羽生流袖飛車④ 実戦譜

ということで、今回は羽生流袖飛車の実戦譜です。

ただ、早指ルールだったので、悪手も多いかと思います。

こんな流れで戦うものだという参考になればいいのですが……

後手が自分で、先手は二段の方です。

感想戦

原始棒銀vs羽生流袖飛車という超力戦形です。

もともと力戦形は筋悪将棋なので得意なんですが…… 今回は序盤に棒銀の対応をポカしましたw

具体的に言うと、

12手目の△1四歩

これは良くない。あまりに良くない一手。3四歩で角道を通すべきでした。

21手目

これで相手の棒銀は決まりました。しかし、この程度であきらめる力戦党はいませんよ(笑) 相手を泥沼に引きずり込むのが次の一手。そう、ごういんな角交換ですw さらに、歩で飛車を叩いて、むりやり棒銀の被害を最小限度におさえこみました。力戦党の力技が光ります← まあ、これでも先手が有利なんですが汗

35手目 ▲2一歩成

これで相手の敗着の一手だと思います。定跡から完全に外れたので、お互いに攻める気持ちが裏目にでてしまいましたね。3一飛車打ちで向こうの優勢でした。悪手が出たので、一気にとがめにいきます。こちらが優勢になっていると思います。

40手目 △3一飛車打

これは自分の緩手。7六角打のほうが、攻めが早いです。これで乱戦に移行しました。

60手目 △5八と

これが決め手です。玉を逃がしても、△5九角打▲同金(49)△同龍(89)▲3八玉(48)△2八金打 この筋で即詰み。同玉にしないといけませんが、あとは一気に寄せに直行です。ちなみに、△4九龍でも寄っています。こちらのほうが早いかも

△4九龍(89)▲7三香成(74)△同桂(81)▲同桂成(85)△同玉(82)▲6五桂打△6二玉(73)▲6三歩打△同玉(62)▲7四金打△5四玉(63)▲5三桂成(65)△同玉(54)▲6四金(74)△同桂(52)▲同銀(75)△4二玉(53)▲3二飛成(31)△同玉(42)▲3三銀打△同玉(32)▲5五角(46)△4四桂打▲4五桂打△4二玉(33)▲5三銀成(64)△3二玉(42)▲4四角(55)△6四香打▲6五歩打△4四歩(43)▲2四桂打△2三玉(32)▲7七玉(68)

関連記事

KIFデータ

KIF形式棋譜ファイル

Generated by Shogidokoro

手合割:平手
先手:
後手:
手数—-指手———消費時間–
1 2六歩(27) (00:00 / 00:00:00)
2 3二金(41) (00:01 / 00:00:01)
3 2五歩(26) (00:00 / 00:00:00)
4 7二飛(82) (00:01 / 00:00:02)
5 3八銀(39) (00:01 / 00:00:01)
6 7四歩(73) (00:01 / 00:00:03)
7 2七銀(38) (00:00 / 00:00:01)
8 7五歩(74) (00:00 / 00:00:03)
9 2六銀(27) (00:01 / 00:00:02)
10 7四飛(72) (00:01 / 00:00:04)
11 1五銀(26) (00:02 / 00:00:04)
12 1四歩(13) (00:01 / 00:00:05)
13 2四歩(25) (00:02 / 00:00:06)
14 同 歩(23) (00:02 / 00:00:07)
15 同 銀(15) (00:00 / 00:00:06)
16 7六歩(75) (00:05 / 00:00:12)
17 同 歩(77) (00:01 / 00:00:07)
18 3四歩(33) (00:02 / 00:00:14)
19 6六歩(67) (00:04 / 00:00:11)
20 7六飛(74) (00:05 / 00:00:19)
21 2三銀成(24) (00:02 / 00:00:13)
22 6六角(22) (00:01 / 00:00:20)
23 同 角(88) (00:01 / 00:00:14)
24 同 飛(76) (00:01 / 00:00:21)
25 3二成銀(23) (00:01 / 00:00:15)
26 2七歩打 (00:02 / 00:00:23)
27 7八飛(28) (00:06 / 00:00:21)
28 7七歩打 (00:02 / 00:00:25)
29 6八飛(78) (00:05 / 00:00:26)
30 同 飛成(66) (00:02 / 00:00:27)
31 同 銀(79) (00:01 / 00:00:27)
32 3二銀(31) (00:01 / 00:00:28)
33 2二歩打 (00:07 / 00:00:34)
34 7八銀打 (00:02 / 00:00:30)
35 2一歩成(22) (00:04 / 00:00:38)
36 6九銀成(78) (00:03 / 00:00:33)
37 同 玉(59) (00:01 / 00:00:39)
38 7八金打 (00:01 / 00:00:34)
39 5八玉(69) (00:01 / 00:00:40)
40 6九飛打 (00:02 / 00:00:36)
41 5九金打 (00:02 / 00:00:42)
42 6八金(78) (00:06 / 00:00:42)
43 同 金(59) (00:01 / 00:00:43)
44 8九飛成(69) (00:02 / 00:00:44)
45 3一飛打 (00:05 / 00:00:48)
46 4一銀打 (00:01 / 00:00:45)
47 2四角打 (00:03 / 00:00:51)
48 6二玉(51) (00:03 / 00:00:48)
49 7三歩打 (00:17 / 00:01:08)
50 同 玉(62) (00:09 / 00:00:57)
51 4六角(24) (00:02 / 00:01:10)
52 6四歩(63) (00:04 / 00:01:01)
53 7五銀打 (00:04 / 00:01:14)
54 5二桂打 (00:07 / 00:01:08)
55 1一と(21) (00:16 / 00:01:30)
56 7八歩成(77) (00:03 / 00:01:11)
57 7四香打 (00:01 / 00:01:31)
58 8二玉(73) (00:02 / 00:01:13)
59 8五桂打 (00:06 / 00:01:37)
60 6八と(78) (00:15 / 00:01:28)
61 同 玉(58) (00:01 / 00:01:38)
62 8八龍(89) (00:08 / 00:01:36)
63 7八歩打 (00:01 / 00:01:39)
64 7九角打 (00:09 / 00:01:45)
65 5九玉(68) (00:01 / 00:01:40)
66 7八龍(88) (00:01 / 00:01:46)
67 5八金(49) (00:08 / 00:01:48)
68 6八金打 (00:06 / 00:01:52)
69 同 金(58) (00:02 / 00:01:50)
70 同 龍(78) (00:03 / 00:01:55)
71 4九玉(59) (00:01 / 00:01:51)
72 4八金打 (00:02 / 00:01:57)
73 投了 (00:00 / 00:01:51)
まで72手で後手の勝ち

変化:61手
61 4八玉(58) (00:00 / 00:01:37)
62 5九角打 (00:00 / 00:01:28)
63 同 金(49) (00:00 / 00:01:37)
64 同 龍(89) (00:00 / 00:01:28)
65 3八玉(48) (00:00 / 00:01:37)
66 2八金打 (00:00 / 00:01:28)

羽生流袖飛車研究③(KIF)

今日は将棋クエストの大会に出てみました!

羽生流袖飛車が決まりに決まって、1020人参加の大会で70位くらいになれました! この戦法でレート上位の方を2人ほど粉砕し,大会での躍進の原動力となりました。

前の記事で書いたKIFを公開します。研究にご利用ください。

KIF形式棋譜ファイル

Generated by Shogidokoro

手合割:平手
先手:
後手:
手数—-指手———消費時間–
1 2六歩(27) (00:00 / 00:00:00)
2 3二金(41) (00:00 / 00:00:00)
3 2五歩(26) (00:00 / 00:00:00)
4 7二飛(82) (00:00 / 00:00:00)
5 4八銀(39) (00:00 / 00:00:00)
6 7四歩(73) (00:00 / 00:00:00)
7 2四歩(25) (00:00 / 00:00:00)
8 同 歩(23) (00:00 / 00:00:00)
9 同 飛(28) (00:00 / 00:00:00)
10 2三歩打 (00:00 / 00:00:00)
11 2六飛(24) (00:00 / 00:00:00)
12 7五歩(74) (00:00 / 00:00:00)
13 7八金(69) (00:00 / 00:00:00)
14 3四歩(33) (00:00 / 00:00:00)
15 6八銀(79) (00:00 / 00:00:00)
16 7四飛(72) (00:00 / 00:00:00)
17 5六歩(57) (00:00 / 00:00:00)
18 7三桂(81) (00:00 / 00:00:00)
19 5七銀(48) (00:00 / 00:00:00)
20 6二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
21 6六歩(67) (00:00 / 00:00:00)
22 6四歩(63) (00:00 / 00:00:00)
23 6七金(78) (00:00 / 00:00:00)

変化:23手
23 6七銀(68) (00:00 / 00:00:00)
24 4二銀(31) (00:00 / 00:00:00)
25 3六歩(37) (00:00 / 00:00:00)
26 6三銀(62) (00:00 / 00:00:00)
27 4八金(49) (00:00 / 00:00:00)
28 4一玉(51) (00:00 / 00:00:00)
29 3七桂(29) (00:00 / 00:00:00)
30 5四銀(63) (00:00 / 00:00:00)
31 4六歩(47) (00:00 / 00:00:00)
32 6五歩(64) (00:00 / 00:00:00)
33 同 歩(66) (00:00 / 00:00:00)
34 7六歩(75) (00:00 / 00:00:00)
35 同 歩(77) (00:00 / 00:00:00)
36 8八角成(22) (00:00 / 00:00:00)
37 同 金(78) (00:00 / 00:00:00)
38 4四角打 (00:00 / 00:00:00)

変化:35手
35 同 銀(67) (00:00 / 00:00:00)
36 6五桂(73) (00:00 / 00:00:00)
37 同 銀(76) (00:00 / 00:00:00)
38 同 銀(54) (00:00 / 00:00:00)

変化:33手
33 4七金(48) (00:00 / 00:00:00)
34 3一玉(41) (00:00 / 00:00:00)
35 9六歩(97) (00:00 / 00:00:00)

変化:20手
20 3五歩(34) (00:00 / 00:00:00)
21 6九玉(59) (00:00 / 00:00:00)
22 6二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
23 6六歩(67) (00:00 / 00:00:00)
24 1四歩(13) (00:00 / 00:00:00)
25 6七銀(68) (00:00 / 00:00:00)
26 1三角(22) (00:00 / 00:00:00)
27 4六銀(57) (00:00 / 00:00:00)
28 2四飛(74) (00:00 / 00:00:00)
29 同 飛(26) (00:00 / 00:00:00)
30 同 角(13) (00:00 / 00:00:00)

変化:13手
13 7八銀(79) (00:00 / 00:00:00)
14 3四歩(33) (00:00 / 00:00:00)
15 5六歩(57) (00:00 / 00:00:00)
16 6二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
17 5七銀(48) (00:00 / 00:00:00)
18 6四歩(63) (00:00 / 00:00:00)
19 6六歩(67) (00:00 / 00:00:00)
20 6三銀(62) (00:00 / 00:00:00)
21 6八玉(59) (00:00 / 00:00:00)
22 7四銀(63) (00:00 / 00:00:00)
23 5八金(49) (00:00 / 00:00:00)
24 8四歩(83) (00:00 / 00:00:00)
25 6七金(58) (00:00 / 00:00:00)
26 8五歩(84) (00:00 / 00:00:00)
27 7九玉(68) (00:00 / 00:00:00)
28 5二金(61) (00:00 / 00:00:00)
29 3六歩(37) (00:00 / 00:00:00)
30 4一玉(51) (00:00 / 00:00:00)
31 3五歩(36) (00:00 / 00:00:00)
32 同 歩(34) (00:00 / 00:00:00)
33 4六銀(57) (00:00 / 00:00:00)
34 8二飛(72) (00:00 / 00:00:00)
35 2四歩打 (00:00 / 00:00:00)
36 同 歩(23) (00:00 / 00:00:00)
37 同 飛(26) (00:00 / 00:00:00)
38 8六歩(85) (00:00 / 00:00:00)
39 同 歩(87) (00:00 / 00:00:00)
40 2三歩打 (00:00 / 00:00:00)
41 6四飛(24) (00:00 / 00:00:00)
42 6三金(52) (00:00 / 00:00:00)
43 3四飛(64) (00:00 / 00:00:00)
44 8五歩打 (00:00 / 00:00:00)
45 同 歩(86) (00:00 / 00:00:00)
46 同 銀(74) (00:00 / 00:00:00)
47 8七歩打 (00:00 / 00:00:00)
48 5四歩(53) (00:00 / 00:00:00)
49 6八玉(79) (00:00 / 00:00:00)

変化:22手
22 7四飛(72) (00:00 / 00:00:00)
23 5八金(49) (00:00 / 00:00:00)
24 7三桂(81) (00:00 / 00:00:00)
25 6七金(58) (00:00 / 00:00:00)
26 6五歩(64) (00:00 / 00:00:00)
27 同 歩(66) (00:00 / 00:00:00)
28 同 桂(73) (00:00 / 00:00:00)
29 6六銀(57) (00:00 / 00:00:00)
30 同 角(22) (00:00 / 00:00:00)
31 同 金(67) (00:00 / 00:00:00)
32 5七銀打 (00:00 / 00:00:00)
33 6七玉(68) (00:00 / 00:00:00)
34 6六銀成(57) (00:00 / 00:00:00)
35 同 玉(67) (00:00 / 00:00:00)
36 7二金(61) (00:00 / 00:00:00)
37 7九角(88) (00:00 / 00:00:00)
38 3三桂(21) (00:00 / 00:00:00)

変化:24手
24 4一玉(51) (00:00 / 00:00:00)
25 7九玉(68) (00:00 / 00:00:00)
26 7三桂(81) (00:00 / 00:00:00)
27 6七金(58) (00:00 / 00:00:00)
28 4二銀(31) (00:00 / 00:00:00)
29 9六歩(97) (00:00 / 00:00:00)
30 3一玉(41) (00:00 / 00:00:00)
31 4六歩(47) (00:00 / 00:00:00)
32 6五歩(64) (00:00 / 00:00:00)
33 同 歩(66) (00:00 / 00:00:00)
34 7六歩(75) (00:00 / 00:00:00)
35 同 歩(77) (00:00 / 00:00:00)
36 8八角成(22) (00:00 / 00:00:00)
37 同 玉(79) (00:00 / 00:00:00)
38 4四角打 (00:00 / 00:00:00)
39 5五角打 (00:00 / 00:00:00)
40 2六角(44) (00:00 / 00:00:00)
41 7五歩(76) (00:00 / 00:00:00)
42 同 飛(74) (00:00 / 00:00:00)
43 6六銀(57) (00:00 / 00:00:00)
44 7八飛成(75) (00:00 / 00:00:00)
45 同 金(69) (00:00 / 00:00:00)
46 2八飛打 (00:00 / 00:00:00)

変化:35手
35 6六銀(57) (00:00 / 00:00:00)
36 7七歩成(76) (00:00 / 00:00:00)
37 同 銀(78) (00:00 / 00:00:00)
38 5四銀(63) (00:00 / 00:00:00)

<関連記事>

羽生流袖飛車研究①

羽生流袖飛車研究②

羽生流袖飛車研究②~▲浮き飛車・対策編~

ということで、昨日の続きの羽生流袖飛車研究いきます。

今回は①の図③の分岐を紹介してから、対策を講じたいと思います。とりあえず、図③の再録です。

図③分岐

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 4-1024x695.jpg です

昨日の将棋は、 △7六歩に対して▲同 歩としたことで、一気に後手優勢となりました。では、 ▲同銀とした場合どうなるかです。

(図③から)▲4六歩△6五歩▲同 歩△7六歩▲同 銀△6五桂▲同 銀△同 銀

結果図B

このようになりました。桂馬と銀の交換が発生して、後手が有利な状況ですね。これでは先手がおもしろくありません。よって、なにか対策が必要です。

浮き飛車対策

それでは基本図から分岐します。

基本図

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 1-1024x703.jpg です

(基本図から)▲4八銀△7四歩▲2四歩△同 歩▲同 飛△2三歩▲2六飛△7五歩▲7八銀

袖飛車の先を銀で受けるのが、自分のおススメ。

図④

(図④から)△3四歩▲5六歩△6二銀▲5七銀△6四歩 ▲6六歩△6三銀▲6八玉△7四飛▲5八金右△7三桂▲6七金

図⑤

浮き飛車に対しては、このように左美濃で受け止めるのが安定します。次は相手の攻撃を受け止める一例です。

(図⑤から)△6五歩▲同 歩△同 桂▲6六銀△同 角▲同 金△5七銀▲6七玉△6六銀成▲同 玉

結果図C

このように受け止めることができました。

陣形こそ崩れていますが、後手の駒損も大きく先手有利かなと見ています。

まとめ

後手は居玉なので、カウンターをもらいやすく不安定です。先手玉も、安定していないので、お互いに激しい変化となる終盤勝負になるはずです。

結果図Cは、袖飛車側が、最善手を尽くした場合の状況なので、なかなかここまでは来ないと思いますが、他の変化は左美濃の堅陣が生きて、先手有利~優勢になるパターンが多いので、後手は不満だと思います。

よって、羽生流袖飛車の浮き飛車に関しては、この左美濃が安定します。

ただ、これは浮き飛車になった場合で、参考図のように袖飛車が元の位置に戻って、棒銀などの攻撃に出てきたときの変化が、現在、考察中です。

参考図


今のところこちらの変化は互角の状況の変化しか探せていないので、今後の研究課題になっています。袖飛車側の守備力が薄いのがネックで、勝ちにくい将棋だとは思われますが、優秀な戦法です。明確な対策がなかなか見つかりません。さすがは、羽生流です。

もう少ししたら自分が作成したKIFデータも投稿するので、みなさんも研究してみてください笑

求む、対策!

追記 ▲2五飛車の浮き飛車について

9手目にこの浮き飛車にされた場合はどうなるのかという質問をいただいたので、解答します。

最近の相掛かりで増えている飛車の位置ですね。△3三桂馬でけん制する方法もありますが、そちらだと陣形のバランスが悪くなるので普通の駒組を進めるほうが得だと思っています。

初手から1例を挙げると

▲2六歩 △3二金 ▲2五歩 △7二飛 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲2五飛 △7四歩 ▲7六歩 △3四歩
▲7八金 △6二銀 ▲2二角成 △同 銀 ▲3八銀 △6四歩
▲6八銀 △6三銀 ▲6六歩 △4二玉 ▲6七銀 △5四銀
▲5八金 △3三銀 ▲6九玉 △6二飛

袖飛車→右四間飛車

先手は矢倉と雁木どちらもあると思いますが、雁木のほうが無難だと思ってます。

基本的に羽生式袖飛車は、受けに回りやすい相掛かり後手を回避するための戦法なので、攻め続けないとメリット少ないです。なので、右四間飛車に構えて一気に攻め潰しを狙うように組み替えるのがおススメです。

守りに入るとわざわざこの戦法を選択したうま味がなくなりますからね。

棋譜はこちら

羽生流袖飛車研究①

ということで、今回は中飛車研究を箸休めして、羽生流袖飛車研究の研究をおこなっていきたいと考えています。

本来は中飛車vs嬉野流の相振り飛車でしたが、変化が膨大でまだまとめが間に合っていないので(笑)

そもそも「羽生流袖飛車」ってなんだというひとも多いと思うので、まずは概要を。

概要

羽生流袖飛車とは、羽生善治が2018年の棋聖戦で用いた作戦です。相がかりのようなオープニングから袖飛車に変える将棋で、火力が抜群です。特に仕掛けの段階で罠が多く貼られているので、今回はそちらの展開を紹介できればと考えております。

(2019.8.25加筆)

基本的な流れは簡単です。

①自分が後手

②相手が飛車先の歩を伸ばす

③袖飛車にする【羽生式袖飛車完成】

④基本的に袖飛車から浮き飛車へ変化する。

⑤桂馬を跳ねて、石田流のような駒組へ。

⑥下記の手順で、両取りを狙う。

基本図まで

▲2六歩△3二金▲2五歩△7二飛

基本図

相手が飛車先の歩をついた相がかり調の将棋に対して、金で先に受けて、袖飛車へ。これで前例のほとんどない力戦に相手を誘導できました。

図①

(基本図から)▲4八銀△7四歩▲2四歩△同 歩▲同 飛△2三歩▲2六飛△7五歩▲7八金

図①



先手はとりあえず、飛車先の歩を交換します。しかし、普通の相がかりとは違って角道を開くことができません。なので、かなり駒組を制限させられた形になりました。

図②

(図①から)△3四歩▲6八銀△7四飛▲5六歩△7三桂

図②

後手は飛車を浮き飛車にして、攻撃準備。先手は、雁木のような形にして対抗していこうとしています。

図③

(図②から)▲5七銀右△6二銀▲6六歩△6四歩▲6七銀△4二銀▲3六歩△6三銀▲4八金△4一玉▲3七桂△5四銀

図③

これで攻撃の準備が整いました。ここからは一気に攻めます。

結果図A

▲4六歩△6五歩▲同 歩△7六歩▲同 歩△8八角成▲同 金△4四角

△7六歩の後の▲同 歩 が悪手でした。

角を交換されて、飛車金取りとなり後手勝勢です。自然な手がおそろしい罠でした。

結果図A

これが、羽生流袖飛車の理想的な攻め方となっています。火力抜群ですね。

次回は、この理想形への対抗手段を考えていきたいと思います。

コラム 羽生式袖飛車と駒落ち定跡

さて、ここからはちょっとコラムです。

じつはこの戦い方には、参考にした元ネタがあります。

それは、二枚落ち定跡の「二歩突っ切り」定跡です。

3筋の位をとって、浮き飛車に構える流れはまんま駒落ち定跡ですw

こんな感じで、駒落ち定跡の平手応用法は結構有力だと思うので、今後も研究していきたいと思っています。

<関連記事>

棋譜はこちら