将棋でひとつは奇襲戦法を極めたほうがいい理由

将棋でひとつは奇襲戦法を極めたほうがいい理由

ということで、今回は奇襲戦法について語っていきます。

奇襲戦法については、ひとつはおぼえておいた方がいいと言うのが私の自論です。


奇襲戦法をメインにしているひともいますが、サブウェポンにしているひとのほうが多いと思います。


自分はオールラウンダーなので、「嬉野流」「筋違い角」「アヒル」「原始棒銀」などなどある程度有名なマイナー戦法には自信があります(笑)

うちのブログの看板記事である羽生式袖飛車・ハチワンシステムとかもマイナー戦法ですね。結構マイナー戦法が好きなほうなので、いろいろと研究しているのですが↓

奇襲戦法のメリット

では、奇襲戦法をおぼえるメリットをいくつか挙げていきたいと思います。

・自分の土俵で戦える


 これが一番ですね。持ち時間が短いネット将棋などでは、相手に時間を使わせる=それだけ逆転や頓死が多くなり自分有利という方程式が成立します。
 また、攻めの手筋が豊富なので、攻める側になりやすくその意味でも勝ちやすいです。

・相手に使われたときにある程度対応策もわかるようになる。


 奇襲戦法の対策をおぼえたいなら、一度自分で使ってみるのがいいです。
 特に自分よりも強い人にやってみて、勝てたらラッキー。負けても対策がわかってラッキーといいことづくめ。嫌いな戦法こそ、専門家になったほうがいいです。
 自分も苦手なアヒル戦法でかなり勝ち星稼いでます。

・スランプの時に復活しやすい


 これもメリット。
 奇襲戦法の場合、勝てるかどうかはパターン化されていることが多いので、複雑な1手差勝負になりやすい王道戦法よりも、パターン化している方がスランプの時はいいと思います。スランプ時=ゆがんだ読み方になっていることが多いので、自分の読みよりも勝利パターンが確立されている戦法のほうが勝ちやすいと思います。

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将棋世界2020年8月号感想!~ついに羽生式右玉が特集に登場~

将棋世界の最新号を買ってきました!

今回は戦術特集の2つが注目だったので、発売日にすぐに買いいってしまいました(笑)

その注目の特集が「検証!指定局面対局~角頭歩~」と「一手損角換わりの▲早繰り銀vs△羽生式右玉」です。

奇襲戦法特集

最初の特集は、星野先生と宮本先生が交互に奇襲戦法の局面をもって対局していくもので、奇襲戦法の知識が欲しい方必見の特集です。

さらに、今回は別の特集で相掛かりノーガード戦法(「ギロチン戦法」)も特集されている充実した内容です。やっぱり、アマとしてはこういう奇襲戦法の特集が充実してくれると嬉しいところです。

羽生式右玉

最近羽生先生が連続採用している一手損角換わりの△7二金型の右玉ですね。

一手損角換わりの天敵である先手早繰り銀対策に注目されているので、私も注目しておりました。

王の逃げ場をいかに確保して、先手の竜の殴り込みをかわし続けるのかがポイントなんですが、やっぱり持ち時間が短い将棋だと難しそうですね。

頭の中で主要な変化だけをとりあえず並べてみましたが、慣れるまでに結構時間がかかりそうです。

付属されている羽生式右玉の棋譜もいい感じです。

vs屋敷先生戦は、広さの活かし方

vs佐々木大地先生戦は、強烈なカウンター

どちらも対照的な戦い方なのでとても勉強になりました。

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【奇襲研究】筋違い角防止の2手目△4二飛車戦法メモ書き

はじめに

今回はメモ書きになります。

まだ、体系的にまとめていないので、狙いや流れをメモ書きしております。

戦法概要

・1手目▲7六歩に対して筋違い角をさけるために、二手目で四間飛車に振る

・角交換四間飛車とノーマル四間飛車のどちらにも変化可能

・ゴキゲン中飛車の手筋を使った急戦対策

・三間飛車のように角打ちのスキが少ない。

棋譜

変化①

▲7六歩 △4二飛 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △6二玉▲6八玉

こちらは、おだやかな手順。8手目で後手は、ノーマルか角交換のどちらかを選択可能。

▲4八銀などがはいっても、OK

変化②

▲7六歩 △4二飛 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △6二玉▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8八角成 ▲同 銀 △3三角▲2八飛 △2六歩 ▲7七銀 △2二飛

先手が飛車先の歩交換をしてきた場合。

ゴキゲン中飛車の手筋を応用したもの。変化は一直線気味で後手有利。

変化③

▲7六歩 △4二飛 ▲2六歩 △3四歩 ▲2二角成 △同 銀▲4五角 △7二銀

無理やり筋違い角のパターン。先手は1歩得をできるが、後手に振り飛車を許し、角を使いにくくしてしまう。

もう少し深い研究が必要だが、そんなに得であるイメージはない。

今後の課題

先手が、相振り飛車を志向してきた場合の対処法。

角交換相振り飛車を応用して戦うのがベストか?

あとは、変化③の手将棋からの流れ。

変化③の指しまわしはどうなるか。結構選択肢があるので、選ぶのが難しい。

次のページに研究用の棋譜を置いておきます。

実際に指してみた結果とかをツイッターで教えてもらえると嬉しいです。

【自戦記】ハチワンシステム(雁木ver)を使って、ぴよ帝に勝つ方法

はじめに

ということで、久しぶりに自分の将棋をさらします。

今回は、愛用のオリジナル戦法?「ハチワンシステム」をつかって、ぴよ帝に勝利した棋譜を紹介します。

解説

▲7六歩△8四歩▲6六歩△8五歩▲7七角△6二銀▲7八銀△5四歩▲5六歩△4二玉▲6七銀(図①)

図①ハチワンシステム基本形

これが基本形です。ここからノーマル振り飛車にも雁木にも変化できます。

自分の場合は相手が居飛車なら雁木にしているので、この将棋なら雁木ですね。

相手が振り飛車なら、相振りにして縦の将棋に誘導します。

図①から△3四歩▲7八金△3二玉▲4八銀△3三角▲6九玉△2二玉▲5七銀△5三銀▲5八金△1二香▲2六歩△1一玉▲6五歩△4二銀引▲3六歩(図②)

図②ぴよ帝ご乱心の居飛車穴熊

まさかの、ぴよ帝、居飛車穴熊採用です。

6筋の位を取れるときは、とりあえず、取っておくのが我流の雁木です。角道を通して攻めがやりやすいので(笑)

相手が、△4四歩をしてこなかったので、今回は雁木の伝家の宝刀右四間飛車を封印しました。

いつもなら6筋位取り雁木で持久戦にするか3手角で、飛車を狙撃するような指し方が好きなんですが、今回は居飛車穴熊なので端を狙っていくことにしました。

図②から△3二金▲1六歩△7七角成▲同 桂△7四歩▲1五歩△5一金▲3七桂△3三銀▲2五桂(図③)

図③端攻め準備完了

ここからは躊躇なく端攻めです。逆に、止まったら負けます(笑)

ぴよが角交換してくれたのも個人的にはラッキーでした。相矢倉の雀刺しを応用している攻め方です。

図③から△2二銀引▲1三桂成△同 銀▲4六角(図➃)

図④ 好手▲4六角

端の威力を弱めようと△2二銀と引くぴよ帝。

しかし、ここで狙いの手があるので、攻め続けます。桂馬と歩を交換して、▲4六角と打ちこむ。

これで、飛車と端を狙えるので、先手十分(矢倉や相振り飛車でよくある手筋ですね)。

しかし、ぴよは自分が有利だと主張しています? ここまで端攻めの理想形が作れているんで、それはないはずなんですが(;’∀’)

図④から△7三角▲1四歩△2二銀引▲7三角成△同 桂▲4六角△6二金▲1三歩成△同 香▲同香成△同 銀▲同角成△同 桂▲1四歩(図⑤)

図⑤ 穴熊崩壊寸前

ちょっと長めですが、よくある端攻めの展開ですね。

桂馬を補充して、さらに攻めを続けます。

図⑤から△1二歩▲1三歩成△同 歩▲2五桂△2二銀▲3五歩(図⑥)

図⑥ 狙いの一手

歩がなくて攻めが続かなそうに見えますが、こちらが狙いの一手。

同歩としたら、歩の裏に香車を打ちこめます。よって、ぴよ帝は、受けに回るしかない。

図⑥から△2一桂▲3四歩△8六歩▲同 歩△5二金▲1四歩△同 歩▲1三歩△同 桂

図⑦ 桂馬の圧力を弱めるための陽動

この流れは、守備力を弱めるための陽動作戦です。

1三に桂馬が跳ねたので、作戦成功。3筋が浅くなりますので、そちらを強襲。

図⑦から▲3三銀△4二金右▲1三桂成△同 銀▲4二銀成

図➇ ボロボロになる穴熊

穴熊を上から押しつぶしていくために、左右に陽動させて揺さぶり、最後に本命の3筋にドーンします。サッカーの解説みたいですね。

飛車先に作っておいた厚みを活用して、打ち込みスペースを作っておいたところを有効活用です。

図➇から△同 金▲2五桂△2二銀▲1三香△1二香▲同香成△同 玉▲3三金△3二歩▲4二金△同 飛▲3三金△8二飛▲3八飛△2一桂▲2二金△同 玉▲3三銀△1二玉▲1三香△同 桂▲同桂成△同 玉▲2五桂△1二玉▲3二銀成△3一歩▲1三歩△1一玉▲3三歩成

図⑨ 普通なら決まりの図

これで穴熊を上から押しつぶしできました。普通なら、ほぼ勝ちなんですが、相手はぴよ帝ですからねw

ここから粘りに粘られます。

図⑨から

△3二歩▲同 と△3一歩▲同 と△2二金▲3三飛成△同 金▲同桂成△2二金▲3二金△同 金▲同成桂△3九飛▲5九金△3二飛引成▲同 と△同 飛▲3三歩

図⑩ 詰めろの連続

「△3二歩▲同 と」としましたが、▲2三とのほうが攻めが早いと思います。色々と焦りましたが、今回の一番のミスですね。

図⑩までに、3度以上詰めろをかけましたが、さすがに単純なので、全部かわされます(笑)

図⑩に△同飛としてしまうと、頭金です。

人間なら焦って決まりやすいんですけどね。さすがにソフトは騙せませんw

図⑩から

△2二飛▲3二金△4一金▲同 金△2一銀▲3一金△4二角▲3二金打△3一角▲同 金△4二銀▲2一金△同 玉▲3二銀△同 飛▲同歩成△同 玉▲3四歩

図⑪ 余して勝つ

粘られまくっているので、1手落ち着くための歩打ちです。

△4四歩で逃げ場を確保しようとしても、6一角と打ちこんで封殺です。

△2四歩でも
▲1二飛△4一玉▲2三角△5二玉▲8二飛△5三玉の手順で必至。

意外と受けにくい一手です。

図⑪から

△4五桂▲1一飛△5七桂不成▲7九玉△6九金※▲同 金△同桂成▲同 玉△5七桂▲6八玉△5九銀▲7九玉△6八銀打▲8八玉(ぴよ投了)

投了図

あとはぴよの最後のお願いを受け流すだけです。

ここが最大の難関です。

※▲同 金ではなくて、▲8八玉と逃がすと、こんな感じで死亡です(笑)

投了図以下は、ギリギリ詰まないので、

▲4一角△2二玉▲1二歩成などで、詰み筋がある自分が勝てますね。

こんな感じでジャイアントキリング達成ですw  

*#自分 悪手:1回  疑問手:3回  好手:1回  定跡:4回  最善手:64回(82%)
*#ぴよ 悪手:0回  疑問手:0回  好手:0回  定跡:4回  最善手:75回(97%)

次のページに棋譜を置いておきます。

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【将棋観戦記】佐藤和俊七段vs羽生善治九段~竜王戦1組決勝に降臨した耀龍四間飛車~

注意書き

将棋連盟の将棋連盟ライブ中継アプリ等(https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/ )を使って観戦を楽しんでいる方向けの将棋観戦記です。

ただし、将棋連盟から「棋譜利用に関するお願い」(https://www.shogi.or.jp/news/2019/09/post_1824.html )という通達も出ているのでこれを遵守して、観戦記を書いていこうと思います。

・棋譜と図面を使用しない

・読者の方が上記のアプリを使用して棋譜並べをする参考になるように、序盤の構想のどこがおもしろいのかや、終盤の注目ポイントを簡潔に述べる

・あくまで、 将棋連盟ライブ中継アプリ等 のバックナンバーで参考になる対局紹介というレベルで抑える。

今回の対局の基本情報

棋戦名:竜王戦1組決勝

対局者:佐藤和俊七段vs羽生善治九段

日付:2020.5.8

観戦記

ついに、運命の竜王戦1組決勝ですね。

羽生善治先生に対するは、振り飛車党の革命家のひとり佐藤和俊七段。

三間飛車藤井システムで大ブレイクした佐藤先生が先手で四間飛車を採用。

対して、羽生先生は居飛車穴熊ですね。

これは、いつもの対抗形に……

ならなかった(笑)

まさかの耀龍四間飛車が降臨しました(;’∀’)(;’∀’)

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耀龍四間飛車を知らない方もいるはずなので、軽く説明します。

対穴熊・金無双四間飛車。

以上です(笑)

というのは、冗談で、美濃囲いではなく、一つずらした場所に囲い(金無双)を作ります。

この戦法の利点はいくつかあって

・美濃よりも縦の将棋に強い(穴熊を上から押しつぶせる)

・美濃よりも端攻めの反動に強い(相振り飛車と同じ)

・右の桂馬を前に出しやすい

などがあります。

特に一番下の桂馬の使いやすさは、今回の棋譜にもよく出ていて、かなり早い段階で前に出ていい動きをしていますね。

ちょっと、わからないところもあって、激指先生に教えてもらったところ、中盤は佐藤先生ペースでした。

ソフト曰く、中盤の踏み込みの問題で逆転されたと判断していました。

この四間飛車の有効性と穴熊の利点が強く出ていますね。

そして、羽生先生の玉頭戦を久しぶりに観ましたが、やっぱりうまいですね。

手厚い先手の陣形を上から潰していく手法は、すさまじくうまい。

囲いの強度さによって、ほんのわずかなスキを見つけて羽生先生が逆転です。

そして、玉頭戦は一気に有利になると、逆転が難しいのでそのまま押し切ってしまいました。

強い。

羽生先生が1組優勝です!

今回の見どころ

・耀龍四間飛車

・玉頭戦をめぐる攻防

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【定跡研究】雁木vs左美濃~プロ棋戦で流行している雁木(&ハチワンシステム)対策~

はじめに

今回は、最近プロ棋戦で流行している雁木対策の左美濃について考えていきたいと思います。

実は、この対策、自分のハチワンシステムにダダ刺さりなんですよね(笑)

なので、あまり書きたくないんですが、ここは対策を考えるうえでもちょっと紹介していきます。

解説

とりあえず、今回は後手雁木です。

まずは「どうして、プロの先手で雁木は少ないのか?」から説明すると、相雁木になると先手番が手詰まりになりやすいからです。

先手の打開策が意外となく、後手が十分にできる。

最悪手詰まりになって、千日手になったら有利な先手の放棄になるので、先手番の雁木は少ないんです。

先手番の雁木対策が、後手雁木というすさまじい状況になっていますw

詳しくはこちらの本の170~177頁をご参照ください。

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雁木の魅力は

・攻撃力が高い

・広くてそこそこ固い

・駒組段階で居飛車か振り飛車かわからない

この3点が挙げられます。

しかし、左美濃の場合は、舟囲いから作れるので、ハチワンシステム対策として使いやすいです。

相手がノーマル振り飛車なら、舟囲いから各種戦法。雁木だったら、左美濃に組めばいいので、固い囲いを目指せます。

初手から

▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二銀

基本図

これで、後手はノーマル振り飛車・矢倉・右玉・雁木の可能性を残しています。

この選択肢の多さがハチワンシステムの魅力です。

図①できる限り6八の地点で王を待機させる

▲6八玉△5四歩▲5八金右△4三銀▲2五歩△3三角▲9六歩△3二金▲7八銀

ここまで来ると、ノーマル中飛車か雁木に絞られました。

駒組のコツはできる限り6八の地点で王を待機させること。7九玉型左美濃なら、振り飛車にもある程度戦えますし、銀冠穴熊という選択肢も生まれてきます。

図②相手が雁木だとわかったら、左美濃右四間飛車

相手が雁木だとわかったら左美濃右四間飛車の形に組みます。

△5二金▲7九玉△6二銀▲4六歩△8四歩▲4七銀△7四歩▲5六銀△4一玉▲3六歩△7三桂▲3七桂△8五歩▲4八飛

これで守備力と攻撃力の理想形を作ることができました。

仕掛けの手順はオーソドックスに▲4五歩です。

ここからは1局の将棋ですね。

先手が主導権を握って、後手が受けまくる展開です。

最後に初手からの棋譜をもう一度書いて終わります。

▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二銀▲6八玉△5四歩
▲5八金右△4三銀▲2五歩△3三角▲9六歩△3二金▲7八銀△5二金
▲7九玉△6二銀▲4六歩△8四歩▲4七銀△7四歩▲5六銀△4一玉▲3六歩
△7三桂▲3七桂△8五歩▲4八飛△5三銀▲4五歩△同 歩▲同 桂
△8八角成▲同 玉△2二角▲7七角△4四銀右

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オリジナル戦法考察 「先手番ハチワンシステム改」

ということで、今日は将棋の考察記事です。

今回は 柴田ヨサクル先生 のマンガ『ハチワンダイバー』で開発された「ハチワンシステム」の考察記事です。少し自分の方でその戦法を魔改造したので、オリジナル戦法化しておりますw

前回紹介したハチワンシステムの魔改造版「ハチワン=Dシステム」は後手番限定で、覚えなくてはいけない戦法も多かったのが難点でした。

「ハチワン=Dシステム」は後手番専用で

vs矢倉→振り飛車or雁木

vs舟囲い→雁木

vs振り飛車→糸谷流右玉

を考えておりました。

しかし、今回のハチワンシステムは、雁木と相振り飛車だけに絞り、さらに先手番でも使えるようにアレンジしましたw縦の将棋が大好きな人向けです。

基本図まではわずか3手です。

基本図まで

▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩

ちなみに、後手8四歩でも、▲6六歩ですw

わずか、三手で基本図のできあがり。

簡単でしょ?

vs居飛車編

基本図から △8四歩 ▲6八銀 △8五歩▲7七角 △6二銀 ▲6七銀 △5四歩 ▲5六歩

この流れはほぼ確定ですね。

相手にノーマル中飛車だと錯覚させて、舟囲いに組ませる心理戦です。

ここから雁木に変化します。

舟囲いからだと、左美濃か矢倉にしか変化できないので、雁木からの積極策を後手にぶつけることができます。主導権を握りやすく、一気に攻め潰す流れです。

△4二玉▲7八金 △3二玉 ▲4八銀 △5二金右 ▲5七銀 △7四歩▲6九玉 △4二銀 ▲3六歩 △3一角 ▲2六歩 △3三銀▲5八金

先手は、もう攻撃に移せるが、後手はまだ準備中。

vs振り飛車

△3二飛 ▲6八銀 △3五歩▲6七銀 △6二玉 ▲7七角 △7二銀 ▲8八飛

ここからは普通の相振り飛車ですね。

▲6六歩を決めているので、向かい飛車がベストかなと。

早めに角道を止めてしまうと、振り飛車側に主導権を握られてしまうので、なら攻め合いになりやすい相振り飛車をチョイスしました。

これでふたつの戦法だけおぼえれば、将棋ができる状況です。

さらに、雁木と相振り飛車なので、最低限囲って攻め合いになります。

主導権を握れる&まあまあ固いので、縦からの攻めが得意な人向けの総合戦法になっています。

今後は、雁木と相振り飛車の特集を増やそうかな(笑)

最後におススメ本二冊を紹介して終わります。

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雁木・右玉伝説 棋界に伝わる二つの秘法 (マイナビ将棋文庫) [ 週刊将棋編集部 ]

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実は、この本は雁木党にとっては、聖典で、再版される前は定価の5倍近くで取引されていましたw。今でも、ノーマル雁木を指したい人の第一候補です。

相振り飛車を指しこなす本 1 最強将棋21 / 藤井猛 【全集・双書】

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こちらは安心安全の藤井クオリティ。相振り向かい飛車をマスターしたい人は必携です。

【NHK杯将棋観戦記】大山康晴十五世名人 対 羽生善治五段~歴代最強クラスのふたりによる玉頭戦の攻防!?~

注意書き

将棋連盟の将棋連盟ライブ中継アプリ等(https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/ )を使って観戦を楽しんでいる方向けの将棋観戦記です。

ただし、将棋連盟から「棋譜利用に関するお願い」(https://www.shogi.or.jp/news/2019/09/post_1824.html )という通達も出ているのでこれを遵守して、観戦記を書いていこうと思います。

・棋譜と図面を使用しない

・読者の方が上記のアプリを使用して棋譜並べをする参考になるように、序盤の構想のどこがおもしろいのかや、終盤の注目ポイントを簡潔に述べる

・あくまで、 将棋連盟ライブ中継アプリ等 のバックナンバーで参考になる対局紹介というレベルで抑える。

今回の対局の基本情報

棋戦名:第38回NHK杯将棋トーナメント

対局者:大山康晴十五世名人 対 羽生善治五段

日付:1988・12・18

観戦記

こちらはアベマさんで、無料公開されているNHK杯のアーカイブ放送を見ながら書いた観戦記です。

[羽生善治九段偉業達成記念!]第38回 NHK杯将棋トーナメント 3回戦・第3局 大山康晴十五世名人 対 羽生善治五段(1988/12/18放送)

https://abema.tv/video/episode/457-1_s38_p37

先手は、羽生先生。此の前年に新人王を獲得したばかりの、まだ五段時代。五冠じゃなくて五段ですからねw

それに対して、大山先生は言わずもながな大名人。

この時は、将棋連盟会長も務めています。

後手の大山先生は、ノーマル中飛車の英ちゃん流中飛車を採用。

5筋突きを後回しにする中飛車ですね。そうすることで、他の筋に飛車を振った時に傷になりにくいんですよね。

穴熊以外にはかなり有効な作戦です。

対して、羽生先生は、ノーマル中飛車に舟囲い急戦です。

急戦に対して最強の守備力を持つ中飛車に、急戦。

さらに、途中で解説の森先生から、急戦vs中飛車の解説があります。

これは今となっては貴重な説明なので、居飛車党はぜひ見てください。

羽生先生は、工夫した棒銀で対抗です。

それに対して、木村美濃風に構えて、袖飛車への変化を目指す大山先生(俗に言う、大山流雲隠れ飛車です。振り飛車黎明期から大山名人が得意としている形)

羽生先生は、袖飛車に対して、ボナンザ囲いのように備えて上部を厚くしました。

以外にも、受け将棋の大山先生が積極的に動いている印象ですね。羽生先生が守勢に回っています。

羽生先生は玉頭をドンドン厚くしていきます。

こうされると、棒銀の銀が取り残されていますが、厚みを作った羽生先生が勝ちやすい印象ですね。

そして、歴代最強のふたりによる玉頭戦に移行です。

たぶん、ここまで豪華な玉頭戦はもう見れないはず。

最後は、大山先生の猛攻をしのぎ切った羽生五段の勝利。

今回の見どころ

・中飛車に対する舟囲い急戦のやりかた

・大山先生の攻撃を利用して厚みを作る羽生先生

・大名人二人による玉頭戦

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【将棋観戦記】西川和宏 六段vs.山崎隆之 八段 ~NHK杯でまさかのパックマン!?~

注意書き

将棋連盟の将棋連盟ライブ中継アプリ等(https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/ )を使って観戦を楽しんでいる方向けの将棋観戦記です。

ただし、将棋連盟から「棋譜利用に関するお願い」(https://www.shogi.or.jp/news/2019/09/post_1824.html )という通達も出ているのでこれを遵守して、観戦記を書いていこうと思います。

・棋譜と図面を使用しない

・読者の方が上記のアプリを使用して棋譜並べをする参考になるように、序盤の構想のどこがおもしろいのかや、終盤の注目ポイントを簡潔に述べる

・あくまで、 将棋連盟ライブ中継アプリ等 のバックナンバーで参考になる対局紹介というレベルで抑える。

今回の対局の基本情報

棋戦名:第70回NHK杯テレビ将棋トーナメント

対局者:西川和宏 六段vs.山崎隆之 八段

日付:2020.4.12

観戦記

こちらが私の驚きのツイートですw

尺が持つのか少し心配になりました(大乱戦になると、かなりの短手数になる可能性があるため)

端歩の打診などもあり、石田流などの駆け引きかなと思いましたが、まさかの山崎先生のパックマン戦法!?

パックマン戦法でも、端歩の突き合いや△3二銀を入れてからパックマンにする新構想ですね。山崎流パックマン。とりあえず、そう呼称しましょう。

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ノーマルパックマンに困っている人には、こちらの本(66-77頁)をお勧めします。

他の奇襲戦法も特集されているので、ぜひ!(奇襲戦法研究所の記事を書く時にも結構参考にさせていただいております)

さて、対する西川先生は……

受けた▲同角です。さあ、大乱戦です。

やっぱり、ここで回避するなんて、男がすたります。さすがは勝負師ですね(ちなみに自分だと絶対回避です。定跡知ってても、怖いものは怖い)

中盤は、大乱戦の中では比較的に緩やかなものになりました。中盤の厚みをめぐる攻防ですね。ただ、山崎先生としては、パックマンの影響で歩をかなり損しているので、中央の厚みを取られて、持久戦にされるのは避けたいところ。対して、持久戦にしたい西川先生は、中飛車にして、中央の厚みを盤石にしようとしますが……

わずかにほころびがありました。

逆に中央の厚みを奪還されて、後手優勢へ。

厚みを活かした攻撃がつながりまくります。あの難しい中盤をどうしてこんなにうまく指せるかの。解説の畠山先生には、「真似してはいけません」と言われておりましたが。

一気に寄せ切りって、山崎先生快勝です。

まとめ

今回の見どころ

・山崎流パックマン!?

・中盤の厚みをめぐる攻防

・厚みを活かした攻め

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【奇襲戦法研究所】筋違い角に邪魔されない中飛車の指しかた~2手目△5二飛車~

はじめに

アマチュアの振り飛車党が、一番苦手ななんですか?

居飛車穴熊?

急戦?

いいえ、「筋違い角」でしょう。

筋違い角

振り飛車党に無理やり居飛車を強要する作戦ですね。

こちらの記事でも触れているので、興味がある方はどうぞ。

さて、昔は中飛車おじさんとして名をはせた(笑)私が、筋違い角対策の中飛車をひとつ紹介します。

それが、2手目の△5二飛車ですね。

序論

先手が▲7六歩とした時に、△5二飛車といきなり振ります。

こうして、筋違い角を事前に予防できます。

中飛車党おススメの戦法です。

何とも初心者っぽい手ですが、意外と咎めることが難しいので、何でも中飛車にしたいひとは採用してみてください!

流れ

▲7六歩△5二飛(基本図)

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は image-104.png です

先手が角道を開けてきた場合、筋違い角に誘導される恐れがあります。

そうすると中飛車にできない。それは嫌だと、初手から中飛車です。

こうすることで、筋違い角を避けて、安全に中飛車にすることができます。

あとは、ゴキゲン中飛車定跡との合流を目指します。

基本図から▲2六歩△5四歩▲2五歩△3四歩(結果図1)

ゴキゲン中飛車定跡に合流しました。

ここから先手が角交換してきたら、丸山ワクチン。

▲4八銀としてきたら、超速か一直線穴熊などの定跡と合流します。

どうして、角道を最後に開けるのか。これには、訳があるので次の章で説明します。

序盤の落とし穴

基本図から▲2六歩△3四歩(図①)

5筋の歩を突かずに、角道を開けると、一気に大乱戦に持ち込まれます。

図①から▲2二角成△同 銀(図②)

この角交換から一気に乱打戦になります。

図②から▲6五角(結果図②)

せっかく、筋違い角の乱戦を避けたのに、別の乱戦になってしまいますね。

この乱戦を避けるために、さきに5筋を突いておいた方が安全となります。

ちなみに結果図②のあとは、

△3二金▲8三角成△9二角と進んで、一応互角の戦いになるので、乱戦好きなひとはどうぞ。

先手を持った時のコツ

ということで、意外と居飛車ではこの初手5二飛車を咎めることは意外とできません。

では、どうするか?

中飛車の弱点を突く展開。それは相振り飛車です。

これについては、次回に続きます。

その他の戦法についての目次です。