【NHK杯観戦記】中原誠棋聖 対 羽生善治五段~ひねり飛車の完勝劇~

注意書き

将棋連盟の将棋連盟ライブ中継アプリ等(https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/ )を使って観戦を楽しんでいる方向けの将棋観戦記です。

ただし、将棋連盟から「棋譜利用に関するお願い」(https://www.shogi.or.jp/news/2019/09/post_1824.html )という通達も出ているのでこれを遵守して、観戦記を書いていこうと思います。

・棋譜と図面を使用しない

・読者の方が上記のアプリを使用して棋譜並べをする参考になるように、序盤の構想のどこがおもしろいのかや、終盤の注目ポイントを簡潔に述べる

・あくまで、 将棋連盟ライブ中継アプリ等 のバックナンバーで参考になる対局紹介というレベルで抑える。

今回の対局の基本情報

棋戦名:第38回 NHK杯将棋トーナメント 決勝戦

対局者:中原誠棋聖 対 羽生善治五段

日付:1989/3/19

観戦記

さあ、NHK杯のアーカイブ放送もついに決勝戦です。

中原誠先生vs羽生善治五段の激突。

五冠じゃなくて、五段ですからねw

凄い貴重な映像です。

今回は羽生先生が先手でひねり飛車の対局になりました。

中原先生の得意戦法ですね。

いまは、ひねり飛車はかなり数が減っていますが、平成前後は、将棋の必勝戦法のような扱いをされていたことで有名です。

縦歩取りから、向かい飛車に振りなおすこの戦法はひねり飛車の中の戦法でも「丸田流」と分類される戦法ですね。

丸田祐三先生が得意とした形です。

実は、このブログでも1度取り上げたことがあります↓

※作者注釈・こちらの記事は、将棋連盟の通達が出る前に書かれたものなので、現在の観戦記とは違い局面図や棋譜を使用しています。「法の不遡及」制の大原則があるので、通達前の記事に関しては一切の配慮をしておりません。ご了承いただければ幸いです。よろしくお願いしますm(__)m

この戦法の基本概念は、豪快に捌くこと二歩を持っている状態で駒組ができるため攻め潰せること。

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感想(0件)

ここらへん重要で、羽生の頭脳でも相掛かりの中で、最も多く取り上げられいる戦法です。

40~60手台の羽生先生の攻め方に注目です。

これは石田流でも応用できる手筋で、歩の使い方がすさまじくうまいです。

どこをつけば敵陣を崩せるのか、桂馬との連携はどうなのか。しっかり並べることをお勧めします。

大駒を切る前に、もうすでに優勢を確保している状態。

ここまで敵陣を完璧に崩していると、美濃囲いの優秀性と合わせて、大駒を切って金銀でぺちぺち寄せても間に合う速度計算になりますね。

羽生先生の完勝譜です。

超攻め将棋の中原先生がなにもできなかったような印象を受けました。

今回は、大山先生の解説も含めて、すさまじい名局ですね。

おもしろかった。