【将棋】藤井猛『角交換四間飛車を指しこなす本』(浅川書房)

KKS

浅川書房『角交換四間飛車を指しこなす本』(藤井猛)

今回は、最近私が解いていた将棋の本『角交換四間飛車を指しこなす本』のレビューになります。

この本の内容は以前レビューしたこちらの本とも密接に関係しているのでよかったらご覧ください。

ということで、今回は角交換四間飛車の専門書です。
次の一手形式で勉強できる定跡書ですね。

この指しこなす本は、やっぱり藤井猛九段の独壇場といってもいいくら名著を量産しています。安心安全の藤井クオリティはやっぱり今回も健在でした。

角交換四間飛車に対して、居飛車側のメジャーな対策は矢倉か銀冠。
矢倉:銀冠=7:3くらいで見ることが多いかなと思いますが、今回は矢倉に特化して基本的な手筋を紹介していく形です。

矢倉に対して、逆棒銀にするときとしてはいけない時はどういうときか。
逆棒銀からどのような手筋を使って相手の飛車先を突き破るか。
逆棒銀にできない場合は、左の銀をどう扱うべきか。
美濃囲いの端歩を受けるときか受けない時の違いはどこにあるのか。

こんな角交換四間飛車の基本となる大局観を分かりやすい言葉で説明してくれます。

章分けはこんな感じ
①基本的な駒組

②逆棒銀の基本的な手筋

③逆棒銀を封じられた時の対策&居飛車側が腰掛銀を採用してきたときの対策

基本的にこの手があると逆棒銀は無理筋となります。

実力が上がれば上がるほどほど、基本的に逆棒銀は決まらないものと考えたほうがいいと思います。

なので、①②が基本知識。③が応用的な位置づけとなり。基本的な定跡となっていますね。

唯一の残念な点は、居飛車側が銀冠を採用してきたときの説明がなかったこと。

基本的な考えは対矢倉と同じなんですが、最近の研究では角交換四間飛車に対して居飛車が銀冠に組む対策に有力な手順が見つかっています。

なので、これを何周もした後に、『将棋世界』の特集講座などでそちらの定跡を確認していくことをおすすめします。

とはいっても、基本的な手筋や定跡の網羅性は非常に頼りになる本です。
銀冠対策は応用編になるイメージなので、こちらの本でしっかりと基礎固めしてから次のステップに入るといいと思います。

こちらをマスターできれば、角交換四間飛車で有段者以上の実力を身に着けれらると断言します。

もしこちらが少し難しいならば、上で紹介した『角交換振り飛車(基礎編)』もおすすめです。

【将棋】振り飛車党総裁史⑤~新時代~【ネタ記事です】<最終回>

前回までの記事

新しい才能

新しい才能。

現代振り飛車が開発されたことにより、若者の振り飛車党も増加した。

そして、その中から若き天才たちが生まれていった。

戸部・菅井(現代振り飛車派)、広瀬(穴熊派)である。
盤石に見えた振り飛車党だったが、ひとつの誤算があった。
それは、藤井総裁の辞任だった。

藤井の辞任

藤井システムが対策されすぎたことにより、党勢が膠着状態になった責任を取り、藤井総裁は辞任を表明。
藤井は「これからは多角経営」という発言を残し矢倉を連採し、振り飛車党を一時脱退寸前の状況にまでなってしまう。

居飛車党への鞍替えこそ回避されたものの、藤井は最高顧問に退くこととなる。

彼は、最高顧問になったことで、将棋の新戦法「角交換四間飛車」の研究に没頭し、振り飛車の新しい鉱脈を見つけることになるがそれは別のお話。

これによって、振り飛車党は変革を迫られた。

久保総裁の誕生

執行部はカリスマの辞任の後、後継総裁として「久保」幹事長を総裁に選出する。

ここから久保はさらに飛躍し、居飛車党を倒しまくりついに2010年にタイトル二冠を達成した。振り飛車党の二冠王は、大山名誉総裁以来の快挙だった、
名実ともに、振り飛車党総裁の地位を不動のものにした彼は、党執行部の世代交代にも成功するのだった。

藤井・鈴木は振り飛車党最高顧問として総裁を支える一方、若手のエース菅井を幹事長に抜擢、戸部広報部長ともに振り飛車界を盛り上げる作戦に出る。
もうひとりの若手のエース広瀬(穴熊派)はタイトル獲得しさらに党勢を盛り上げたが、失陥後居飛車党に鞍替えしてしまったという問題はあったものの、久保・菅井のダブルエース体制でタイトル戦線を振り飛車党は戦っている。

久保は2016・2017年に王将を、菅井は2017年に王位のタイトルを獲得している。

また、藤井最高顧問は総裁辞任後、角交換四間飛車の定跡を完成させ、さらに振り飛車党を盛り上げ、杉本副幹事長は将来の名人候補である「藤井聡太」を見事にプロまで育て、鈴木最高顧問は永瀬二冠をタイトルホルダーまで鍛え上げるなど育成面での活躍も目立っている。

現状(2019年10月現在)では、タイトル失陥で振り飛車党のタイトルホルダーは0だが、元所属の広瀬竜王、永瀬二冠などがタイトル戦線でし烈な争いを繰り広げている。

振り飛車党の育成力を示す一例であろう。

今後、振り飛車党に大きな変化が発生した時に加筆するとして、今回はここまでとしたい(完)

【将棋】振り飛車党総裁史④~振り飛車御三家の革命~【ネタ記事です】

tentei

前回までのあらすじ

居飛車穴熊の猛威と、総裁大山の死により激震が走った振り飛車党。

しかし、天は彼らを見捨てなかった。

若き革命家たちの登場


精神的な支柱であった大山総裁の死。これによって振り飛車党に激震が走る。
その中にあって振り飛車党の中心となったのは若手の新しい力だった。
世紀末四間飛車を掲げて、NHK杯を制した櫛田。
相振り革命の提唱者杉本。

振り飛車党の窮地を救うために、スーパー四間飛車を武器にA級で戦った小林。

彼らが作った流れは、さらに若き才能たちに受け継がれる。そして、怪物たちが登場したのだ。

振り飛車御三家の登場である。

その日、ひとりの革命家は地上に降り立った。天敵居飛車穴熊を撲滅するために。

藤井猛である。

彼は居飛車穴熊に組ませずに攻め勝つ方法「藤井システム」を発明し、棋界に覇を唱えたのだった。

暴力的な固さを誇る穴熊も完成しなければ脆弱だというコロンブスの卵的な視点は当時の将棋好きを魅了した。


彼はそのまま、最高位戦である竜王戦で、居飛車党のエース谷川を撃破し、竜王戴冠。
振り飛車党が再び棋界の頂点に達した瞬間だった。
そして、歴代最強ともいわれる居飛車党総裁(オールラウンダー派)の羽生善治を凌駕する指しまわしを見せて、竜王戦3連覇を達成。
大山死後、空席状況だった総裁の座を完全に射止めたのだった。

藤井総裁の元には、新たな実力者たちが集結していく。

鈴木システム・新石田流を完成させた剛腕「鈴木」副総裁。

華麗なるさばきで、全盛期の大野名誉総裁をほうふつとさせる久保幹事長。

久保の石田流

藤井総裁を加えた3名は「振り飛車御三家」としてトロイカ体制を構築し、振り飛車の復興に力を注いだ。前述の相振り飛車の革命家杉本副幹事長・ゴキゲン中飛車の完成者近藤副幹事長といった実力者たちが集結しトロイカ体制を盛り上げると、振り飛車の勢いは最高潮に達した。

さらに技術革新は進んでいった。藤井システムと同時期に振り飛車は新たな武器を見つけていったのだった。穴熊は角交換に弱い。ならば振り飛車側から角交換をしてしまえばいい。

ゴキゲン中飛車

新石田流

新たな可能性は

藤井総裁(四間飛車派)
鈴木副総裁(四間飛車派→現代振り飛車派)
久保幹事長(四間飛車派→現代振り飛車派)
中田政調会長(三間飛車派)
小倉総務会長(三間飛車派)
杉本副幹事長(中立派)
近藤副幹事長(中飛車派)

彼によって、振り飛車党はさらに若き才能たちを発掘していく。

こうして、振り飛車の新時代ははじまった。

【将棋】振り飛車党総裁史③~大山総裁時代と穴熊~【ネタ記事です】

前回までに、大野源一による振り飛車党創設から大山・升田戦争をお送りした。

今回は大山長期政権時代の概説をおこないたい。

大山長期政権時代

ライバルの升田を倒したことで、大山は振り飛車党内に長期政権を築き上げた。
ここに振り飛車党黄金時代が始まるのであった。

大山総裁は、升田との戦争と同時並行して、居飛車党との政争にも勝利して、総理(名人)総裁の地位を確立。二上・加藤・丸田など居飛車党の挑戦をことごとく退けて、長期政権を樹立していた。振り飛車党は、安定与党としての地位まで確保していたのである。

彼と升田の活躍によって振り飛車党はどんどん増え続ける。時代こそ前後するとはいえ、下記のようなオールスターメンバーが振り飛車党には集まっていた。
大野名誉総裁(振り飛車党三間飛車派、通称”大野派”)
升田副総裁(振り飛車党新手派、通称”升田派”)
松田ツノ銀大臣(振り飛車党中飛車派、通称”松田派”)
大内幹事長(振り飛車党穴熊派。通称”大内派”)
森安青年局長(振り飛車党四間飛車派。通称”大山派”若手のホープ)
谷川政務官(後に、振り飛車党を脱退。居飛車党(オールラウンダー派)へ入党。後の居飛車党総裁)

しかし、順調に見えた振り飛車党に再び受難の時代が訪れる。
棋界の太陽「中原」による政権交代と居飛車穴熊の発明である。

大山・升田戦争終結後、ついに新時代の旗手は振り飛車党に牙を向いた。

若き天才中原【居飛車党新総裁オールラウンダー派】は、10年以上誰もなし得ていなかった大山の振り飛車攻略に成功する。

さらに、居飛車党は中原の他に、米長・加藤を加えた三頭体制が確立。

安定与党の地位を振り飛車党から奪い去った。

しかし、大山も充実した力を見せており、以前、二大政党制は維持されるかと思われていた。

だが、居飛車党はそれを許さなかったのである。

居飛車穴熊が発明されたのだ。

居飛車穴熊の誕生

後手が居飛車穴熊

居飛車穴熊。

それは禁断の果実だった。

振り飛車の最大の売りは、美濃囲いの守備力だった。攻撃力で上回る居飛車で、駒の捌きと守備力で上回っていた振り飛車のお株を奪う最強の守備力。

金2枚、銀・角・香・桂1枚ずつで守る最強の要塞は振り飛車党を壊滅的な被害に追い込む。

振り飛車の守備力を上回る暴力的な固さに振り飛車の勝率は激減。次々と議席を失った。

その間に、大野名誉総裁・升田副総裁・松田大臣の引退と死去と主要メンバーにも激震がはしる。

表舞台には、大山と森安【のちに副総裁へ昇進】のふたりで奮闘している状況だった。
大山総裁・森安副総裁両頭体制によってなんとか党勢を維持していた振り飛車党にさらに悲劇が訪れる。
大山総裁の後継者と目されていた森安副総裁の夭折である。

だるま流とも称される受けの力で居飛車穴熊に対抗し、中原からタイトルを奪取し、A級にも在籍した振り飛車党の次世代のエース。

大山の正統なる後継者と期待されていた森安の夭折。

これによって振り飛車党はさらに勢いを失うことになる。

なんとか、居飛車党の小林九段が振り飛車党に鞍替えするなどして、なんとか棋界に影響力を誇示している状況だったが……

さらなる悲劇が待ち受ける。

巨星堕つ
大山の死であった。

癌との闘病を続けつつも、生涯現役、A級の地位を確保し続けた振り飛車党総裁であり精神的な支柱の死去は、振り飛車党を変革の刻を迎えさせることになる。

次回「若き革命家たちの登場」へと続く


【将棋】振り飛車党総裁史②~黎明期から大山・升田戦争~【ネタ記事です】

それでは、いよいよ本格的な歴史概説に入る。

黎明期

黎明期(初代総裁大野源一九段の登場)

故・大野源一名誉総裁

近年に入るまで振り飛車は受難の時代だった。
明治~昭和初期のプロの主流戦法は、相がかりを中心とした居飛車であり、振り飛車は邪道とも思われていた。
かろうじて、香落ちの将棋の時に用いられるくらい。
当時の第一人者である坂田三吉が「坂田流向かい飛車」を考案したことが大きなニュースだった。

しかし、ついに救世主が誕生したのである。
それが初代振り飛車党総裁”大野源一”の登場である。

彼は、戦後の振り飛車界をひとりで引っ張った。
得意の三間飛車の華麗な捌きを持ち味に、勝利を量産したのである。
振り飛車名人・振り飛車の神様ともいえる彼の功績が後世に伝わっていないことは嘆かわしい。
彼は、A級順位戦という最高峰のリーグで振り飛車で勝ちまくった。そして、偉大な二人を振り飛車党に勧誘することに成功するのである。彼の勧誘によって、弟弟子である「大山康晴」「升田幸三」両大名人が、振り飛車党に入党したのだ。

「忙しくて戦型の研究ができない」という大山の悩みに
「それなら、序盤は飛車を振って、美濃囲いを作ればいい振り飛車にすればいいじゃない」
こんな会話があったとかなかったとか。

大山は矢倉を振り飛車を使い分ける戦略を取っていたが徐々に振り飛車一本に特化していくことになる。

升田・大山、当時、全盛期の実力を有している。

両雄並び立たず。

こうして、大山・升田の大野総裁後継レースがはじまるのだった。

彼らは何度も棋界最高クラスでぶつかり合った。

大山が徐々に覇権を確立していったあと、ついに決着をつける一戦が勃発するのであった。

大山・升田戦争

後継レースは激化の一途をたどり、遂に両者は、1971年の名人戦7番勝負で激突する。
そして、ここで升田は衝撃の新構想「升田式石田流」を発表し、大山を追い詰めた。
まさに振り飛車党の天下分け目の合戦。

両者は雌雄を決するために最善を尽くし、最後に立っていたのは強靭な受けで秘密兵器の升田式石田流を破った大山であった。
フルセットの激戦による名人位防衛は、大山の名声をさらに高めた。

ここに大山の覇権が確立され、第二代振り飛車党総裁に任命されたのであった。

この間、三間飛車・中飛車・四間飛車のノーマル振り飛車定跡も急速に発展し、固い守備力を活かした振り飛車は全盛期を迎えることになる。

【将棋】振り飛車党総裁史①【ネタ記事です】

振り飛車党総裁。

この称号は、アマチュアには憧れの存在だった。 居飛車とは違って、振り飛車は駒組がおぼえやすく、相手の戦型に合わせないで自分の戦いができる。 それは忙しいアマチュアにとって魅力的な果実であった。

本記事は、大野→大山→藤井→久保と歴代4名の振り飛車党総裁の業績を振り返る概説である。(※筆者の痛い妄想記事です。分かりやすく意訳した部分や、間違いも含まれている可能性があります。ご注意ください。)

本文に入る前に、現状の振り飛車党の概要を振り返ろう。

久保総裁
久保総裁

菅井幹事長
藤井最高顧問
故・大山名誉総裁

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2019年10月11日現在

振り飛車党著名幹部(敬称略)

総裁:久保【タイトル7期】

幹事長:菅井【タイトル1期】

最高顧問:藤井【タイトル3期】、鈴木【棋戦優勝2回】

名誉総裁:故・ 大野 源一九段、故・大山康晴十五世名人

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在は緩やかな派閥ではあるが、以下の派閥が存在している。

①四間飛車派(旧大山派・現藤井派)

振り飛車党総裁大山が興して、森安・櫛田・小林などが在籍していた振り飛車党の保守本流派閥。大山死後、低迷したが、後を継いだ藤井新総裁の藤井システムによってふたたび全盛期へ。藤井が最高顧問に転出したあとも角交換四間飛車などの発明もあり、現状でも大きな影響力を保持する。

②中飛車派(近藤派)
旧松田派。松田がツノ銀中飛車を得意とし、昭和期に大きな影響力を誇った。四間飛車・三間飛車とともに、ノーマル振り飛車挙国一致内閣を組閣し、振り飛車党全盛期を支えた。居飛車穴熊誕生以後、少数派へと転落。しかし、平成となりゴキゲン中飛車が発明されたことに、中飛車を指す棋士が増えたため勢いを取り戻しつつある。現代振り飛車派とも強いつながりがある。

③三間飛車派(中田派)

振り飛車の神様とも言われた大野名誉総裁の派閥が母体。スペシャリストたちが多く在籍し、職人集団のような一面が強い。 コ―ヤン流・石田流・下町流・真部流・三間飛車藤井システム・トマホークなど個性豊かな戦法を得意とする棋士の連合体。

④穴熊派

旧大内派。党内でも独立勢力のような存在で、穴熊党とも。派閥のドン大内が引退後、若手のエース広瀬が孤軍奮闘して支えていた。しかし、広瀬が居飛車党角換わり派に鞍替えし長期間代表不在。居飛車党穴熊派との合併もうわさされる。

⑤現代振り飛車派(久保派)

角交換振り飛車系を使う新興勢力だが、振り飛車党最大勢力。革新派に位置づけされる。中飛車・三間飛車・四間飛車など状況に応じて採用しオールラウンダーのような派閥と化している。久保総裁・菅井幹事長・戸部広報部長・鈴木最高顧問など執行部の多くも在籍している。

それでは、基礎知識の振り返りはここまでとして、次回以降本格的な振り飛車党総裁史をお届けする。

【棋書レビュー】『ひと目の石田流』【現代振り飛車党になるために……】

ということで、最近はまっている「石田流」の基本書をご紹介です。

それがこちらの長岡裕也『ひと目の石田流』(マイナビ)です。

この本、最高の出来ですw

定跡確認用の次の一手問題集なんですが、石田流で初段になりたいひとはこれ1冊でOK

第1章 石田流三間飛車の基本
第2章 △5三銀型持久戦
第3章 △6三銀型持久戦
第4章 △6三銀型急戦
第5章 角交換型
第6章 相振り飛車
第7章 相三間飛車
第8章 後手番での石田流

この構成になっています。

まあ、後手側が石田流を拒否してくることもあるので、三間飛車定跡も勉強が必要なんですが(;’∀’)

石田流の利点として……

①振り飛車の理想形で戦える

②振り飛車側から積極的に戦うことができる

③さばきの手筋に困らなくなる

④美濃囲いとの相性が最高

⑤玉頭銀にして攻撃も可能

基本的にこの↓の形からはじまる基本定跡がこの本でカバーできます。

早石田ですね。ここから居飛車側が角交換してくる超急戦的な手順・基本的な対急戦の手順・居飛車側の持久戦・相振り飛車・後手石田流がすべてこの本でカバーできる網羅性が本当に凄いw

対抗形・相振り飛車・後手石田流これだけカバーできる高い網羅性。基本的な石田流の手筋。これ一冊でOK

石田流の基礎本いう立ち位置です。

惜しむらくは、出版年の関係で、△1四歩戦法の説明がないことくらいですが。

まあ、 △1四歩戦法は、後手が居飛車・相振り飛車どちらも指せるオールラウンダーくらいしか使いこなせない高度な戦い方なので、初段レベルの知識の対象範囲外とも言えます。なので、有段者になってから別の本で学んでもいいのかな?と私は思いますね。

もうひとつのデメリットは、居飛車の左美濃対策も乏しいこと。これも出版年の影響のはず。だから、左美濃対策の宮本新手とかも残念ながら取り扱われていません。

だいたい、棒金・二枚銀→居飛車穴熊→左美濃→ △1四歩戦法 といった感じで後手の対策が進化していったので、後ろふたつが抜けているのがちょっと残念。

ただ、基本手筋・相振り定跡をこれ1冊でカバーできるのは本当に凄い。

この本を完璧にして、後年に発売された『石田流を指しこなす本』三点セットを完璧にするのが、最強の石田流使い誕生の第一歩だと思います。

石田流に興味がある人は、絶対に解いた方がいいです。

次の難しい定跡に向かうための基礎知識が、確実に手に入ります。

この本を読んで先手の振り飛車のエース戦法を手に入れましょう。

中飛車・石田流ができるようになると本格派現代振り飛車党になれますw

三間飛車vs居飛車穴熊研究~ソフトが評価する対居飛車穴熊各種戦法比較~

ということで今回は将棋ソフトを使って、三間飛車vs居飛車穴熊の各種戦法について、将棋ソフト「技巧2」がどう評価しているのか比較していきます。

人工知能・AIのイラスト

ノミネートされた戦法は以下の4つ。

・真部流

・コ―ヤン流

・下町流

・石田流

この4つですね。

正直、対抗形の三間飛車を採用する時は、7割がたvs居飛車穴熊になると思います。

なので、手厚く対居飛車穴熊対策をしておかないといけない。

そのためにプロが考えたこの5つの戦法に焦点を当てて、考えていく。

今回は、美濃を作らずに戦う「三間飛車藤井システム」「トマホーク」は除外しました。指しこなすのが難しいイメージだったので(笑)

三間飛車は、職人芸のようなものがあるので、これらを指して並べて職人芸をご堪能ください。

真部流

こちらが真部流の基本図。

変則的な高美濃囲い【▲4六銀型】を作り、中央を制圧していく。

プリンスと呼ばれた真部一男九段が好んだ三間飛車の形です。

厚みがあるので、私も結構好きです。

一番の問題は、居飛車が4枚穴熊に組まれてしまうこと。

中央の位を重要視していた昭和の将棋観が強く出ているように思います。

さあ、技巧2の評価値は……

互角【-13】

かなりの高評価です。

将棋ソフトの特性上、振り飛車にすると評価値がマイナスになるので、そのマイナス分をかなり挽回していますね。

技巧2は、かなり銀冠など厚み好きなので、それも評価に加味されているのかもしれません。

コ―ヤン流

こちらもコンセプトは真部流と似ていますが、最大のポイントは端攻め特化。

桂馬が2五の地点に跳ねて、一気に端をくいつぶす。

真部流とは異なり、4枚穴熊に組ませないのもポイント。

三間飛車の達人「中田功」八段考案。

バランス感覚が必要な作戦です。

さあ、技巧2さん、評価をお願いします。

【-382】やや不利

結構厳しい評価値になってしまいました。

たぶん、バランス感覚の難しさ、駒損覚悟の端攻めが辛口の原因でしょうか?

端攻めが決まった時の爽快感がたまらない楽しい戦法なんですが……

下町流

こちらは三間飛車から玉頭銀を発動させて、穴熊に組ませる前に攻撃をしようとする大胆な作戦です。

途中、中飛車に変化して一気に攻撃を仕掛ける定跡となり、火力抜群です。

考案者の小倉久史七段が下町に住んでいるから名付けられた戦法です。

さあ、結果は

【+102】互角

ついに三間飛車側がプラスになりました。

おそらく陣形の厚み、攻撃の主導権を握れる攻め好きなソフトの棋風と一致するのでしょう。

実際、私も勝ちやすい定跡だと使って思いました。

石田流

最後は石田流への組み替えです。

言わずと知れた振り飛車の理想形。

ただ、この展開だと結構受けに回る時間が多くなります。

さあ、ソフトはどう評価するでしょうか?

【-172】やや不利

やっぱり、受けまくりの展開になりやすいのでソフトはそこをあんまり評価してくれないようですね。

受け将棋の人におススメの戦い方です

まとめ

ということで、ソフト的には下町三間飛車が最有力だという結果になりました。

正直に言うと、ソフトの棋風・読みの深さ・PCスペックにかなり影響されるものなので話半分で読んでもらえたらと思います。

やはり主導権を握りやすい戦い方が評価が高いですね。

おもしろい結果になったと思います。

【将棋】オリジナル?戦法!必殺相振り飛車鬼殺し

はじめに

またまた奇襲戦法です。

今回は相振り飛車の局面での「鬼殺し」です。

実はこれはたぶんオリジナル戦法だと思うんですが、確証がないのでとりあえず、「?」をつけていますw

事前情報なしで正確に受けるのは難しいので、有段者でもはめて手順に陥れることができます(笑)

こちらが基本図です。

相三間飛車の局面で、鬼殺し炸裂です。

気にせずに、後手が金無双や美濃囲いに組むと、地雷原に突入します(笑)

※画像はイメージです

泣いた赤鬼のイラスト

基本的な狙い①

これは相手がよくやるうっかりです(笑)

美濃に組むことだけに意識が行き過ぎましたね。

先手としては確実に咎めましょう。

ただ、鬼殺し相振り飛車には美濃囲いはこの筋があるので、私としてはおすすめしません。

基本的な狙い②

こちらは後手が金無双を目指す場合。

大乱戦になります。

桂馬損から相手の陣形を崩して、空中戦にもちこみます。

実はこの局面は、ソフト的に互角なので、ここからは事前準備をしっかりしておくと勝ちやすいと思います(笑)

23手目に終盤突入です(;’∀’)

後手が金無双・美濃囲いを一目散に作ってくれるとこの奇襲は高確率で成功と言えるでしょう。

まとめ

これが相振り飛車鬼殺しの基本的な考えです。

実は私の中では対策が確立しているので、そちらはおいおい追記していこうと思います。

一応、棋譜ファイルには、対策手順を載せておくので、ご活用ください。

基本的にこの鬼殺しを見た時に後手が囲いを始めると奇襲が成立します。

攻め合いや守備力を犠牲にした囲いを後手に強いることができます。

KIF形式棋譜ファイル

手合割:平手
先手:
後手:
手数—-指手———消費時間–
1 7六歩(77) (00:00 / 00:00:00)
2 3四歩(33) (00:00 / 00:00:00)
3 7五歩(76) (00:00 / 00:00:00)
4 3五歩(34) (00:00 / 00:00:00)
5 7八飛(28) (00:00 / 00:00:00)
6 3二飛(82) (00:00 / 00:00:00)
7 7七桂(89) (00:00 / 00:00:00)
8 7二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
9 6五桂(77) (00:00 / 00:00:00)
10 6二玉(51) (00:00 / 00:00:00)
11 2二角成(88) (00:00 / 00:00:00)
12 同 銀(31) (00:00 / 00:00:00)
13 8二角打 (00:00 / 00:00:00)

変化:8手
8 7二金(61) (00:00 / 00:00:00)
9 4八玉(59) (00:00 / 00:00:00)
10 6二玉(51) (00:00 / 00:00:00)
11 3八銀(39) (00:00 / 00:00:00)
12 8二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
13 3九玉(48) (00:00 / 00:00:00)
14 5二金(41) (00:00 / 00:00:00)
15 8五桂(77) (00:00 / 00:00:00)
16 8四歩(83) (00:00 / 00:00:00)
17 7三桂成(85) (00:00 / 00:00:00)
18 同 銀(82) (00:00 / 00:00:00)
19 7四歩(75) (00:00 / 00:00:00)
20 6四銀(73) (00:00 / 00:00:00)
21 5八金(69) (00:00 / 00:00:00)
22 1四歩(13) (00:00 / 00:00:00)
23 2二角成(88) (00:00 / 00:00:00)
24 同 銀(31) (00:00 / 00:00:00)

変化:8手
8 6二玉(51) (00:00 / 00:00:00)
9 6五桂(77) (00:00 / 00:00:00)
10 8二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
11 7四歩(75) (00:00 / 00:00:00)
12 同 歩(73) (00:00 / 00:00:00)
13 同 飛(78) (00:00 / 00:00:00)
14 7三歩打 (00:00 / 00:00:00)
15 7六飛(74) (00:00 / 00:00:00)
16 6四歩(63) (00:00 / 00:00:00)
17 5三桂成(65) (00:00 / 00:00:00)
18 同 玉(62) (00:00 / 00:00:00)
19 5六飛(76) (00:00 / 00:00:00)
20 6二玉(53) (00:00 / 00:00:00)
21 2二角成(88) (00:00 / 00:00:00)
22 同 飛(32) (00:00 / 00:00:00)
23 5四角打 (00:00 / 00:00:00)

変化:10手
10 7二玉(62) (00:00 / 00:00:00)

変化:8手
8 3六歩(35) (00:00 / 00:00:00)
9 同 歩(37) (00:00 / 00:00:00)
10 同 飛(32) (00:00 / 00:00:00)
11 6五桂(77) (00:00 / 00:00:00)
12 8八角成(22) (00:00 / 00:00:00)
13 同 銀(79) (00:00 / 00:00:00)
14 6四角打 (00:00 / 00:00:00)

16 6四歩(63) (00:00 / 00:00:00)
17 5三桂成(65) (00:00 / 00:00:00)
18 同 玉(62) (00:00 / 00:00:00)
19 5六飛(76) (00:00 / 00:00:00)
20 6二玉(53) (00:00 / 00:00:00)
21 2二角成(88) (00:00 / 00:00:00)
22 同 飛(32) (00:00 / 00:00:00)
23 5四角打 (00:00 / 00:00:00)

オールラウンダー、各種振り飛車の特徴を語る

はじめに

ということで、一応、最弱オールラウンダーである私が、自分で使った感覚からそれぞれの振り飛車の特徴を語っていきたいと思います(笑)

ヘッドホンをして勉強をする人のイラスト(男性)

はたして需要はあるのか不思議ですが、とりあえず、書いていきますね。

ノーマル中飛車

【メリット】

・居飛車急戦に強い。というか、振り飛車系で最強に近い。

・バランスがいいので、捌き合いに強い。

・居飛車の抑え込み、振り飛車の捌き合いのどちらの感覚も勉強できる。

・あわよくば、袖飛車に展開して、居飛車の玉頭を粉砕できる。

【デメリット】

・穴熊や位取りなどの持久戦に弱く、居飛車穴熊がわかりやすい天敵として存在している。

・囲いが、木村美濃or片美濃になりやすく、本美濃を好む固さ重視のひとから避けられる傾向にある。

【総評】

やはり天敵の居飛車穴熊が問題。

風車や矢倉流などの対抗策もあるが、玄人向けで専門家だけがなんとか指しこなしている印象。

中飛車(角道オープン型、先手中飛車・ゴキゲン中飛車)

【メリット】

・自分から主導権を握りやすい。

・角交換をすれば居飛車の穴熊を抑制できる。

・攻守のバランスがいい。

・居飛車感覚でも指せる振り飛車。

・現代の主流戦法なので、棋書も豊富

・相振りに弱いと言われるが、最近は中央からの急戦・左穴熊・左玉・振り穴といった対策も登場し復調傾向。

【デメリット】

・左金が囲いに活かしにくいので、守備力がほかの振り飛車に比べて弱い。

・超速や一直線穴熊など、居飛車側が穴熊にする対策が登場。

・5筋位取りで相手に穴熊を許すか、手損して角交換して穴熊を許さないかの判断が難しい。

【総評】

現状、もっとも主流になっている振り飛車。

指しこなすのにはバランス感覚が必要で、囲いが薄いのがネック。

ノーマル四間飛車

【メリット】

・整備された定跡。居飛車の急戦・持久戦どちらにも対応可能。

・左銀の自由度が高く、自分の苦手な戦法によって場所を使い分けることができる。

・厚みをもった玉頭戦の破壊力も高い。

・美濃・穴熊どちらも採用できる。

・天敵穴熊には「藤井システム」という切り札もある。

・ほかの振り飛車にはある序盤から角交換が発生した場合の大乱戦がない。

【デメリット】

・中盤の定跡が難しい。

・終盤勝負になりやすく、終盤力を特に必要とする。

・藤井システムの定跡が難解で、使いこなすことが難しいので、居飛車穴熊に苦しめられがち。

・相振り飛車の時に駒組が制限されやすい。

【総評】

根強い人気を持つ。

整備された定跡が非常に優秀なので、どんな相手にも終盤勝負に持ち込みやすい。

穴熊と相振りがネック。

角交換四間飛車(角道オープン型四間飛車)

【メリット】

・居飛車穴熊をゴリゴリに制限できる。

・主導権を握りやすく、自分から積極的に動ける。

・駒組・攻め方が非常にわかりやすい。

・美濃・穴熊どちらも選べる進展性。

・ノーマル四間飛車と違い、相振りにも有望。

・居飛車側の急戦策がない。

【デメリット】

・序盤から手損が多くなるので、終盤の力勝負が振り飛車の中で最難関クラス。

・スピード感覚が必要になる戦法なので、しっかりとした基礎が必要となる。

【総評】

急戦・穴熊・相振りに強いことが最大の魅力だが……

手損が終盤になって響きやすいのが本当に難しい。

《以下、後日加筆予定。三間飛車・向かい飛車を予定中》

2019.10.6追記

三間飛車



【メリット】

・今最も熱い振り飛車。

・急戦に強い。

・振り飛車の天敵居飛車穴熊に対しても、真部流・コ―ヤン流・三間飛車藤井システム・下町流・トマホークなどなど対策が豊富。石田流(後述)への変化もある。

・相振り飛車の花形であり、対抗形・相振り飛車どちらにも柔軟に対応可能。

【デメリット】

・さばきが重要となってくるため、手筋に知識とセンスが重要。

・変化が激しいものも多く怖い手順が多い。

・基本的に居飛車は持久戦でくるので、相応の終盤力が必要になる。

【総評】

現状、もっとも進化している戦法。プロ棋戦での登場も増加中。

三間飛車藤井システムやトマホークは反動がきついので、指しこなすのが難しい印象。

石田流(三間飛車)

【メリット】

・振り飛車の理想形とも呼ばれるさばきに特化した攻撃力のある駒組

・美濃囲いと最も相性がいい振り飛車

・穴熊にも比較的戦いやすい。角交換型なら穴熊自体を制限可能

・もちろん相振り飛車にも対応可能

【デメリット】

・序盤で角交換すると、大乱戦になる変化が多く準備が大変。

・ミスると簡単に飛車が頓死する。

・基本的に先手番用の戦法。後手番に採用する時は、4→3飛車戦法・2手目△3二飛など工夫が必要。

・居飛車側である程度拒否ができてしまう。

【総評】

メリットが最大の魅力。駒組の理想形で戦うのが楽しいが、序盤から激しい変化になりやすい戦法なので、事前準備が大事な戦法。

向かい飛車

【メリット】

・攻撃力がノーマル振り飛車の中で最も高い。

・ノーマル振り飛車の中で最も穴熊に対抗しやすい

・居飛車感覚で使いやすい振り飛車(抑え込み重視)

・先手相振り飛車の元主役だったので、相振り飛車にも対応可能。

・角交換にも強い

・仕掛けの権利が振り飛車にもある

【デメリット】

・基本的に居飛車の流れを見て組む戦法のため最初から狙うことが難しい。

・普通の振り飛車感覚で指せない

【総評】

ノーマル振り飛車の中で私が最も好きな戦法。

振り飛車よりも居飛車感覚が必要になることが多い。

ダイレクト向かい飛車


【メリット】

・わかりやすい駒組と強烈な攻撃力

・角交換四間飛車よりも一手得をしているので、終盤のスピード勝負でもその分得をする。

【デメリット】

・序盤から角交換するため、 ▲6五 角と打たれると序盤から大乱戦になる。

・力戦模様への変化が多く、まとめきる腕力に自信が必要

【総評】

わかりやすい駒組と攻撃力が魅力だが、佐藤康光会長のようなすさまじい将棋の腕力が必要になる。基本的に居飛車党の裏芸的な意味合いが強い振り飛車だと思う。