【奇襲戦法研究所】相振り端角中飛車破り

相振り端角中飛車

ということで、今回は相振り端角中飛車をいかに対処するかの研究です。

この前級位者さん同士の対局を見ていたら、相振り飛車で端角中飛車になって、中央突破して中飛車側が完勝していたので、なるほど面白いと思って今回の記事となりました(笑)

端角中飛車は「5五の龍」というマンガが元ネタで、羽生・深浦のタイトル戦でも登場したことがあるおもしろい戦法です。

基本的に、対居飛車の時に使うのですが、たまに相振りでも使いたい原理主義者さんたちもいらっしゃるので、そちらをどう破るのか考えていきましょう。

三間飛車側がいかに中飛車の中央突破を防ぐのかのついての研究となります。

成功例

こちらが成功例です。

後手の三間飛車側が、不用意に駒組を進めてしまったがために、簡単に中央突破を許してしまいました。

基本的に端角中飛車に対しては、中央に守り駒を集結させることがコツとなります。

わかりやすい対策例

端角中飛車は基本的に上の図を作り出すと抑え込みやすくなります。

黄色く塗ってある銀2枚がポイント!

居飛車の時でも意外と使える陣形なので、覚えて損なしです。

これで後手が優勢となります。

ちょっと難しいけど積極的に攻めるやりかた

こちらが積極策です。

銀二枚の守りを固めずに一気に押しつぶすやりかたw

一度、3→7→5筋と陽動で動かして敵の守備陣を乱して無理やり飛車交換。

あとは、固さを活かして敵の居玉を粉砕するスリル満点な指しまわし方法です。

良くなりやすいんですが、実際に使うのはちょっと難しいですね。

KIF形式棋譜ファイル

手合割:平手
先手:
後手:
手数—-指手———消費時間–
1 5六歩(57) (00:00 / 00:00:00)
2 3四歩(33) (00:00 / 00:00:00)
3 5八飛(28) (00:00 / 00:00:00)
4 3五歩(34) (00:00 / 00:00:00)
5 5五歩(56) (00:00 / 00:00:00)
6 3二飛(82) (00:00 / 00:00:00)
7 9六歩(97) (00:00 / 00:00:00)
8 6二玉(51) (00:00 / 00:00:00)
9 9七角(88) (00:00 / 00:00:00)
10 4二銀(31) (00:00 / 00:00:00)
11 6八銀(79) (00:00 / 00:00:00)
12 7二玉(62) (00:00 / 00:00:00)
13 5七銀(68) (00:00 / 00:00:00)
14 5二金(41) (00:00 / 00:00:00)
15 5六銀(57) (00:00 / 00:00:00)
16 9四歩(93) (00:00 / 00:00:00)
17 6五銀(56) (00:00 / 00:00:00)
18 1四歩(13) (00:00 / 00:00:00)
19 5四歩(55) (00:00 / 00:00:00)
20 同 歩(53) (00:00 / 00:00:00)
21 同 銀(65) (00:00 / 00:00:00)
22 5三歩打 (00:00 / 00:00:00)
23 同 銀成(54) (00:00 / 00:00:00)
24 同 銀(42) (00:00 / 00:00:00)
25 同 角成(97) (00:00 / 00:00:00)
26 同 金(52) (00:00 / 00:00:00)
27 同 飛成(58) (00:00 / 00:00:00)
28 6二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
29 5四龍(53) (00:00 / 00:00:00)

変化:22手
22 3六歩(35) (00:00 / 00:00:00)
23 2八銀(39) (00:00 / 00:00:00)
24 3五飛(32) (00:00 / 00:00:00)
25 5三歩打 (00:00 / 00:00:00)
26 5一金(52) (00:00 / 00:00:00)
27 7九角(97) (00:00 / 00:00:00)
28 8五飛(35) (00:00 / 00:00:00)
29 7八金(69) (00:00 / 00:00:00)
30 5五飛(85) (00:00 / 00:00:00)

変化:20手
20 6二銀(71) (00:00 / 00:00:00)
21 5三歩成(54) (00:00 / 00:00:00)
22 同 銀(42) (00:00 / 00:00:00)
23 5四歩打 (00:00 / 00:00:00)
24 4四銀(53) (00:00 / 00:00:00)

プロ棋士の棋風研究<第4回 戸辺誠七段>

戸辺先生

ご好評いただいている棋風研究もついに第四回ですね。

今回は、戸辺誠七段です。

はじめに

振り飛車党の若き旗手として活躍されていますね。

ゴキゲン中飛車・石田流など現代振り飛車の使い手として知られていて、相振り飛車における戸辺流・後手石田流の「4→3戦法」などを奨励会時代に開発した若き天才ですね。相振り飛車の定跡の進化は彼と菅井先生によって現在の源流が作られていると言っても過言じゃありません。

経歴

加瀬純一門下。

兄弟弟子に、佐藤和俊先生(三間飛車藤井システム・振り飛車穴熊の使い手)・遠山雄亮先生(ゴキゲン中飛車における丸山ワクチン対策の「遠山流」の開発者)がいて、みんな振り飛車定跡の整備に功績が大きいんですよね。

師匠の加瀬先生も振り飛車党なので、貴重な振り飛車一門です。

1998年の第23回小学生将棋名人戦で3位、2006年に20歳でプロデビュー。

翌年、竜王ランキング戦6組で優勝。

2009年度の期王位戦予選で、森内九段、久保棋王(当時)を破り挑戦者決定リーグに進出。決定リーグでは羽生善治名人に勝ち、羽生とのプレーオフに進出するなど大活躍し将棋大賞の新人賞を受賞。

2010年に竜王戦5組優勝。

佐藤天彦(元名人)、糸谷哲郎(元竜王)、広瀬章人(現竜王)と将来を期待されてきた逸材です。

棋書の出版も多く、わかりやすい名著「石田流を指しこなす本」などを発表するなど、アマチュアの振り飛車党にとってはとても貴重なプロ棋士の先生です。

戸辺本にほとんどはずれがないので、石田流やゴキゲン中飛車、相振り飛車本の第一候補ですね。

棋風

純粋振り飛車党。

三間飛車の石田流を得意として、中飛車と使い分けている。

直近では三間飛車4割・中飛車3割・相振り飛車3割くらいの割合で使用している。

対石田流の△1四歩戦法(先手がつきかえしたら相振り飛車にして端に傷を作り、つきかえさなかったら突き越して先手の囲いを棺桶美濃に強制させる戦法。この流行で石田流がプロ棋界から激減した)発見後も、石田流を使い続けている貴重な振り飛車党です。

するどいさばきと華麗な一手で一気に攻め切る攻める振り飛車党。

なんでも、アマチュア時代の次の一手集中勉強法で作った棋風なんだとか。

詳細はこちらのインタビューをどうぞ。

棋士の本棚フェア 第1回:戸辺誠七段 【外部リンク】

エピソード

お父さんが有名なお米農家で、テレビ番組でもたまに特集されている。

ファンや棋界へのサービス精神が旺盛で、解説・若くして弟子を取る・名著を量産するなど広報活動や布教活動にもとても熱心な棋士。野球の始球式でボールを投げるなどユニーな活動も。

今後もドンドン将棋界を盛り上げて欲しいです。

どうして自分は純粋振り飛車党にならないのか?&どうして相振り飛車は難しいのか?

どうして自分は純粋振り飛車党にならないのか?&どうして相振り飛車は難しいのか?


今回は自分がどうして最弱オールラウンダーを貫き通しているかのお話です。

複雑なプレゼンのスライドのイラスト

現状、振り飛車:居飛車:奇襲:相振り=4:3:2:1くらいの割合で指しています。振り飛車はまあまあできるので、いつも知り合いから純粋振り飛車党への入党を進められるのですが、それにはひとつ問題が……
それは相振り飛車が大の苦手であることです(笑)

中飛車VERの相振りは得意なんですが【左穴熊とかほぼほぼ居飛車】、向かい飛車vs三間飛車とか相三間飛車みたいな王道パターンは大の苦手。
なので、純粋振り飛車党はあきらめて、定跡をたくさんおぼえなくてはいけないオールラウンダーになっているのです。
実際、居飛車を持つのもそんなに苦労していないので、なんとかなっているんですが、相振り飛車に実はあこがれを持っているところもあって結構勉強をしているんですが、やっぱり苦手は苦手で(笑)


相振り飛車が苦手な理由


・居飛車に近いと言われているが、角の使い方が特殊(王を直接にらんでいない)で居飛車の感覚で指すことが難しいところがある。
・端攻めがそもそも得意ではないので、端攻めに依存している相振り飛車が好きじゃない
・はめてのような罠が多いので経験値の差が大きい
・囲いと飛車を振る選択肢組み合わせが無数あり定跡化がまずかしいところがある

まとめ


まあ、一言でまとめると「純粋振り飛車党と比べて、オールラウンダーである自分が経験値で劣るので、結構劣勢になりやすい&端攻め嫌いなせい」です(;’∀’)
これが自分が相振りが苦手な理由ですw
端攻めが嫌いなので、相手には穴熊に組ませないようにする角交換振り飛車や先手矢倉で後手急戦を受け潰しを狙ったり色々と工夫をしていますw
自分が中飛車おじさんと化している理由も、中飛車の相振り飛車なら中央からの速攻だったり左穴熊に組んだりして、相振りっぽい将棋にしないようにしています(笑)
それでも相振りをまだあきらめないように、「相振り飛車を指しこなす本」や「相振り革命シリーズ」を頑張りたいと思います(笑)

関連記事

【将棋】振り飛車党総裁史⑤~新時代~【ネタ記事です】<最終回>

前回までの記事

新しい才能

新しい才能。

現代振り飛車が開発されたことにより、若者の振り飛車党も増加した。

そして、その中から若き天才たちが生まれていった。

戸部・菅井(現代振り飛車派)、広瀬(穴熊派)である。
盤石に見えた振り飛車党だったが、ひとつの誤算があった。
それは、藤井総裁の辞任だった。

藤井の辞任

藤井システムが対策されすぎたことにより、党勢が膠着状態になった責任を取り、藤井総裁は辞任を表明。
藤井は「これからは多角経営」という発言を残し矢倉を連採し、振り飛車党を一時脱退寸前の状況にまでなってしまう。

居飛車党への鞍替えこそ回避されたものの、藤井は最高顧問に退くこととなる。

彼は、最高顧問になったことで、将棋の新戦法「角交換四間飛車」の研究に没頭し、振り飛車の新しい鉱脈を見つけることになるがそれは別のお話。

これによって、振り飛車党は変革を迫られた。

久保総裁の誕生

執行部はカリスマの辞任の後、後継総裁として「久保」幹事長を総裁に選出する。

ここから久保はさらに飛躍し、居飛車党を倒しまくりついに2010年にタイトル二冠を達成した。振り飛車党の二冠王は、大山名誉総裁以来の快挙だった、
名実ともに、振り飛車党総裁の地位を不動のものにした彼は、党執行部の世代交代にも成功するのだった。

藤井・鈴木は振り飛車党最高顧問として総裁を支える一方、若手のエース菅井を幹事長に抜擢、戸部広報部長ともに振り飛車界を盛り上げる作戦に出る。
もうひとりの若手のエース広瀬(穴熊派)はタイトル獲得しさらに党勢を盛り上げたが、失陥後居飛車党に鞍替えしてしまったという問題はあったものの、久保・菅井のダブルエース体制でタイトル戦線を振り飛車党は戦っている。

久保は2016・2017年に王将を、菅井は2017年に王位のタイトルを獲得している。

また、藤井最高顧問は総裁辞任後、角交換四間飛車の定跡を完成させ、さらに振り飛車党を盛り上げ、杉本副幹事長は将来の名人候補である「藤井聡太」を見事にプロまで育て、鈴木最高顧問は永瀬二冠をタイトルホルダーまで鍛え上げるなど育成面での活躍も目立っている。

現状(2019年10月現在)では、タイトル失陥で振り飛車党のタイトルホルダーは0だが、元所属の広瀬竜王、永瀬二冠などがタイトル戦線でし烈な争いを繰り広げている。

振り飛車党の育成力を示す一例であろう。

今後、振り飛車党に大きな変化が発生した時に加筆するとして、今回はここまでとしたい(完)

【将棋】振り飛車党総裁史④~振り飛車御三家の革命~【ネタ記事です】

tentei

前回までのあらすじ

居飛車穴熊の猛威と、総裁大山の死により激震が走った振り飛車党。

しかし、天は彼らを見捨てなかった。

若き革命家たちの登場


精神的な支柱であった大山総裁の死。これによって振り飛車党に激震が走る。
その中にあって振り飛車党の中心となったのは若手の新しい力だった。
世紀末四間飛車を掲げて、NHK杯を制した櫛田。
相振り革命の提唱者杉本。

振り飛車党の窮地を救うために、スーパー四間飛車を武器にA級で戦った小林。

彼らが作った流れは、さらに若き才能たちに受け継がれる。そして、怪物たちが登場したのだ。

振り飛車御三家の登場である。

その日、ひとりの革命家は地上に降り立った。天敵居飛車穴熊を撲滅するために。

藤井猛である。

彼は居飛車穴熊に組ませずに攻め勝つ方法「藤井システム」を発明し、棋界に覇を唱えたのだった。

暴力的な固さを誇る穴熊も完成しなければ脆弱だというコロンブスの卵的な視点は当時の将棋好きを魅了した。


彼はそのまま、最高位戦である竜王戦で、居飛車党のエース谷川を撃破し、竜王戴冠。
振り飛車党が再び棋界の頂点に達した瞬間だった。
そして、歴代最強ともいわれる居飛車党総裁(オールラウンダー派)の羽生善治を凌駕する指しまわしを見せて、竜王戦3連覇を達成。
大山死後、空席状況だった総裁の座を完全に射止めたのだった。

藤井総裁の元には、新たな実力者たちが集結していく。

鈴木システム・新石田流を完成させた剛腕「鈴木」副総裁。

華麗なるさばきで、全盛期の大野名誉総裁をほうふつとさせる久保幹事長。

久保の石田流

藤井総裁を加えた3名は「振り飛車御三家」としてトロイカ体制を構築し、振り飛車の復興に力を注いだ。前述の相振り飛車の革命家杉本副幹事長・ゴキゲン中飛車の完成者近藤副幹事長といった実力者たちが集結しトロイカ体制を盛り上げると、振り飛車の勢いは最高潮に達した。

さらに技術革新は進んでいった。藤井システムと同時期に振り飛車は新たな武器を見つけていったのだった。穴熊は角交換に弱い。ならば振り飛車側から角交換をしてしまえばいい。

ゴキゲン中飛車

新石田流

新たな可能性は

藤井総裁(四間飛車派)
鈴木副総裁(四間飛車派→現代振り飛車派)
久保幹事長(四間飛車派→現代振り飛車派)
中田政調会長(三間飛車派)
小倉総務会長(三間飛車派)
杉本副幹事長(中立派)
近藤副幹事長(中飛車派)

彼によって、振り飛車党はさらに若き才能たちを発掘していく。

こうして、振り飛車の新時代ははじまった。

【将棋】振り飛車党総裁史③~大山総裁時代と穴熊~【ネタ記事です】

前回までに、大野源一による振り飛車党創設から大山・升田戦争をお送りした。

今回は大山長期政権時代の概説をおこないたい。

大山長期政権時代

ライバルの升田を倒したことで、大山は振り飛車党内に長期政権を築き上げた。
ここに振り飛車党黄金時代が始まるのであった。

大山総裁は、升田との戦争と同時並行して、居飛車党との政争にも勝利して、総理(名人)総裁の地位を確立。二上・加藤・丸田など居飛車党の挑戦をことごとく退けて、長期政権を樹立していた。振り飛車党は、安定与党としての地位まで確保していたのである。

彼と升田の活躍によって振り飛車党はどんどん増え続ける。時代こそ前後するとはいえ、下記のようなオールスターメンバーが振り飛車党には集まっていた。
大野名誉総裁(振り飛車党三間飛車派、通称”大野派”)
升田副総裁(振り飛車党新手派、通称”升田派”)
松田ツノ銀大臣(振り飛車党中飛車派、通称”松田派”)
大内幹事長(振り飛車党穴熊派。通称”大内派”)
森安青年局長(振り飛車党四間飛車派。通称”大山派”若手のホープ)
谷川政務官(後に、振り飛車党を脱退。居飛車党(オールラウンダー派)へ入党。後の居飛車党総裁)

しかし、順調に見えた振り飛車党に再び受難の時代が訪れる。
棋界の太陽「中原」による政権交代と居飛車穴熊の発明である。

大山・升田戦争終結後、ついに新時代の旗手は振り飛車党に牙を向いた。

若き天才中原【居飛車党新総裁オールラウンダー派】は、10年以上誰もなし得ていなかった大山の振り飛車攻略に成功する。

さらに、居飛車党は中原の他に、米長・加藤を加えた三頭体制が確立。

安定与党の地位を振り飛車党から奪い去った。

しかし、大山も充実した力を見せており、以前、二大政党制は維持されるかと思われていた。

だが、居飛車党はそれを許さなかったのである。

居飛車穴熊が発明されたのだ。

居飛車穴熊の誕生

後手が居飛車穴熊

居飛車穴熊。

それは禁断の果実だった。

振り飛車の最大の売りは、美濃囲いの守備力だった。攻撃力で上回る居飛車で、駒の捌きと守備力で上回っていた振り飛車のお株を奪う最強の守備力。

金2枚、銀・角・香・桂1枚ずつで守る最強の要塞は振り飛車党を壊滅的な被害に追い込む。

振り飛車の守備力を上回る暴力的な固さに振り飛車の勝率は激減。次々と議席を失った。

その間に、大野名誉総裁・升田副総裁・松田大臣の引退と死去と主要メンバーにも激震がはしる。

表舞台には、大山と森安【のちに副総裁へ昇進】のふたりで奮闘している状況だった。
大山総裁・森安副総裁両頭体制によってなんとか党勢を維持していた振り飛車党にさらに悲劇が訪れる。
大山総裁の後継者と目されていた森安副総裁の夭折である。

だるま流とも称される受けの力で居飛車穴熊に対抗し、中原からタイトルを奪取し、A級にも在籍した振り飛車党の次世代のエース。

大山の正統なる後継者と期待されていた森安の夭折。

これによって振り飛車党はさらに勢いを失うことになる。

なんとか、居飛車党の小林九段が振り飛車党に鞍替えするなどして、なんとか棋界に影響力を誇示している状況だったが……

さらなる悲劇が待ち受ける。

巨星堕つ
大山の死であった。

癌との闘病を続けつつも、生涯現役、A級の地位を確保し続けた振り飛車党総裁であり精神的な支柱の死去は、振り飛車党を変革の刻を迎えさせることになる。

次回「若き革命家たちの登場」へと続く


【将棋】振り飛車党総裁史②~黎明期から大山・升田戦争~【ネタ記事です】

それでは、いよいよ本格的な歴史概説に入る。

黎明期

黎明期(初代総裁大野源一九段の登場)

故・大野源一名誉総裁

近年に入るまで振り飛車は受難の時代だった。
明治~昭和初期のプロの主流戦法は、相がかりを中心とした居飛車であり、振り飛車は邪道とも思われていた。
かろうじて、香落ちの将棋の時に用いられるくらい。
当時の第一人者である坂田三吉が「坂田流向かい飛車」を考案したことが大きなニュースだった。

しかし、ついに救世主が誕生したのである。
それが初代振り飛車党総裁”大野源一”の登場である。

彼は、戦後の振り飛車界をひとりで引っ張った。
得意の三間飛車の華麗な捌きを持ち味に、勝利を量産したのである。
振り飛車名人・振り飛車の神様ともいえる彼の功績が後世に伝わっていないことは嘆かわしい。
彼は、A級順位戦という最高峰のリーグで振り飛車で勝ちまくった。そして、偉大な二人を振り飛車党に勧誘することに成功するのである。彼の勧誘によって、弟弟子である「大山康晴」「升田幸三」両大名人が、振り飛車党に入党したのだ。

「忙しくて戦型の研究ができない」という大山の悩みに
「それなら、序盤は飛車を振って、美濃囲いを作ればいい振り飛車にすればいいじゃない」
こんな会話があったとかなかったとか。

大山は矢倉を振り飛車を使い分ける戦略を取っていたが徐々に振り飛車一本に特化していくことになる。

升田・大山、当時、全盛期の実力を有している。

両雄並び立たず。

こうして、大山・升田の大野総裁後継レースがはじまるのだった。

彼らは何度も棋界最高クラスでぶつかり合った。

大山が徐々に覇権を確立していったあと、ついに決着をつける一戦が勃発するのであった。

大山・升田戦争

後継レースは激化の一途をたどり、遂に両者は、1971年の名人戦7番勝負で激突する。
そして、ここで升田は衝撃の新構想「升田式石田流」を発表し、大山を追い詰めた。
まさに振り飛車党の天下分け目の合戦。

両者は雌雄を決するために最善を尽くし、最後に立っていたのは強靭な受けで秘密兵器の升田式石田流を破った大山であった。
フルセットの激戦による名人位防衛は、大山の名声をさらに高めた。

ここに大山の覇権が確立され、第二代振り飛車党総裁に任命されたのであった。

この間、三間飛車・中飛車・四間飛車のノーマル振り飛車定跡も急速に発展し、固い守備力を活かした振り飛車は全盛期を迎えることになる。

【将棋】振り飛車党総裁史①【ネタ記事です】

振り飛車党総裁。

この称号は、アマチュアには憧れの存在だった。 居飛車とは違って、振り飛車は駒組がおぼえやすく、相手の戦型に合わせないで自分の戦いができる。 それは忙しいアマチュアにとって魅力的な果実であった。

本記事は、大野→大山→藤井→久保と歴代4名の振り飛車党総裁の業績を振り返る概説である。(※筆者の痛い妄想記事です。分かりやすく意訳した部分や、間違いも含まれている可能性があります。ご注意ください。)

本文に入る前に、現状の振り飛車党の概要を振り返ろう。

久保総裁
久保総裁

菅井幹事長
藤井最高顧問
故・大山名誉総裁

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2019年10月11日現在

振り飛車党著名幹部(敬称略)

総裁:久保【タイトル7期】

幹事長:菅井【タイトル1期】

最高顧問:藤井【タイトル3期】、鈴木【棋戦優勝2回】

名誉総裁:故・ 大野 源一九段、故・大山康晴十五世名人

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在は緩やかな派閥ではあるが、以下の派閥が存在している。

①四間飛車派(旧大山派・現藤井派)

振り飛車党総裁大山が興して、森安・櫛田・小林などが在籍していた振り飛車党の保守本流派閥。大山死後、低迷したが、後を継いだ藤井新総裁の藤井システムによってふたたび全盛期へ。藤井が最高顧問に転出したあとも角交換四間飛車などの発明もあり、現状でも大きな影響力を保持する。

②中飛車派(近藤派)
旧松田派。松田がツノ銀中飛車を得意とし、昭和期に大きな影響力を誇った。四間飛車・三間飛車とともに、ノーマル振り飛車挙国一致内閣を組閣し、振り飛車党全盛期を支えた。居飛車穴熊誕生以後、少数派へと転落。しかし、平成となりゴキゲン中飛車が発明されたことに、中飛車を指す棋士が増えたため勢いを取り戻しつつある。現代振り飛車派とも強いつながりがある。

③三間飛車派(中田派)

振り飛車の神様とも言われた大野名誉総裁の派閥が母体。スペシャリストたちが多く在籍し、職人集団のような一面が強い。 コ―ヤン流・石田流・下町流・真部流・三間飛車藤井システム・トマホークなど個性豊かな戦法を得意とする棋士の連合体。

④穴熊派

旧大内派。党内でも独立勢力のような存在で、穴熊党とも。派閥のドン大内が引退後、若手のエース広瀬が孤軍奮闘して支えていた。しかし、広瀬が居飛車党角換わり派に鞍替えし長期間代表不在。居飛車党穴熊派との合併もうわさされる。

⑤現代振り飛車派(久保派)

角交換振り飛車系を使う新興勢力だが、振り飛車党最大勢力。革新派に位置づけされる。中飛車・三間飛車・四間飛車など状況に応じて採用しオールラウンダーのような派閥と化している。久保総裁・菅井幹事長・戸部広報部長・鈴木最高顧問など執行部の多くも在籍している。

それでは、基礎知識の振り返りはここまでとして、次回以降本格的な振り飛車党総裁史をお届けする。

オールラウンダー、各種振り飛車の特徴を語る

はじめに

ということで、一応、最弱オールラウンダーである私が、自分で使った感覚からそれぞれの振り飛車の特徴を語っていきたいと思います(笑)

ヘッドホンをして勉強をする人のイラスト(男性)

はたして需要はあるのか不思議ですが、とりあえず、書いていきますね。

ノーマル中飛車

【メリット】

・居飛車急戦に強い。というか、振り飛車系で最強に近い。

・バランスがいいので、捌き合いに強い。

・居飛車の抑え込み、振り飛車の捌き合いのどちらの感覚も勉強できる。

・あわよくば、袖飛車に展開して、居飛車の玉頭を粉砕できる。

【デメリット】

・穴熊や位取りなどの持久戦に弱く、居飛車穴熊がわかりやすい天敵として存在している。

・囲いが、木村美濃or片美濃になりやすく、本美濃を好む固さ重視のひとから避けられる傾向にある。

【総評】

やはり天敵の居飛車穴熊が問題。

風車や矢倉流などの対抗策もあるが、玄人向けで専門家だけがなんとか指しこなしている印象。

中飛車(角道オープン型、先手中飛車・ゴキゲン中飛車)

【メリット】

・自分から主導権を握りやすい。

・角交換をすれば居飛車の穴熊を抑制できる。

・攻守のバランスがいい。

・居飛車感覚でも指せる振り飛車。

・現代の主流戦法なので、棋書も豊富

・相振りに弱いと言われるが、最近は中央からの急戦・左穴熊・左玉・振り穴といった対策も登場し復調傾向。

【デメリット】

・左金が囲いに活かしにくいので、守備力がほかの振り飛車に比べて弱い。

・超速や一直線穴熊など、居飛車側が穴熊にする対策が登場。

・5筋位取りで相手に穴熊を許すか、手損して角交換して穴熊を許さないかの判断が難しい。

【総評】

現状、もっとも主流になっている振り飛車。

指しこなすのにはバランス感覚が必要で、囲いが薄いのがネック。

ノーマル四間飛車

【メリット】

・整備された定跡。居飛車の急戦・持久戦どちらにも対応可能。

・左銀の自由度が高く、自分の苦手な戦法によって場所を使い分けることができる。

・厚みをもった玉頭戦の破壊力も高い。

・美濃・穴熊どちらも採用できる。

・天敵穴熊には「藤井システム」という切り札もある。

・ほかの振り飛車にはある序盤から角交換が発生した場合の大乱戦がない。

【デメリット】

・中盤の定跡が難しい。

・終盤勝負になりやすく、終盤力を特に必要とする。

・藤井システムの定跡が難解で、使いこなすことが難しいので、居飛車穴熊に苦しめられがち。

・相振り飛車の時に駒組が制限されやすい。

【総評】

根強い人気を持つ。

整備された定跡が非常に優秀なので、どんな相手にも終盤勝負に持ち込みやすい。

穴熊と相振りがネック。

角交換四間飛車(角道オープン型四間飛車)

【メリット】

・居飛車穴熊をゴリゴリに制限できる。

・主導権を握りやすく、自分から積極的に動ける。

・駒組・攻め方が非常にわかりやすい。

・美濃・穴熊どちらも選べる進展性。

・ノーマル四間飛車と違い、相振りにも有望。

・居飛車側の急戦策がない。

【デメリット】

・序盤から手損が多くなるので、終盤の力勝負が振り飛車の中で最難関クラス。

・スピード感覚が必要になる戦法なので、しっかりとした基礎が必要となる。

【総評】

急戦・穴熊・相振りに強いことが最大の魅力だが……

手損が終盤になって響きやすいのが本当に難しい。

《以下、後日加筆予定。三間飛車・向かい飛車を予定中》

2019.10.6追記

三間飛車



【メリット】

・今最も熱い振り飛車。

・急戦に強い。

・振り飛車の天敵居飛車穴熊に対しても、真部流・コ―ヤン流・三間飛車藤井システム・下町流・トマホークなどなど対策が豊富。石田流(後述)への変化もある。

・相振り飛車の花形であり、対抗形・相振り飛車どちらにも柔軟に対応可能。

【デメリット】

・さばきが重要となってくるため、手筋に知識とセンスが重要。

・変化が激しいものも多く怖い手順が多い。

・基本的に居飛車は持久戦でくるので、相応の終盤力が必要になる。

【総評】

現状、もっとも進化している戦法。プロ棋戦での登場も増加中。

三間飛車藤井システムやトマホークは反動がきついので、指しこなすのが難しい印象。

石田流(三間飛車)

【メリット】

・振り飛車の理想形とも呼ばれるさばきに特化した攻撃力のある駒組

・美濃囲いと最も相性がいい振り飛車

・穴熊にも比較的戦いやすい。角交換型なら穴熊自体を制限可能

・もちろん相振り飛車にも対応可能

【デメリット】

・序盤で角交換すると、大乱戦になる変化が多く準備が大変。

・ミスると簡単に飛車が頓死する。

・基本的に先手番用の戦法。後手番に採用する時は、4→3飛車戦法・2手目△3二飛など工夫が必要。

・居飛車側である程度拒否ができてしまう。

【総評】

メリットが最大の魅力。駒組の理想形で戦うのが楽しいが、序盤から激しい変化になりやすい戦法なので、事前準備が大事な戦法。

向かい飛車

【メリット】

・攻撃力がノーマル振り飛車の中で最も高い。

・ノーマル振り飛車の中で最も穴熊に対抗しやすい

・居飛車感覚で使いやすい振り飛車(抑え込み重視)

・先手相振り飛車の元主役だったので、相振り飛車にも対応可能。

・角交換にも強い

・仕掛けの権利が振り飛車にもある

【デメリット】

・基本的に居飛車の流れを見て組む戦法のため最初から狙うことが難しい。

・普通の振り飛車感覚で指せない

【総評】

ノーマル振り飛車の中で私が最も好きな戦法。

振り飛車よりも居飛車感覚が必要になることが多い。

ダイレクト向かい飛車


【メリット】

・わかりやすい駒組と強烈な攻撃力

・角交換四間飛車よりも一手得をしているので、終盤のスピード勝負でもその分得をする。

【デメリット】

・序盤から角交換するため、 ▲6五 角と打たれると序盤から大乱戦になる。

・力戦模様への変化が多く、まとめきる腕力に自信が必要

【総評】

わかりやすい駒組と攻撃力が魅力だが、佐藤康光会長のようなすさまじい将棋の腕力が必要になる。基本的に居飛車党の裏芸的な意味合いが強い振り飛車だと思う。

【棋書レビュー】最強アマ直伝! 勝てる将棋、勝てる戦法

はじめに

今回は私の中飛車のバイブルであるこの本を紹介します。

今泉健司 『最強アマ直伝! 勝てる将棋、勝てる戦法』(マイナビ)です。紙の本は絶版になってしまいましたが、まだ電子版は現役なので、中飛車党は是非とも買ってみた方がいいです。

ぶっちゃけこの本の内容だけど、アマ2~3段になっているような気がします。たぶん、もっと上も狙えるはずです。

この本と中飛車の素晴らしいところ

この本の素晴らしいところ

・わかりやすい(対抗形の時はできる限り角交換。持久戦の時は、位を取られて厚みで負けないようにした方がイイなどなど)

・プロの最新研究よりも勝ちやすさを追求していてアマチュアに優しい

・先手中飛車本だが、対抗形・一直線穴熊・相振り飛車・左穴熊など凄まじい網羅性を含む。中飛車本で一冊しか持つことを許されなかったら私は間違いなくこの本を選びます(笑)

中飛車の素晴らしさ

・わかりやすい。

・片美濃以上の防御力を得られる

・ほとんどの戦法相手に選択できる。

・振り飛車の中でも攻守のバランスがいい。

いいことづくめですね。

ちなみにこの本には続編のような本があって、そちらは貴重な相振り中飛車の定跡がたくさん載っています↓

この2冊をマスターすれば間違いなく最強クラスの中飛車党になれるはず。

私はまだ、マスターしきれていません(笑)

内容

・対抗形(角交換型)

基本的に5筋位取り中飛車よりも穴熊に組ませない角交換型が推奨されている印象です。角交換してしまえば、穴熊にされる危険性がグッと下がりますからね。

・相中飛車

これは貴重な相中飛車の定跡。私はこの内容と技巧2との研究で相中飛車に関してはかなりのドル箱になっています。

・一直線穴熊

5筋位取りの定跡から、銀が前に出るのではなくて、居飛車が穴熊を採用してくる場合です。角交換せずに、5筋位取りをすると穴熊に組まれるので、私は苦手です(笑)

自分が穴熊にするのは好きなんですけどw

・中飛車左穴熊

これも私の得意戦法。

この本は、まだ中飛車左穴熊の専門書がでる前だったので、この章はとても重宝していましたw


・向かい飛車

こちらは中飛車の一つの選択肢。番外編に近いですが、居飛車が飛車先の歩をついてきた場合の可能性です。

出てくる手筋も勉強になるので、余裕があれば読んだ方がいいでしょう。

ちなみに向かい飛車じゃなく、中飛車にしても有力です。

これらの定跡が収録されております。

相振り飛車定跡が相中飛車・左穴熊関係に特化していますが、それは続編の↑の本で補完されています。

省エネモードで読む場合は、角交換型・相中飛車・左穴熊の3章を読むだけでかなり戦えるようになります。今はこれに、角道クローズの左美濃戦法が台頭してきていますが、こちらはまた別の本で補完する必要があります。

ただ、ここまで学べば先手中飛車の基本はほぼ網羅しています。

勝ちやすい形を学んで、アマらしい実戦的な指し方を勉強するのに最適の一冊。

これは私の一押し中飛車本です。