【名人戦観戦記】▲渡辺明名人vs△斎藤慎太郎八段~今度は圧巻の名人~

前回は圧巻の逆転劇でしたね。

今回は相掛かりでした。最近流行している端歩突きを入れる相掛かり。

名人は中住まい、斎藤先生は美濃囲いっぽく組みました。

ひねり飛車のような昭和の将棋っぽい感じでした。

角の打ち合いから一気に終盤に突入!

バランスの良い相掛かりでこういう角の打ち合いになるのって珍しいですよね。

攻めあいになってからがすごかった。

60手台の猛攻が完全に名人に勝利を引き寄せた感じですね。

こうまで完璧なせめぎ合いだと囲いの防御力が低い相掛かりでは逆転を生む粘りも難しいですからね・・・

これは次回は矢倉の予感!!

緩急自在! 新型相掛かりの戦い方 (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,462から
(2021/4/29 20:06時点)

矢倉で初段になるために!!

ということで矢倉で初段になりたい人向けの記事です。

矢倉大好き人間が書いていきますね~

①矢倉の5手目を決める

詳しくはこちらの記事などにも書いていますが、まずは矢倉5手目問題です。

▲7七銀は攻撃力がありますが、急戦矢倉に弱い。

▲6六歩は防御力が高いんですが、左美濃急戦に弱い。

一長一短です。

どちらを選んでも大丈夫なので好きな方を選んでみてください。

②矢倉を組む一手一手の意味を知る

この過程を知っているかどうかで伸び悩むかどうかが決まります。

我流矢倉の怖さは、組む前に潰されることです。

実際、矢倉の序盤は一手の手順前後で評価が分かれます。

一手ずれると本来は克服しているはずの急戦矢倉に弱くなったり、相矢倉で先手なのに後手から猛攻を受けて崩壊したりするのが多発します。

実際、矢倉が組めたら初段と言う言葉がありますが、意味を知らずに感性で組むには危険すぎる戦法ですね。

ここは意識的にやらなくてはいけないことです。プロの棋譜並べ(当たり前ながらプロ同士は前提条件を理解しているので基本的な急戦の受け方がでてきませんw)

しっかり定跡書を読み込む必要がありますね。

王道定跡の理解におススメの本(基本書)

矢倉の基本 ~駒組みと考え方~ (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,804から
(2021/4/25 10:51時点)

比較的新しい定跡はこちら(難易度高い)

矢倉の新常識 マイナビ将棋BOOKS

新品価格
¥1,525から
(2021/4/25 10:52時点)

矢倉アレルギーの人向け

初段に勝つ矢倉戦法 将棋必勝シリーズ

新品価格
¥1,359から
(2021/4/25 10:53時点)

【新刊2000文字レビュー】『負けない振り飛車!四間飛車穴熊のすべて』(青嶋未来先生)

こちらの感想もどうぞ!

ということで久しぶりの四間飛車穴熊本ですね!

実は最近四間飛車穴熊を封印していたのでかなり楽しみにしていました。

だって、かつてネット将棋において振り飛車穴熊で無双していた青嶋先生ですからね!!

第1章 vs居飛車穴熊▲6六歩編

こちらは基本的に飛車のふり直しから右四間飛車に構えて四間飛車がガンガン攻めていくオーソドックスな形ですね。

2枚穴熊で左金を穴熊にはくっつけない形ですね。

戦いの呼吸とかちょっとくすっときますね(笑)

最初に定跡形を説明して、次に発展形や最新形を説明していくスタイルなのでわかりやすいと思います。

四間飛車穴熊vs居飛車穴熊のなかでは比較的にとっつきやすい戦型でもありますからね(仕掛けやすいから)

※簡単とは言っていません

本来は無理筋だと言われていた△6五同銀の結論が覆っているのがおもしろいですね。

攻め続ける感じになるんでアマチュア的にもおもしろそうな形だと思いました。

第2章 vs居飛車穴熊▲6六銀編

居飛車穴熊がこっちの場合は右四間飛車には基本的にできません(状況によってはできますが)。

定跡的にはこっちの方が難しいです(※個人の感想です)

居飛車側の動きに四間飛車側が対応していかなくちゃいけないんですよね。

穴熊放棄して美濃にするパターンも有力ですし!

こっちは四間飛車側が四筋から攻めることが多いですね。

自分はこっちには美濃囲いを使った方が勝ちやすいのであんまり詳しくないです(笑)

まとめにも書かれているように、居飛車の指し手が広すぎて対応するのが難しいんですよね~だから、美濃にしてバンバン攻めていった方が自分の棋風的にはやりやすいです。

▲6六の場所に歩がいる→穴熊

▲6六の場所に銀がいる→美濃囲いと使い分けは結構有力ですよ(D流なので本には書かれていませんw)

第3章 トーチカ

いよいよこの本の目玉のトーチカです!!

この戦型が書かれるのは初めてかかなり久しぶりなんで貴重ですね。

トーチカは端攻めができるのがポイントで穴熊側としては結構怖い戦法です。

ここで穴熊側が端歩を受けるかどうかが問題になってくるので自分も気になっていました。

この本ではそこをちゃんとフォローしてくれていて嬉しいですよ。

個人的には積極策の△7二飛車からの猛攻がツボでした(桂馬の頭を狙う攻め)

ただ、どうしてもお互いにじっくり組み合いになってくると手が広すぎて振り飛車が対応しなくちゃいけないことが多くなってきて難解になってきますね。

ここ最近の定跡の最前線近くだから仕方がない面はありますが・・・

なんとなく居飛車穴熊みたいな指しまわしを要求されている気がします(四間飛車側が)

この定跡は難しいから何度も読もう!

第4章 対エルモ急戦

エルモ急戦は基本的に船囲いの応用ってイメージでした。

四間飛車穴熊の急所 (最強将棋21)

新品価格
¥1,540から
(2021/4/24 14:17時点)

対船囲いはこちらの本が決定版になっているのでおススメです。

△3二銀型に構えて四間飛車がさばきまくれば囲いの防御力差で勝利できるシンプルな将棋。

鷺宮定跡の応用個所も基本は上の本の進化系ですね。

さばきかたさえおぼえてしまえばあとは同じような形にできるのでまずはこの章から読んでいくとよいと思います。

一番勝率が上がりやすい章だと思います。

まとめ

広瀬先生の穴熊本だけでは対応できない戦法が増えてきたところでこの本の登場は相当意味が大きいですね。

どうしても穴熊の定跡って難解になりやすいので、難易度は結構高いんですが穴熊党は必須の内容だと思います。

エルモは2枚穴熊と耐久度はそう変わらないけど、遠さで劣る。こういう感覚も随所に描かれているのが魅力です。

最後のセオリーは勉強になる大局観なので必読だと思います!!

負けない振り飛車!四間飛車穴熊のすべて (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,372から
(2021/4/24 14:17時点)

矢倉と急戦矢倉について

ということで、今日は矢倉の歴史を考えていきます。

矢倉の歴史=急戦矢倉の歴史であると私は考えています。
がっつり組み合う矢倉は急戦矢倉をクリアしてこそできるものでありまずは急戦矢倉があるんです。

矢倉は5手目に分岐点があります

5手目▲7七銀(昭和・令和の矢倉)

5手目▲6六歩(平成矢倉)

この矢倉は交互に流行しているものです。
その流行の分岐点にあるものが急戦矢倉です。

5手目▲7七銀の矢倉の問題は何か?
それは急戦矢倉に弱いことです。

矢倉中飛車・米長流急戦矢倉など5手目▲7七銀の矢倉に強い急戦矢倉はたくさんあります。
それに対して令和矢倉は早めに▲2五歩を突きこちらも攻撃をするぞという意思表示を見せることで急戦矢倉と戦っています。(平成矢倉は早めの飛車先の歩を突くのは損だと考えていました。桂馬をはねる余地を残したいからです。)

では5手目▲6六歩の矢倉は何がいいのか。
それは従来の急戦矢倉に強いことです。

ほとんどの急戦矢倉に対して戦える定跡が完備されているんです。
それはこちらの本に詳しく書かれています↓

対急戦矢倉必勝ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,232から
(2021/4/20 20:17時点)

で、この5手目▲6六歩がどうして平成矢倉になってしまったのかですが・・・

これを潰す新しい急戦矢倉が生まれてしまったんです。
それが居角左美濃急戦です。

この新しい急戦矢倉によって5手目▲6六歩が壊滅しました。

▲7七銀矢倉はこの左美濃急戦には強いので令和に復活を果たしました。

このように矢倉の大きな流れを作っているのが急戦矢倉です。
なので矢倉を組むためには急戦矢倉が必須となっています。

先手矢倉の逆襲 (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,525から
(2021/4/20 20:18時点)

【竜王戦観戦記】▲藤井聡太 二冠  vs △ 八代 弥 七段~続く伝説・怪物の5期連続優勝~

ということで今回の藤井将棋もすごかったですね。

先手の藤井先生は矢倉に組みました。

久しぶりに早囲いをみました。後手が米長流急戦矢倉とかに組めない陣形でしたから組みやすいですもんね。

早囲いとは言っても金矢倉じゃなくて土居矢倉でした。

それに対して矢倉穴熊に組んだ八代先生。

最先端の矢倉はわけわかめ(笑)

最初は後手の端攻めで開戦しましたが、藤井先生のカウンターがすさまじいですね。

最近の藤井将棋は受けに回ることも多い印象で一時期的な棋風とは少しずつ変わってきている気がします。さらに進化しているのかも。

バランスの良い広い陣形で敵の攻撃を完全に見切ってあとは猛攻で敵に食らいついてあとは離さない。

いや、この勝ち方が強すぎる。横綱相撲でした(;’∀’)

矢倉は終わらない (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,694から
(2021/4/18 19:31時点)

【棋王戦観戦記】▲森内俊之 九段 vs. △青嶋未来 六段~がんじがらめの穴熊を攻略する伝説~

1週間前の棋譜ですが、今頃並べましたw

この森内先生がすごかった。

青嶋先生の伝家の宝刀でもある四間飛車穴熊を見事に攻略しましたね(;’∀’)

青嶋先生は耀龍四間飛車を見せつつ穴熊に組みましたが、森内先生も居飛車穴熊に・・・

かなり難しい形になった感じですが、序盤から森内先生がうまく指していたイメージ。

一度リードを作ったらそのまま押し切る森内流の指しまわし。

うますぎる。

穴熊の玉頭戦でカウンターからリードをどんどん奪う。

森内先生、完全復活って感じです( ;∀;)

不利と悟った青嶋先生はすさまじく強力な穴熊を作り上げます。

金銀の形が違う4枚穴熊が何度も出来上がって、さらに猛攻にさらされながらもリードは森内!

流れは完全に森内!!

いや、これはすごい。現代将棋に完全に順応し怪物が復活した。

そんな気がします。

実際、今年の森内先生の勝率75%ですからね!(^^)!

負けない振り飛車!四間飛車穴熊のすべて (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,372から
(2021/4/15 22:29時点)

【叡王戦観戦記】▲藤井聡太二冠vs△広瀬章人八段~圧巻の相掛かり~

いや、この棋譜はすごすぎましたね。

予選とは思えない豪華なマッチング。もうタイトル戦ですよね。

そして、相掛かりになりました。飛車先の歩を早めに切る古典的な相掛かりでしたね。

こういう相掛かりの場合はじっくり組み合う感じになることが多いんですが、後手の広瀬先生が仕掛けて急戦調に・・・

勉強不足かもしれませんが、かなり力戦よりの形でした。

後手から先攻するって結構無理をしている印象もあるんですが、そこをうまくカウンターで仕留める藤井二冠の老獪さがやばい。

角と桂馬だけでカウンターを鮮やかに決めて広瀬先生を沈めてしまう恐ろしさしか感じません。

切れ味が鋭すぎて斬られたこともわからないような将棋でしたね。

鮮やかすぎて逆に恐怖すら感じるすさまじい将棋でしたね。

間違いなく歴史上最強の怪物になりつつあります。

藤井聡太の軌跡 ~400年に1人の天才はいかにして生まれたか~

新品価格
¥935から
(2021/4/12 23:03時点)

【名人戦観戦記】斎藤慎太郎 八段 vs 渡辺明 名人~圧巻の逆転劇!

いや~昨日の名人戦はすごかったですね。

先手が斎藤先生で矢倉でした。

先手土居矢倉

後手銀矢倉に組みましたね。

脇システムや早繰り銀を見せつつがっつり組む感じになりましたね。

バランス重視の先手と固さ重視の後手。

棋風が出やすい陣形でした。

そして先手は雀刺しに構えましたが、後手のカウンターがすごかった。

猛攻で斎藤先生が風前の灯火に……流れの中で穴熊に組んで猛攻とはまさに渡辺将棋の真髄。

しかしここからがすごかった。

斎藤先生が陣形の広さと金銀の連結を主張点に粘りに粘りまくる。

そして大逆転!!興奮の様子はこちらを↓

いやすごい将棋でした。名人戦史に残る大逆転だと思います!

先手矢倉の逆襲 (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,525から
(2021/4/9 23:28時点)

【竜王戦観戦記】▲森内俊之 九段 vs△菅井竜也 八段~まさに鋼鉄!流れは完全に森内!~

ということでちょっと前の棋譜ですがこちらをゆっくり並べました!

菅井先生がゴキゲン中飛車。

対して森内先生は超速でした。

菅井先生は銀対抗&金美濃で対抗。

お互いに力戦の穴熊に組み替えてがっつり戦う感じ。

ただ力勝負の戦いは森内先生がメチャクチャ強いんですよね。

全盛期の羽生ー森内は私の中で相掛かりでの大混戦でした(笑)

羽生VS森内百番指し

中古価格
¥1,386から
(2021/4/7 00:05時点)

これ2週していますからね(笑)

厚みある穴熊の玉頭戦。

手厚すぎる指しまわしで完全に森内先生のペースになりました。

流れは完全に森内!

最後は鉄板ともいえるほどの竜が穴熊に合流しました。

すごい将棋で、圧巻の永世名人的な将棋でしたね。

これは何度も並べたくなる!!

【竜王戦観戦記】▲羽生善治九段―△丸山忠久九段~粘り勝った羽生先生!!~

ということで、この前の竜王戦をゆっくり並べました。

一手損角換わりでしたね。

それに対して羽生先生は棒銀、丸山九段は腰掛け銀で勝負でしたね。

棒銀を使った羽生先生の動きがとても玄人であこがれますね。

今回は3筋から攻めたかと思ったら下がって陣形を引き締める。いや~こんな苦労とな棒銀すごいですよね。

やや取り残されて気味だったんですが、最終的には清算してそこからひたすら粘る!

玉頭に厚みを作り始めてなかなか詰まない形にした羽生先生の陣形がすごかった。ソフト的には丸山先生が中盤にリードを作ったと思いますが、負けにくい陣形の羽生先生ほど怖いものはありませんね。

最後は完全に見切った形で強豪の丸山先生を撃破し1組4位決定戦へ。

羽生先生強すぎる!

1手ずつ解説する角換わり棒銀 (マイナビ将棋BOOKS)

新品価格
¥1,525から
(2021/4/3 11:40時点)