注意書き
将棋連盟の将棋連盟ライブ中継アプリ等(https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/ )を使って観戦を楽しんでいる方向けの将棋観戦記です。
ただし、将棋連盟から「棋譜利用に関するお願い」(https://www.shogi.or.jp/news/2019/09/post_1824.html )という通達も出ているのでこれを遵守して、観戦記を書いていこうと思います。
・棋譜と図面を使用しない
・読者の方が上記のアプリを使用して棋譜並べをする参考になるように、序盤の構想のどこがおもしろいのかや、終盤の注目ポイントを簡潔に述べる
・あくまで、 将棋連盟ライブ中継アプリ等 のバックナンバーで参考になる対局紹介というレベルで抑える。
今回の対局の基本情報
棋戦名:第70回NHK杯将棋トーナメント
対局者:松尾歩八段vs出口若武四段
日付:2020.4.26
観戦記
安定して勝つ松尾先生と初出場で緊張している出口先生の対局です。
松尾先生は、ちょい悪っぽいイメージです。ダンディ。
戦型は、矢倉ですね。5手目▲7七歩ver。
基本的に、5手目▲7七歩は急戦矢倉をとがめにくいので、高確率で対急戦となります。
・矢倉中飛車
・米長流急戦矢倉
・一直線棒銀
・早繰り銀
ここら辺が流行している対策ですね。
米長流急戦の場合は、そこから持久戦に移行することがあって、その中で土居矢倉なども出てくる感じです。
詳細はこちらを↓
昔は、急戦矢倉=後手だったんですが、最近は先手でも急戦矢倉にして、先攻することが多くなってきています。後手に一方的に主導権を握られるのが嫌なんですよね。
今回も、先手が急戦を狙う感じです。
流れの中で、矢倉と相がかりの真ん中のような陣形へ。
先手は、棒銀(UFO銀)
後手は、早繰り銀。
こうなってくるとUFO銀から腰掛け銀に直すパターン・4筋から形を作っていくパターン・棒銀で攻めるパターン、いろいろあって後手は対策を絞りにくいです。
相がかりの持久戦パターンと合流しました。
こうなってくると腰掛け銀が有力ですね。早繰り銀をけん制できるので。
後手も早繰り銀を放棄して、ノーマル雁木のような形へ。
矢倉→相がかり→雁木と戦型がゴロゴロ変わります。
相居飛車においては角道を止めないことが重要。攻めが単調になりやすいですからね。稲葉先生の大事な解説です。
最近、相居飛車の各種戦法の領域が曖昧かしてますね。すごい新時代だ。
右四間飛車にした段階で、私は先手有利だと思います。
後手は、なかなか攻めに動けない上に、角が閉じこもっているのがあんまり好きではありません。陣形が手厚いので、そこをうまく使っていくのがポイントか。
しかし、抑え込まれたように見えていた後手が、大爆発。
すさまじく挽回していきます。先手は薄い陣形なので、下手すれば流れ弾に当たる危険性もある勝負手もでました。
しかし、先手は冷静にずるずると優勢を広げていきます。この冷静な指しまわしは、さすが松尾先生ですね。
まさに完勝ですね。最後は有名な寄り筋なので、是非とも確認してみてください。
今回の見どころ
・自由自在の序盤戦術
・駒組をめぐる攻防
・松尾先生のジワジワリードを広げる技術
前回のNHK杯の感想はこちら
【定期宣伝↓】NHK杯やアベマトーナメント、各種棋戦・タイトル中継のアーカイブスが豊富なアベマのプレミアムはいかがでしょうか?将棋のビデオが月額960円で観放題です。