ということで、自分は駒落ちをすることが多いので、駒落ち上手をもって級位者の方と対局するときに、考えていることを書いていきます。
①自分の考えは教えるが、それを無理強いはしない
あくまで、決定権は本人にあります。
例えば2枚落ちで、相手の人が二歩突っ切りを使ってきたとします。自分的には、銀多伝のほうが勝ちやすいと思っていますが……
「銀多伝のほうが勝ちやすいけど、二歩突っ切りのほうが好み?」くらいにとどめておきます。
「次からは銀多伝にしなさい」と強制してしまうと、相手のモチベが大幅に下がりますからね。相手のモチベが一番大事です。モチベが高ければ、その人は勝手に強くなりますw
「銀多伝定跡がよくわからないんです」と言われたら、「じゃあ、教えてあげるよ」と誘導し、
「二歩突っ切りの攻めが楽しいので、どうしてもこっちがいいんです」と相手に言われたら、「OK! じゃあ、仕掛け筋を一緒に復習しようか!」とすぐに切り替えができるくらいの柔軟性も上手には重要だと思います。
上手側から、強制力をもって言ってしまうと、下手としては従わなくてはいけない雰囲気になってギスギスします。そうすると、お互いに言いたいことが言えなくなってよくないです。
②相手の意見をよく聞き、フランクに議論する
礼節も大事ですが、まずは相手の意見を聞きましょう!
「この変化をどうして選んだの?」と聞いて、「別の変化は乱戦調で、怖いんです」という会話になったら、相手の方はそちらの変化の手筋をよく理解していない可能性が高いです。なので、重点的にそちらの変化を解説したりして、手筋の理解力を上げるチャンスになります!
なるべくフランクに、相手の意見を聞いてあげてください。そうすれば、相手の方の改善点は簡単に見つかります。
なんでも言い合えるような関係が、教え合うには最適です。相手の方が萎縮してしまうと、改善のヒントも見失う可能性が高いです!
③仕掛け方をチェックしてあげる
特に級位者の方は、仕掛けでつまづくことが多い印象です。
わかりやすく四間飛車vs居飛車急戦で話すと、
△3二銀型四間飛車には、単純に斜め棒銀や早仕掛けしても無理筋ということを知らずに使ってしまう人もいます。
相手がどういう形をしているかで、戦法を使い分けるというのは定跡書にはあまり丁寧に説明されていないので、そこをしっかり教えてあげるとその人の将棋は格段に良くなります。
④意識的に誉める
指摘ばかりだと、相手の方のメンタルをぽっきりさせてしまうことが多いです。
なので、褒めながら指摘していきましょう。
ここまでの流れは完璧だった! ここで詰みが見えれば、勝ちだったね、めちゃくちゃ惜しい! 攻めに迫力があったよ、すごい!
その人のすごいところをしっかり指摘しましょう! そうすれば、相手の方の強みが自分でもよくわかってきます。
教え方の方針も、攻めが強いから、もっとそっちを伸ばす方針で手筋の解説をしようとか、終盤いいから序盤を重点的に説明して知識不足を解消してあげようとかいろんな教え方を見つけることができます。なるべくなら、相手の方の強みを伸ばす方針で動くといいと思います。
⑤一度に何度もおぼえられないから、指摘事項は少なくして解説を多めに!
正直に言えば、一度言ったくらいで人間は簡単にはおぼえることはできません。自分も仕事や学校でそういう経験をしてきました(笑)
感想戦は、要点を絞って、解説多めが一番です。あまり多くを教えすぎても、オーバーフローします( ;∀;)
⑥大事なことは根気よく、何度も伝える
これは⑤と同じですね。大事なことは何度も言いましょうw
何度も聞けば相手も意識的に重要なことだと理解して、しっかりおぼえてくれます。
教える方は、「忘れても仕方ない! 何度も言えばいいのさ~」くらいのおおらかな気持ちが大事です(笑)