナス83」
結構高い印象ですね。居飛車党の技巧2だと振り飛車がプラスにしていたりするのに、振り飛車の専門家は高く評価する。なかなか面白いです。
⑫対振り矢倉

振り飛車黎明期に指されていた形。
意外にも加藤一二三先生が一押ししていたので入れてみました。
ここから穴熊に組みなおしたり、玉頭位取りに合流したりできるので、意外と深い。
引き角からの攻撃も可能。

振り飛車「プラス205」
やはり、横からの攻撃に弱いのがネック。攻撃力と囲いの進展性は高いので、力戦志向にチョイスされやすそうです。
⑬松尾流穴熊

最後に出てくるのは、やはり優勝候補筆頭。
00年代からの持久戦はこれが中心で回っていますw
組めれば勝率8割とも言われる居飛車の理想形。簡単に組ませてくれないので。とりあえず、この形で判断します。

振り飛車「マイナス195」
やはりかと思えるほどの強さですね。勝率8割は伊達じゃない。
ちなみに完成すると……


振り飛車「マイナス215」
強すぎますw
まとめ
さて、それではまとめです。
1位 松尾流穴熊 195
2位 居飛車穴熊vs△4四銀型 171
3位 端玉銀冠+右四間飛車 134
以下……
居飛車穴熊vs△5四銀型 132
銀冠穴熊 131
左美濃 83
5筋位取り 52
天守閣美濃 50
飯島流引き角戦法 47
玉頭位取り 1
ミレニアム マイナス34
対振り矢倉 マイナス205
やはり松尾流は強かったですね。上位は軒並み穴熊軍団です。
評価値だけの判断としては対穴熊の四間飛車の基本方針は……
・松尾流は絶対に組ませてはいけない
・ △5四銀型 と △4四銀型 では、若干、前者の方が戦いやすい
あとは端玉銀冠+右四間飛車もかなり有効です。右四間飛車好きならとりあえずこれを狙いましょう。穴熊は組む前に速攻があるので、こちらのほうが安定しやすいです。
やはり、居飛車としてはまずは固さを重視して、攻撃力ある陣形に組むのがソフトは重視するんですね。
ちなみに急戦編と合算してたたき出した順位は……
1位 松尾流穴熊 195
2位 居飛車穴熊vs△4四銀型 171
3位 棒銀 145
でした。棒銀の優秀さがわかりやすく出てますね。
穴熊に割り込んでトップ3にはいっちゃいました
やっぱり加藤先生半端ないw
最後におススメ棋書です↓
![]() | 四間飛車の急所(1) 進化の謎を解く (最強将棋21) [ 藤井猛 ] 価格:1,540円 |

![]() | 四間飛車破り(居飛車穴熊編) (最強将棋21) [ 渡辺明 ] 価格:1,540円 |
