【NHK杯観戦記】▲大橋貴洸 六段vs△片上大輔 七段~ 耀龍四間飛車降臨!!あれ、片上先生のほう!?~

ということでいつもながらNHK杯観戦記です。

大橋先生だから、耀龍シリーズ来るかなと思って楽しみにしていました。

しかし、なんと片上先生のほうが耀龍四間飛車を採用しました!!

あれ、先後、間違えたかなと思いました。

あと解説の将棋界1のダンディズムの持ち主中川先生が、大橋先生のお洒落を随所に語っていたのもとてもおもしろかったです。

渡辺先生のスーツを一緒に買いに行って、渡辺先生を着せ替え人形のようにしていたエピソードが大好きです(笑)

ちなみに耀龍四間飛車とは、対抗形で美濃囲いではなく金無双を使う四間飛車のことです。縦からの将棋に強い金無双を使うことで、穴熊を上からおしつぶしやすいことに着目されて流行しています。

私も金無双が結構好きで、囲いじゃないとか言われていた時代を知っているので、対抗形で居飛車も振り飛車も使うようになるとは思いませんでした(笑)相振り飛車は、「脱金無双」が一時期合言葉でしたからね(;’∀’)すごい躍進です・・・

大橋先生の将棋も独特です。

位取り系の将棋は定跡化しにくいのですが、特に6筋位取りは最も定跡化されていないはずの力戦形です。昭和の対抗でよく見たんですが・・・まさか令和で復活かな??

向かい飛車に振りなおした後手の猛攻が先手陣を襲います。

ということで、玉頭戦です。後手の四間飛車側の激しい玉頭のせめぎ合い。

それをカウンター玉頭戦で仕留める大橋先生の指しまわし。すごい。

見事に決めきりましたね。

耀龍四間飛車 美濃囲いから王様を一路ずらしてみたらビックリするほど勝てる陣形ができた (マイナビ将棋BOOKS)

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【将棋観戦記】竜王戦▲藤井聡太七段-△杉本昌隆八段~ベールを脱ぐ対振り金無双~

ついに3組決勝戦で師弟対決が実現しましたね。

▲藤井聡太七段-△杉本昌隆八段の激突です。

杉本先生は、相振り飛車の歴史の革命家です。詳しくはこちらをご覧ください。

50代になってからさらに気力が充実していくのはさすがです。

師匠は和服で対局。やる気満々ですね。

戦型は、先手金無双急戦vs四間飛車。

振り飛車の革命家の師匠に対して、藤井先生も新時代の戦法をぶつけていきます。

今度本が出るんですよね。

金無双急戦はもともと、将棋ソフトのポナンザが得意としていた形で、10年代中盤~後半にチヤホヤ将棋ソフトで採用されることが増えていた形です。

少しずつプロ棋戦でも増えてきて、ついに大舞台で登場しましたね。

個人的にエルモ急戦よりも有力だと思ってます。バランスの良さと角交換に強いのが評価点(エルモは角交換が意外と難しい)

この囲いには、斜め棒銀と早仕掛けのどちらかを選択するのが有力ですね。

棒銀はたしか採用数が少ないはず。ここらへんは、エルモ急戦と一緒です。

藤井先生は斜め棒銀を採用しました。

それに対して杉本先生は、急戦に強い左金と飛車の接近を選択しました。

これは大山先生→藤井猛先生と受け繋がれた四間飛車の形ですね。片美濃放棄は驚きましたが(;’∀’)

藤井先生は流れの中で、金無双を変化させて玉頭戦を選択。

金無双陣形は縦に強いのでこれはなかなかおもしろい。

とても勉強になりました。

一気に攻め切ってしまった印象です。

藤井先生が3組優勝。3組優勝→竜王挑戦→タイトル奪取の竜王戦ドリームの王道が見えてきました。

羽生・糸谷先生がたしかこの流れでタイトルを取っているので、期待大です。