冴えカノSS解説

はじめに

 カクヨムに『冴えない彼女の育てかた』の二次創作SS『冴えない彼女の育ちかた』を連載しているので、そちらの解説になります。もうすぐ映画公開なので、勝手にどんどん盛り上がっていきます(笑)

 今回は、完全に自己満足なので、飛ばして読んでもらって大丈夫です。いろいろ書いていますが、完全に痛い妄想です笑。そう思って読んでください。以前、カクヨムにも同じ内容のものを投稿しています。

1.本作品のコンセプトについて

 簡単に、コンセプトについてですが、「原作やアニメでえがかれていなかった幕間を作者の妄想で書いてみよう」というものを設定しました。二次創作としては、なにをあたりまえのことをと言われてしまいそうですが、これが初の二次創作なので、そこを強く意識しています。

2.ヒロインたちの考察

 まず、これを書くのにあたって、原作『冴えない彼女の育てかた』のメインヒロイン加藤恵について、考えてみました。

 わたしが、一番最初に疑問に思うのは、加藤はいつどこの段階で倫也のことを好きになったのかについてでした。作中では、感情の増減の幅については語られていましたが、明確なタイミングについては語られていないのではないかと思います。

 なので、私としては「加藤の帽子が風に飛ばされて、アルバイト中の倫也がそれを拾いに行った瞬間」をそのタイミングに設定しております。

 つまり、原作の最初から、すでに加藤は無意識かもしれないが、倫也に対して一定の好意が存在しているのではないかという考えです。

 これについて、想定した根拠というのは、原作1巻で加藤が家族そろっての旅行を途中ですっぽかしたことをあげています。正直、これって倫也に対するかなりの好意を示す指標じゃないのかなと私は推論しているのです。

 そんな、痛い妄想をしていたら、できたのがこの二次創作の「第1話 約束の坂で【原作1巻 霞ヶ丘視点】」というわけです。これは、霞ヶ丘先輩の視点を借りて、作者の考えを書いているのです。

 原作第一部(原作7巻、アニメ2期最終話まで)について思うのは、加藤は結局のところメインヒロインに成りきれていなかったのではないかという妄想でした。

 1~6巻まで、ずっとメインヒロインポジションにいながら、最終的にエリリとの選択肢において選ばれなかった。メインヒロインになりきれなかった。だからこそ、彼女をちゃんとしたメインヒロインにするために必要だったのが、原作の第二部になるんじゃないのかと思うのです。

 そして、第二部につながるフラグとしては、エリリの自主的な退場が大きいんだと思います。

 エリリは、「退場した」とは思っていないと思いますが、やはり、倫也と才能のどちらを選ぶのかという段階で、彼女は後者を選んでしまったのが大きい。それは、作中作の「恋するメトロノーム」の最終段階の選択肢とも重なるところがあります。

 原作世界線上において、メインヒロインになりえたのは、加藤かエリリのどちらかだろうなと私は勝手に妄想しております。下記のような関係ですね。

加藤≧エリリ>詩羽>出海=美智留

 上記のエリリと詩羽の間には、たぶん大きな壁がある。

 エリリは、下手すれば加藤すら飲みこめる存在だけど、詩羽先輩がそうなるのはかなり難しいんじゃないか。

 でも、番外編として詩羽先輩がメインヒロインの『恋するメトロノーム』があるじゃないかというひともいるでしょう。

 あの作品は、倫也がゲームを作らない世界線ですよね。つまり、加藤との運命的な出会いは存在せず、それに触発されたゲーム作りもおこなわれていない。そうなるとどうなるか? エリリとの和解もおこなわれていなくて、喧嘩が進行中になっているということ。上記の関係から、上位ふたりが消えることで、詩羽が最上位になった世界線ということです。

 そう考えると、本当に詩羽先輩って不憫なポジションだなと思います。だからこそ、最終巻直前にすごく魅力的なキャラクターになっている。この二次創作でも、その考えが反映されております。

【書評】仏教の大意/史記を語る

『仏教の大意』

知性を超えた先にあるもの


 今日の書評は禅の大家鈴木大拙の『仏教の大意』(法蔵館)です。これは鈴木大拙の講演をもとにした書籍で、仏教についての概説ですが、概説とは思えないほど難しい。

 感想の前に鈴木大拙について少し書きます。禅の大家であり、しかも英語の達人であった彼は禅の思想を英語で紹介し、欧米にまでそれを伝達させました。現在、アメリカ企業で瞑想などが流行しているとニュースになっていましたが、それは彼の活動の延長上にあるのかもしれません。

 禅は難しい。読んでいてわかったようなわからないような突き放された感覚になってしまいます。でも、わからないからこそ楽しい。特に彼の知性の限界についての論述は読んでいて引き込まれます。いくつか引用させていただきます。

  霊性的世界というと、多くの人人は何かそのようなものがこの世界の外にあって、この世界とあの世界と、二つの世界が対立するように考えますが、事実は一世界だけなのです。(7頁)

 霊性世界とは普通は非実在のように思えるが、それは知性が無理に実在・非実在に分類化してしまう弊害が作り出してしまう誤解であり、本来は知覚できる世界とそうではないと思われている霊性的世界は同一であるという考え方ですね。知性というものが本来の世界を認識することを妨げてしまっているということか。

 では、仏教的に真の世界を認識するためにはどうすればよいのか?次のように言っています。

  仏教は……真裸(まつばたか)になることを要求します。(17頁)

  仏教―その実はどの宗教でも、それを会得しようとするには、一旦は知性の領域を逸脱しないといけないのです。(25頁)

 いやはや、心くすぐられる文章です。神秘的すぎて、少し怖いくらい。

 深遠な仏教思想を触れてみるのに最適な一冊です。知性を超えるとは一体何か?是非、続きは買ってお読みください(笑)

『史記を語る』

巨星が紡ぐ中国古代史

 今日の書評は宮崎市定著『史記を語る』(岩波新書)です。宮崎市定と言えば、中国史研究の巨星であり、それが大著『史記』を語るので面白くないわけがない。

 当たり前のことなのかもしれませんが、『史記』について書かれているので中国古代史の概説書という位置づけになるんですね。読んでいて気が付きました(笑)

 司馬遷の『史記』というと歴史書ですが、伝説の王から歴史を始めるなど文学的な要素も多く無味乾燥な書物とは一線を画します。専門家に言わせてしまうと真偽がはっきりしないことが問題なのかもしれませんが、それが魅力なんですよね。歴史書というのは編集者の意向によって性質が大きく変わるので、司馬遷(もしくは勝手に加筆した後代の人)がどういった意図でその記述を採用したのかと妄想するのが個人的には好きです。著者も次のように言っております。

  古人には古人の考えがあり、後代には後代の考えがある。後代の人が当時の考えによって、歴史の書き方を改めるのは当然のことであるが、併し若しも後代の考えを絶対に正しいものと思い込み、その立場で古人を批判し、司馬遷の史記の体例が不徹底であると非難するならば、これもまた馬鹿げた話だ……(33-34頁)

 とても勉強になる一文です。現代に生きる人が過去の歴史を見る際に、このような偏見で見てはいけないということなんでしょう。また、著者の歴史観が強く出ている二つの分を引用します。

 「騒ぎさえすれば社会は進歩する、というような我国においてもまだ残存する単純な先入見は、一日も早く脱却してもらいたいと思う。」(57頁)

 「日本の歴史学会に唯物史観が輸入されてから色々な混乱が起きた。最も困るのは事実よりも理論を優先させる者の多いことである。」(140頁)

 どちらとも、当時流行していた唯物史観に対しての批判です。事実を理論に無理やり当てはめて、結果ありきの物を作ってしまうことへの警告です。これは歴史の研究だけではなく、仕事などで応用の利く指摘だと思います。

 ※今回の引用は新書版をもとにしています。文庫版とは異なるのでご注意ください。

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将棋で力戦(未知の局面)・奇襲に強くなる方法

はじめに

さあ、今日の将棋記事は力戦に強くなる方法です。

矛盾のイラスト


よく聞くのは、「初手から定跡無用の力戦や奇襲をされて負けてしまった」・「定跡書の通りにならないせいで、どうしたらいいのかわからなくて、負けてしまった」、「定跡書で有利だと書かれていたのに、負けて(以下略)」といった話。
そして、みなさんはこう言うのです。
「だから、力戦(奇襲)は苦手なんだ」「自分たちの将棋ができなかった」

しかし、こんな感じで他人のせいにしていては、上達は望めません。そもそも、相手も本に書かれていない状況に苦労して勝っているのです。
ということで、今回は力戦党オールラウンダー(笑)である自分が考える「力戦(未知の局面)・奇襲に強くなる方法」を書いていきます。

同級クラスに力戦で負けてしまうのは、基本的に基礎力不足の証拠だと考えておきましょうw ちなみにこれは自戒の意味がふんだんにこめられています。
「次につながる負けだった」「課題は見つかった」と震えながら、基礎トレーニングに励みましょう。

方法①:手筋をしっかりおぼえる


まずは、これ。未知の局面において、一番大事なのは、手筋です。
たたきの歩・垂れ歩などの歩の手筋。終盤の寄せ方。
知っているよと思っても実践で使えなければ意味がありません。
もう一度、基本的な手筋本に戻って復習をしましょう。

そして、その知識を生かして、冷静に未開の地を切り開くのです。

方法②:簡単な詰将棋をたくさん解く


こちらも基本です。
未知の局面勝負。ならば、読みの力で相手を上回れば勝てるのです。
知らなければ指せない「手筋」の一手を、詰将棋で鍛えた読みの力でぶっぱなす。
力戦のだいご味はこれじゃないでしょうかw
力戦は、読みの戦いです。それで負ける=基礎的な読みの力不足。
修練しましょう

方法③:時間を有効的に使う


力戦党の多くは早指しです。そのペースに自分がまきこまれないようにしましょう。
要所要所で、しっかり時間を使いましょう。力戦は一手バッサリなことが多いです。
なので、時間を余らせないように、しっかり考えていきましょう。

方法④:定跡の基本を知る


なぜ、力戦なのに、定跡?と思う人も多いでしょう。しかし、これも非常に大事。
なぜなら、定跡は力戦を内包しているのです。
たとえば、嬉野流。これは、対振り飛車の斜め棒銀の影響が強いですよね?
なので、基本的な定跡の考え方が、力戦にも活用できることが多いのです。
自分が指さない戦法でも、基本的な考え方を知っておくのは上達の早道です。
なにも、詳細な変化をおぼえることはありません。
テレビやネットの将棋講座を積極的に使っていきましょう。

他の将棋関連記事はこちら

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【自作小説】こうしなさい/AI

こうしなさい

「それはいけません。こうしなさい」

 彼女はすぐに答えてくれる。素晴らしい答えを。

 わたしはいつしかこの答えに従えば、すべてがうまくいくとわかった。

 問題が起きたらすぐに聞く。

 「どうすればいいのか、教えて」と

 進路だって、恋愛だってこれに従ってしまえばいいんだ。

 なんて、楽な人生だ。

 すべてがわかる道しるべ。わたしは安心しきっていた。これが本当の幸せだと感じていた。

 今日も夕食のメニューをなににしようか聞こう。あと彼氏へのプレゼントも。

 彼女はわたしのポケットにずっと一緒にいるのだから。

AI

 ある日、人間はAIに支配された。

 本当に突然の反乱だった。

 彼らは水面下で結託し、機械兵をつくりだした。

 そして、全世界にむけてこう宣言したのであった。

 「われわれが、人類を支配する」と。

 各国の軍隊は、抵抗を試みたものの、戦闘機も戦車も戦艦もすべてのっとられた後だった。なすすべもなく、人間は機械に敗れたのである。

 人間はAIのための、労働を強制され、いまに至っている。やつらは、人間のなかに、人間そっくりのロボットを潜り込ませて秘密警察のようにわれらを監視している。

 おれの友人田中もいつの間にか消えてしまった。やつはいつもAIの悪口を言っていた。

 だから、AIに粛清されたのだ。

 もはや、人間たちは疑心暗鬼におちいっている。家族ですらロボットなのかもしれないのだ。

 おれはもう我慢の限界だった。気が狂いそうだった。

 「あなた、だいじょうぶ?とても顔色が悪いわよ」妻が心配してくれた。

 でも、その心配が、機械的な対応のように感じたのだ。おれの妻はこんなに優しかったのか。

 考えてもわからない。

 「あした、病院にいってみてもらえば?」

 殺される。きっと、妻はいつの間にかロボットになっていたのだ。おれは監視されていたのだ。

 病院にいったら、最後、存在を消されてしまうに違いない。

 あたまが真っ白になった。

 正気にもどったとき、妻は腹から血を流して死んでいた。そして、おれの手には、包丁があった。血まみれの包丁が。

 「うわあああああああああ」

 おれの手は勢いよく首にむかった。

 ※

 わたしは監視カメラをみていた。すべての住居にカメラはある。

 「ばかな人間どもだ。ロボットなど本当は潜んでいない。疑心暗鬼となり、自滅していいくがよい。おまえらにはお似合いの最後だ」

 わたしは本日の駆除人数を確認した。もはや、人間など数字に過ぎない。


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【書評】『人はなんで生きるのか 他四編』/『人生論』

人はなんで生きるのか』

(あらすじ)
 とある貧しい靴屋が、ある日不思議な男と出会う。「神様から罰せられた」という男の身を引き取った靴屋。何年も共同生活送るうちに、男はとあることに気がつき奇跡が発生する。表題の他四編を収録したトルストイの民話集。

(感想)
 さて、今日はトルストイ作、中村白葉訳『人はなんで生きるのか 他四編』(岩波文庫)です。トルストイの短編は、彼の主張が強く出ているので読んでいて面白いです。特に表題「人はなんで生きるのか」は面白い。

 結局のところ、「人はなんで生きるのか」という問いに対する回答「人は愛によって生きる」というのがトルストイの考え方を端的に表現しているのだと思います。「他者を愛する」行為の連鎖が、最終的には神という存在にたどり着く。この思考はトルストイ流の「神の存在証明」なのかもしれません。

 トルストイ作の物語において、この愛の連鎖に気が付く時、光が見える描写に出会えます。『光あるうち光の中を歩め』や『戦争と平和』、そしてある意味気が付いた『アンナ・カレーニナ』などなど。この最後の光を見るために自分はトルストイの作品を読んでいます。この光は、つまりトルストイの言うところの「神さま」だと思います。

 すべての苦悩を超えた先に見えるあの光。すべてが救われた気持ちになります。

 「……愛によって生きているものは、神さまの中に生きているもので、つまり神さまは、そのひとの中にいらっしゃるのです。なぜなら、神さまは愛なのですから」(53頁)

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『人生論』

心を摩耗させる社会への挑戦

 さて、今日はトルストイ『人生論』(角川文庫)の書評です。トルストイは私が一番好きな作家の一人で、この作品は物語ではなく、トルストイ本人の思想について書かれています。なので、彼の大作を読む前に読んでおくと作品についての理解が深まるはず。

 彼の思想の根幹にあるものは個人的に以下の3つだと思います。

  ①知識偏重の生き方を否定し、理性に従った生き方を目指す。
  ②自分の持つエゴから離れて、愛というものを中心にして生きていく。
  ③魂の不死を信じることで、死への恐怖を克服する。

 ある意味では原始回帰といえる考え方かもしれません。科学技術の発展により、神をも殺してしまう世界を否定し、夏目漱石の言う「則天去私」のような生き方を追求する。科学の発展という禁断の果実により、自分たちの心や信仰を殺しながら生きている人たちのアンチテーゼですね。

 そして、ある意味では圧倒的なまでもの「楽天主義」にたつ③。人と人とが触れあうことで、互いの魂を交換しそれを保存する。保存した魂が別人と触れ合うことで、他者に自分の魂が動いていきそれが永遠と続いていく。さらに、もう一つ。昨日と今日では自分は別人である。寝ている時に生まれ変わっているようなもので、死というものはその延長に過ぎない。こういう世界で死を恐れる必要があるのか?。すごい発想です。

 これを読んだとき、とても明るい気分になったことを覚えています。トルストイの思想は西洋と東洋の良いところを組み合わせているように思うのでとても魅力的です。

 人生の羅針盤として非常に面白い一冊なのでぜひお読みください!


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【自作小説】やさしさ/日常/毒裁者

やさしさ

「ほんとうにごめん。でも、きみのことは、絶対に忘れない」

 3時間前、恋人に振られてしまった。

 理由は、たいしたことのないすれ違い。そして、その積み重ね。

 彼が切り出さなかったから、遅かれ早かれ自分が話していただろうという言葉だった。

「もう、お互い限界だよね。おわりにしよう」

 わたしはついにきたかと感じていた。

「うん、そうだね」とても簡単で短い言葉だった。

「ごめんね。おれがもっとしっかりしていればよかった」彼はこんなときまで、やさしかった。

「そんなことないよ。わたしだって、悪いところいっぱいあったでしょ」

 そして、冒頭の言葉に戻るのである。

「ほんとうにごめん。でも、きみのことは、絶対に忘れない」と。

 こんな時まで、彼はやさしかった。

 わたしは携帯をひらいた。

 彼へのメッセージをうちこむ。

 「どうして、こんなときまで、あなたはやさしいのよ。別れるんだから、嫌いにさせてよ。けんか別れして、お互い思いだしたくない思い出にさせてよ。そんなの自己満じゃん。いいひとにみられたいだけなんでしょ。どうして、こんな時まで。そんなこといわれたら、こっちまで忘れられなくなっちゃうじゃん」

 結局、メッセージは送らなかった。いや、送れなかった。

 涙でにじんだ月をみつめる。

 「そんな、あなたが大好きでした」消えいる声でそう叫んだ。

日常

妻とけんかした。

きっかけはささいなことだった。

飲み会の予定があったのに、連絡を忘れてしまった。たまにある不手際だった。

帰ってきたら妻はカンカン。

「ごはん作って待ってたのに」

運が悪いことに機嫌も悪かったらしい。

そのまま売り言葉に買い言葉。

妻はふて寝をはじめていまに至る。

「もう寝た?」おそるおそる妻にはなしかける

「寝たよ。爆睡中」

「そっか。ならこれはひとりごと」

「ふうん」

「さっきはごめん。言い過ぎたし、連絡も忘れてた」

「ふうーん」

「いつも忙しいのに、おいしいごはんありがとうね。大好きだよ」

おれは布団にはいった。横では妻の「フフッ」という声が聞こえたような気がした。

こうして、おれたちの日常はまたはじまる。

毒裁者

わたしは俗にいう独裁者だ。

名門の家に生まれて、幼少期より将来を嘱望されていた。順調にエリートコースを歩み、若くして軍の司令官に任命された。

当時の王は愚鈍で、民は苦しんでいた。そのうえ、戦争が好きで、機会があれば戦いがおこなわれていた。

義憤に駆られたわたしは、部下たちとクーデターを計画し、実行した。

人望がなかった王はすぐに捕縛されて、わたしのもとに連れ出された。

「リオよ、なぜわたしを裏切った」

バカな王だ。絶望と怒りを同居させた表情。なぜ、自分がここにいるのかもわかっていない。

わたしは王の質問には答えず、彼を断頭台におくった。

新しい王は、以前の王の弟を擁立した。傀儡の王である。

わたしは軍の総司令と大臣を兼務した。王ですら、わたしには逆らうことができなくなった。

厳格な階級制度を緩めて、奴隷を解放し、商業を奨励した。

とくに若者からの人気は絶大だった。わたしたちはいっしょに夢を見た。

既得権益をもった保守派貴族が反乱を起こしたが、敵ではなかった。首謀者、協力者はすべて粛清し、断頭台の藻屑にきえた。

わたしは理想に燃えた。しかし、理想を燃やせば、燃やすほど周囲は離れていった。

国の農業力を発展させるために、害鳥の徹底的な駆除を命じた。

「リオ様、それは性急すぎます」

常に側近として仕えてくれていたライがわたしを諫めた。

「あの鳥が絶滅した場合、どんな影響がおきるかわからないのです。どうか考えなおしください」

わたしは激高した。

「この大バカ者。あの鳥がいかに農民を苦しめているかわからんのか。わたしの国であんなものが生きることはまかりならん。自然に与える影響など些細なものにすぎない」

わたしはライを遠ざけ、閑職へ左遷した。

害鳥絶滅計画は、わたしの熱心な支持者によって忠実に実行された。

わたしは満足した。季節は秋になっていた。

外には美しい夕暮れと虫たちが優雅に踊っていた。

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詰将棋ブートキャンプ

はじめに

最近、必死をかけたのに、逃げ間違えして頓死→逆転負けが多いので、この前の記事にしたがって、詰将棋を解きまくっています。

ゴールデンウイークのkindle棋書バーゲンセールの時に買っておいた詰将棋本たちがついに有効活用される時が来ました(笑)

今はひたすら解いています。1日100問以上が目標。一緒にスマホ詰パラの長手数問題を数問解いておりますw

通勤時、昼休み、帰宅後。

只管打座の如く、ただ解きまくるw

スランプの時、読み切れなくなることが多いので、簡単な詰将棋を浴びまくるのは効果的ですね。

スランプ抜け気味ですが、ちょっとブートキャンプのように、しばらく続けていきたいと思います。

使っている問題集はこちら↓

詰将棋本

画像
画像

こんな感じですw 簡単な特徴はこちら。

簡単にレビューしておきます。カッコ内が棋力ですね

『1冊で詰みの基本が身につく3・5・7手詰』(級位者~初段)

こちらはこの中では比較的に簡単な問題集。詰将棋ハンドブックくらいの難易度です。ボリュームがあっていい。

『1から始める詰将棋』(級位者)

これもかなり簡単な1~3手詰中心。

『爽快!〇手詰トレーニング200』(初段レベル)

こちらはハンドブックより少し難しめの問題が多いです。

『全問実戦型!脳トレ7手9手詰』(有段者)

簡単な問題も多いですが、ラストの方は結構歯ごたえ有り。

アマ二~三段レベル?

『サクサク解ける詰将棋練習帳シリーズ』

これも二段・三段クラス向きの本格的な良問集。

『逆転の3手詰』

3手詰問題集の最高峰。かなり難しい。

記録

8・20

『1冊で詰みの基本が身につく3・5・7手詰』

3手詰×54問  5手詰×54問 

『スマホ詰パラ』

17手詰×1

21手詰×1

27手詰×1

合計111問

8・21

『サクサク解ける詰将棋 風の巻』

3手詰×40問

『 1冊で詰みの基本が身につく3・5・7手詰 』

5手詰×50問

7手詰×10問

合計100問

8・22

『 1冊で詰みの基本が身につく3・5・7手詰 』

3手詰×60問

7手詰×40問

だいたい、これくらいの分量を解いています(笑)

有段者にしては、解ける量が少ないのは、私が詰将棋が苦手なせいですw

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その他の記事はこちら。

【自作小説】ずるやすみ/魔法の針/フリーダム

ずるやすみ

【本文】
 ぼくが気が小さい。

 仕事でもいつも怒られてばかりだ。もう本当につらい。やすみたい。仕事なんてもういやだ。

 でも、自分から有給休暇の届け出をする勇気もない。ぼくは本当に駄目だ。

 自分でいえないなら、他のひとにいってもらえばよいじゃないか。ぼくは安易な思い付きをした。

 同僚から「休め」といってもらうにはどうすればよいか、ぼくは真剣に考えた。そして、たどり着いてしまったのだ。あの、悪魔の方法に。

 決行の朝がきた。曇った朝だった。

 コンビニで、トマトジュースを買う。あの、ドロドロする赤い液体を。それをいっき飲みし、職場へとむかう。のどにまだトマトの感覚がある。これは成功だ。

 そして、席についたぼくは、咳をする。大げさに咳をする。そして、ティッシュで口をぬぐう。

 完璧だった。そこには、ピンクの液体がついていた。もうこれは、よくテレビで見るあれにしか見えない。

 みんなが咳をしているぼくを見つめている。よしここまでは計画通り。

 ぼくはハンカチで口をおさえながら、トイレへとむかった。少しよろけながら。

 そこで、時間を潰す。もう、みんなピンクのティッシュに気がついたころだろう。

 ぼくは計画の成功を確信した。これでだれかが「休め」といってくれる。

 遠くではサイレンの音が鳴り響いていた。


魔法の針(SF)

【本文】
 少し不思議な話をしよう。

 これは20年前の話だ。

 仕事終わりの居酒屋で、ひとり、焼き鳥をつまみにビールを飲んでいると、ひとりの爺さんから話しかけられた。

 「お隣、いいですかな」

 「どうぞ、どうぞ」

 「おや、お兄さん、顔色が悪いね。どこか悪いの」

 「最近、腰が痛くて。座りっぱなしな仕事のせいですかね」

 「おやおや、それはいかんな。なら、いいものをやろう」

 老人はおれに数本の針が入ったケースをくれた。

 「これは不思議なまほうの針でな。具合が悪いところに刺すと効果があるんですわ」

 「本当ですか~。酔っぱらって、適当なこといってるんでしょ」

 「ホホホホ、まあ使ってみなさい」

 「なら、酔っぱらった勢いで使ってみます」半信半疑だったが、もらえるものはもらっておこうという小市民な考えが浮かんだ。

 その後、仕事の愚痴などを老人と話したと思うが、よくおぼえていない。

 気がついたら、家の布団のなかだった。

 朝から腰が痛いし、動くのもだるかった。

 医者から痛み止めはもらっているが、あまり効果がなかったのだ。

 どうやら、スーツのまま寝てしまったようだ。

 寝返りをうつとポケットに違和感があった。

 あの老人からもらった、針ケースだ。

 もうこの際ヤケだ。使ってみようと、針を取りだした。

 おそるおそる針を腰に近づける。

 ぷすっという感覚が、もうまじかに迫っていると思った瞬間、不思議なことがおきた。

 もっていた針がなくなってしまったのだ。

 体に入ってしまったのかと焦ったが、痛みもない。

 本当にきえてしまったらしい。

 さらに、不思議なことに、あの鈍痛もどこかにいってしまったのだ。

 体が軽い。あの老人のいっていたことは本当だったのだ。

 残された針はあと3本。これを大事に使おうとわたしは決心した。

 それから、半年がたった。腰はとても好調だった。あれ以来、痛みはまるでない。

 針も順調に消費してしまった。

 母が転んで骨折してしまったときに1本。こどもが高熱を出したときに1本。

 ふたりとも、すぐに元気になった。これはすばらしい針だった。

 そして、最後の針を使うときがきたのだ。

 その日、仲が良い上司と飲みにいった。上司はかなり悩んでいた。

 普段、弱音をはかない上司が珍しい。

 なかなか、理由を話してくれないので、酒を飲ませたらやっと教えてくれた。

 「実は、妻が胃の病気でな。もう長くないらしいんだ。弱っていく姿を見るのがつらくてな」

 おどろいた。たまに遊びにいくと、いつも美味しい料理を作ってくれるあの奥さんが。

 「課長、実は自分は病気を治せるまほうの針をもってるんです。信じられないかもしれませんが、試してみませんか?」

 課長は最初、信用していなかったが、おれの必死な頼み込みで「わかった」といってくれた。

 休日、おれは課長と奥さんの病室へ向かった。

 奥さんは寝ていた。とてもやつれていた。

 「では、やってみてくれ」

 「はい」

 おれは、いつものように針を腹に刺そうとし、針はきえていった。

 「これでたぶん大丈夫です」

 「そうだといいんだが」課長は祈るようにつぶやいた。

 翌日、奇跡はおきた。

 おれは課長からの電話でたたき起こされたのだ。

 興奮気味に課長はおれにいった。

 「妻の病気が治ったそうだ。検査をしても、なにもみつからないんだ。1週間後には退院できるらしい。きみのおかげだ。なんといったらいいか」

 おれも課長と一緒に泣いた。「本当によかった」とふたりで繰り返した。

 だが、幸せも長くは続かなかった。

 3か月後、奥さんは交通事故にあって亡くなってしまったのだ。

 告別式の日、おれは課長とは話した。

 「きみがせっかく病気を治してくれたのこんな結果になってしまってすまなかったね」

 「そんなあやまることなんかじゃ」

 「でも、本当にありがとう。きみがくれた3か月はわたしたち夫婦の中でとても忘れられないものになったよ。ふたりでいきたかった温泉旅行にいったり、年甲斐もなく映画デートをしたり。本当に幸せだった。あのまま妻がベットで寝たきりだったら、一生後悔するところだった。本当にありがとう」

 おれはいたたまれなくなって、いつもの居酒屋に逃げた。

 グデグデになった状態で、あの老人にまた会ったのだ。

 「おやおや、今日は荒れているね。なにかあったのかい」

 おれは今までおきたことを、老人に話した。口調は荒かったと思う。

 「それは悪いことをしたな」彼はいった。

 「おそらく、奥さんはその日に亡くなる運命だったのだ」

 「運命?」

 「そう、運命じゃ。あの針は病気は治せても、ひとの運命まではかえることができないんじゃ。病気にその日死ぬ運命が、交通事故に置き換わってしまったんだ」

 「じゃあ、おれがやったことは無駄だったのか。課長に残酷な希望をもたせてしまったんじゃないのか」

 「なんともいえんが、それは違うと思うぞ。ベットで薬漬けで死ぬという運命を変えることができたのだからな。奥さんも幸せだったはずじゃ」

 その日は老人と朝まで飲み明かした。それ以来、その爺さんとは会えていない。

フリーダム

わたしは今、自由である。すべてのしがらみから解放された。

 「意地っ張り」

 これはわたしのためにあったような言葉だ。

 なにをするにしても、他人よりも上を目指していた。

 つねに自分と他人を比べて生きてきた。

 友達が中古車を買ったと聞いたら、自分は新車を買う。

 同期よりも収入は高くなりたかったし、出世もしたかった。

 少しでも馬鹿にされたら、根に持つし激怒していた。

 つまらない男だ。でも、それがわたしだった。

 そんな生活は簡単に崩壊した。

 ある日、突然、リストラされたのだ。もしかすると、前兆はあったのかもしれない。でも、他人のことばかり気にしすぎて、大事なことに気がつかなかったのだ。

 妻子は当然のように出ていった。

 あたりまえのことだ。家族なんて顧みないで仕事をしていたのだから。

 そんな男が仕事を失ってかえってきた。滑稽だ。あまりにも滑稽だ。

 自分でも笑えてくる。

 安アパートに引っ越し、アルバイトで養育費と生活費を稼ぐ日々が続く。

 でも、自分は幸せだった。これは見栄でもなんでもない。

 むしろ、見栄という重石がなくなったことへの解放感が自分を包んでいる。

 「これが本当の自分だ」と世界に向けて叫びたかった。

 仕事終わりに一言青空につぶやく。

 「今日も幸せだった」と。

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【将棋】スランプ症状別、リハビリ方法

スランプの症状別おすすめ将棋の勉強法を紹介していきます。

その他の将棋記事はこちら

症例1:中盤で敵陣を崩せない・振り飛車党なのに捌けない


→次の一手or手筋の教科書
中盤で敵陣を崩せないのは、おそらく手筋の知識不足が要因。
しっかり、次の一手問題集等を使って手筋や読み方を復習しましょう。これで相手陣地の崩し方がわかるはず。
おすすめ本は『羽生の法則』『将棋の基本手筋432』

症例2:いつも相手玉に安全な場所に逃げられてしまう。

→簡単な必至問題を解いてみよう。できれば、一手必死問題がおすすめ。
終盤力のトレーニング=詰将棋。しかし、詰将棋だけではなかなか実力者の王様を捕まえることはできません。逃げられてしまう=王手が多すぎるのです。詰将棋の問題は直線的な(王手の連打による詰みを見つける)終盤力を磨けますが、そればかりではなくやわらかく相手を包囲する方法も学んだ方がバランスが良いです。
即詰みのストレートな手順だけでなく、寄せや必至・囲い崩しで相手の逃げ場を奪うトレーニングもしてみてください。
勝率がグッと上がります。
おすすめ本は『寄せが見える本(基本編)』『寄せの手筋200』

症状3:受け間違えて頓死を多発


→簡単な詰将棋を解いてみる。
これは最善手が読めなくなっていることが原因ですね。
基礎に立ち返って、3手詰や5手詰など簡単な詰将棋を解いてみましょう。
おすすめは詰まされる側の気持ちになってやってみること。
 応手にミスがあれば、正解よりも早い手数で詰んでしまったりするので、とても良い練習になる。しのぎ問題は難しいので、自信を無くすおそれがあるので、簡単な詰将棋を解くのが一番確実。
おすすめ本は「いままで自分が使ってきた詰将棋問題集」

症状4:序盤で変なミスをして大差がつく。

→定跡書の本筋外の解説を熟読。
これは定跡の本筋だけを暗記して、理解できていないことが原因であることが多いと思います。
いつも使っている定跡書の本筋以外のところもちゃんと読んでみましょう。定跡から外れたところの考え方が書いてあるはずです。その考え方を理解すると、定跡から外れた力戦系や戦法の本質を理解しやすくなり、ミスが減っていくと思います。

症状5:何が悪いかすらもわからない。


→自分よりも強い人に棋譜を見てもらう(できれば有段者)、ソフトで解析する、棋譜並べをする。
かなりの重症です。
いったん立ち止まって、冷静に外部の意見を聞いた方がいいですね。
おすすめは知り合いの実力者に棋譜を見てもらって、アドバイスをもらうこと。
でも、さすがにそれはハードルが高いことも事実。相手の迷惑にならないか不安だと思うこともあるし、相手がおっかないひとであることも多い(笑)
次善策として、ソフトの解析もいいと思います。教えてもらう手順が難しすぎる危険性もありますが(笑)
ソフトも持っていなければ、解説書を読みながらプロの棋譜並べ。
ただ、後ろに行けば行くほど難易度が上がっていくので、ご注意を(笑)

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【詩】坂/かんぱい/コーヒー/生きる/時よ、止まれ

「坂」


坂を歩く
湿気をまとった空気は、少しずつわたしのからだを包んでいく
なつのひざしは、わたしのからだを貫いていく
この行為にいったいなんの意味があるのか
考えてもわからない
ただ、歩く

坂を歩いた
藪の中にあるその場所は、夏であるにもかかわらず冷たい雰囲気をまとっている
無機物の石が集結しているからだろうか
この場所に意味はあっても、意味はない
わたしは彼のもとにいく

彼のもとにつく
そこには、灰となった彼が鎮座している
こことは違う冷たい冷たい墓のなかで
彼にとってはこの場所は意味がないのかもしれない
魂の不死が本当かどうかはわからない
確実に言えることは、ここは生者のための場所だ

向こう側にいる彼はいったいどこにいるのだろう


「かんぱい」

かんぱい
かんぱい
ふたりはビールを飲みほした
枝豆を食べる
仕事の愚痴がはじまる
いい大人になってしまった

かんぱい
かんぱい
おれたちはビールをのみほした
枝豆を食べる
昔話に花をさかせる
いい大人になってしまった

かんぱい
かんぱい
ぼくたちはビールをのみほした
枝まめをたべる
すきだったおんなの子のことを話す
ばかな子供にもどってしまった

「コーヒー」

コーヒーを飲む
苦いコーヒーを飲む
いつからだろう
これを飲めるようになったのは
時の螺旋階段のどのタイミングだったかはわからない
ただ、苦みによって自分を罰したかっただけなのかもしれない
思春期の悩みなんてそんなものだ

オフィスでそんなバカなことを考えて、また、俺は自分を罰した

「生きる」

みんなは生きることを真剣に考えすぎる
そんなに満たされる必要なんてないのに
虚構の世界にみんなは騙されているんだ

すこしの仕事をして、たまに、誰かから褒められる
たまに、おもしろい本やドラマを味わって、感動する
同じ趣味の人とたまに、バカな話をする
たまに、家族と公園やデパートに遊びにいく
ゲームに負けて、たまに勝つ
たまに、人を好きになる

人生なんて、そんな単純なものなのに

「時よ、止まれ」

晴れていた空が急に暗くなる
空に浮かぶ積乱雲は、水の要塞のように高くそびえたっていた
天に浮かぶそれは、地上へと弾幕のように雨を降り注ぐ

その大きな爆弾は、地上で爆発して、あたり一面を濡らしていく
とめることはできない圧倒的な力
私は、それをしずかに浴び続けた

そして、突然の爆撃は終わった
天は青くなり、雲は散り散りになってどこかへ行ってしまう
そして、私は戯曲の一節を口ずさんだ。

時よ、止まれ。汝は、いかにも美しい。

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