【将棋】将棋ラブコメを書いてよかったこと

将棋ラブコメを書いてよかったこと
小説家になろうのほうに将棋ラブコメを投稿しているDと申します。

おれの義妹がこんなに強いわけがない ~妹とはじめる将棋生活~


ついに拙作のほうが20万PV達成しましたので、今回は記念エッセイとなります。
お題は、将棋ラブコメを書いてよかったこと。

笑い袋のイラスト

① 将棋が強くなった
なんと将棋が強くなりました(笑)
書いている途中にアマ二段からアマ三段に昇段しております。
これにはいくつか理由があって、自分の対局を題材に小説を書くことが多くなったので、一局一局を大事にできるようになったこと。
また、勝っても負けても、取材を兼ねてかなり詳細に反省会をおこなうことで、手を深く読めることができるようになったことが影響しているはずです。
また、局面の参考のためにプロの棋譜をたくさん並べたので、かなりいい勉強になりました。
棋力の伸び悩みに苦しんでいるあなた。もしかすると、将棋小説を書くといい影響がでるかもしれませんよ。

② 将棋仲間が増えた
これも大きいです。
ああ、将棋ラブコメのひとねと認知されたことで、twitter上での将棋仲間との交流が増えましたw
リアル大会で活躍するアマ高段者の方々、詰将棋作家さん、観る将棋ファンさんなどなど。
いままでひとりでさびしくネット将棋をすることが中心だったので、かなりバラ色の将棋ライフになりました。
たまに、将棋のニュースサイトにも取り上げられたりと結構充実した将棋ライフとなっています。
おかげでモチベーションアップです。

③ テンプレから離れて趣味に特化しても、意外となろうは受け入れてくれることが分かった
これは、創作側の利点ですね。
なろうってテンプレ作品以外なかなか受け入れ口が少ないイメージだったので、これは大きな収穫です。
まあ、大ヒットとまではいえないPVですが、転生も魔法もない、ファンタジー要素0の将棋というマイナーな分野を直球で取り扱っている作品なので、作者本人は結構満足しております。
案外、テンプレから離れて自分の趣味に特化しても、なろうのすそ野は広いです。

以上、これが将棋ラブコメを書いてよかったことです。
今回言いたいことは簡単です。
自分の趣味を突き詰めて、創作に生かすことはかなり重要だと私は思います。
書籍化など大きな成果はだせていませんが、自分が満足できる結果を得ることはできるようになると思います。
そうすれば、創作以外の場所でも、付随的にいいことができてくる。
そうすれば楽しい趣味の世界が人生を豊かにしてくれるのではないでしょうか?

将棋ラブコメは、もうすぐ完結編の全国大会編となります。
そちらもよろしくお願い致しますm(__)m

【映画感想・ネタバレ有】かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

0.はじめに

昨日、「かぐや様は告らせたい~天才たちの頭脳戦~」の映画を観てきました。

もともと、アニメにドハマりして、マンガ・外伝を全巻購入しているので、実写版も観るしかないと思い、映画館へ。

いつものように、キャラメルポップコーンとコーラを売店で買っていざ、スクリーンへ。

さあ、賛否両論になりやすいマンガ原作の実写化。どう、転ぶか。

ちょっと緊張しながら、映画が始まりました。

以下、ネタバレ有の感想になります。ご注意ください。

1.総評

うん、普通におもしろかったです。

かぐや様ファンだからこそ、細かい部分に注文はでてきますが、一個のラブコメ映画として普通におもしろかったです。

まず、役者さんたちが、いい感じで原作のキャラをつかんでいたと思います。

特に、かぐや様役の 橋本環奈 さんと藤原書記役の 浅川梨奈 さんがとてもよかった。ふたりの魅力で、最後までひっぱることができた映画だと思います。

あと、小ネタとして、アニメ版の かぐや 様役の声優さん「古賀葵」さんが、映画館スタッフとして、登場したのは笑いましたw

こういうサプライズは嬉しいです。

藤原書記役は、かなりアニメに寄せてきましたね。

イイ感じにぶっとんでいました。

橋本環奈さんは、やはりラブコメ女優として場数を踏んでいるせいか、安定感がありました。

たぶん、主人公役として、彼女以外は難しかったんじゃないかなというのが私の感想です。

2.ストーリー

原作8割、オリジナル2割くらいの印象でした。

原作人気エピソードの花火大会編は、特に良かったですね。

破壊力がありました。

夏休みまでを原作通り描いて、二学期の生徒会選挙をオリジナル脚本にしてきました。

まさかのかぐや様出馬。会長との一騎打ちの壮絶な選挙戦(笑)

(笑)としたのは、恋愛脳全開の内容になっていたからですw

柏木さんが、原作以上にアグレッシブになっていて笑いました。

そして、ふたりは幸せな……

恋愛頭脳戦を繰り広げて終了。

かぐや様を映画で知った人には十分楽しい映画だったと思います。

3.ファンだからこそ思う注文点

さて、以上のように十分楽しめた映画だったんですが、やはり原作の過激ファン(笑)である自分としては、いくつか残念な点がありました。

① 演出がチープで、作品が原作よりも下品になってしまった印象がある。

② ナレーターの佐藤二朗さんのアクが強い。おもしろいんだけど、かぐや様という作品の雰囲気には浮いてしまう気がする。

これは自分が原作原理主義者だから思う難癖のようなものです。

たぶん、映画製作陣と私の立ち位置が違うから発生するんでしょうね。

「原作の延長線上に映画を位置づける」私と「一本の映画として独立して完成させなくてはいけない」製作陣の解釈違いですね。

一本の映画としておもしろい作品なので、かぐや様をしらないひとに特におすすめです。映画が面白かったら原作もどうぞ。

絶対にはまります(笑)

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【自作小説】ずるやすみ/魔法の針/フリーダム

ずるやすみ

【本文】
 ぼくが気が小さい。

 仕事でもいつも怒られてばかりだ。もう本当につらい。やすみたい。仕事なんてもういやだ。

 でも、自分から有給休暇の届け出をする勇気もない。ぼくは本当に駄目だ。

 自分でいえないなら、他のひとにいってもらえばよいじゃないか。ぼくは安易な思い付きをした。

 同僚から「休め」といってもらうにはどうすればよいか、ぼくは真剣に考えた。そして、たどり着いてしまったのだ。あの、悪魔の方法に。

 決行の朝がきた。曇った朝だった。

 コンビニで、トマトジュースを買う。あの、ドロドロする赤い液体を。それをいっき飲みし、職場へとむかう。のどにまだトマトの感覚がある。これは成功だ。

 そして、席についたぼくは、咳をする。大げさに咳をする。そして、ティッシュで口をぬぐう。

 完璧だった。そこには、ピンクの液体がついていた。もうこれは、よくテレビで見るあれにしか見えない。

 みんなが咳をしているぼくを見つめている。よしここまでは計画通り。

 ぼくはハンカチで口をおさえながら、トイレへとむかった。少しよろけながら。

 そこで、時間を潰す。もう、みんなピンクのティッシュに気がついたころだろう。

 ぼくは計画の成功を確信した。これでだれかが「休め」といってくれる。

 遠くではサイレンの音が鳴り響いていた。


魔法の針(SF)

【本文】
 少し不思議な話をしよう。

 これは20年前の話だ。

 仕事終わりの居酒屋で、ひとり、焼き鳥をつまみにビールを飲んでいると、ひとりの爺さんから話しかけられた。

 「お隣、いいですかな」

 「どうぞ、どうぞ」

 「おや、お兄さん、顔色が悪いね。どこか悪いの」

 「最近、腰が痛くて。座りっぱなしな仕事のせいですかね」

 「おやおや、それはいかんな。なら、いいものをやろう」

 老人はおれに数本の針が入ったケースをくれた。

 「これは不思議なまほうの針でな。具合が悪いところに刺すと効果があるんですわ」

 「本当ですか~。酔っぱらって、適当なこといってるんでしょ」

 「ホホホホ、まあ使ってみなさい」

 「なら、酔っぱらった勢いで使ってみます」半信半疑だったが、もらえるものはもらっておこうという小市民な考えが浮かんだ。

 その後、仕事の愚痴などを老人と話したと思うが、よくおぼえていない。

 気がついたら、家の布団のなかだった。

 朝から腰が痛いし、動くのもだるかった。

 医者から痛み止めはもらっているが、あまり効果がなかったのだ。

 どうやら、スーツのまま寝てしまったようだ。

 寝返りをうつとポケットに違和感があった。

 あの老人からもらった、針ケースだ。

 もうこの際ヤケだ。使ってみようと、針を取りだした。

 おそるおそる針を腰に近づける。

 ぷすっという感覚が、もうまじかに迫っていると思った瞬間、不思議なことがおきた。

 もっていた針がなくなってしまったのだ。

 体に入ってしまったのかと焦ったが、痛みもない。

 本当にきえてしまったらしい。

 さらに、不思議なことに、あの鈍痛もどこかにいってしまったのだ。

 体が軽い。あの老人のいっていたことは本当だったのだ。

 残された針はあと3本。これを大事に使おうとわたしは決心した。

 それから、半年がたった。腰はとても好調だった。あれ以来、痛みはまるでない。

 針も順調に消費してしまった。

 母が転んで骨折してしまったときに1本。こどもが高熱を出したときに1本。

 ふたりとも、すぐに元気になった。これはすばらしい針だった。

 そして、最後の針を使うときがきたのだ。

 その日、仲が良い上司と飲みにいった。上司はかなり悩んでいた。

 普段、弱音をはかない上司が珍しい。

 なかなか、理由を話してくれないので、酒を飲ませたらやっと教えてくれた。

 「実は、妻が胃の病気でな。もう長くないらしいんだ。弱っていく姿を見るのがつらくてな」

 おどろいた。たまに遊びにいくと、いつも美味しい料理を作ってくれるあの奥さんが。

 「課長、実は自分は病気を治せるまほうの針をもってるんです。信じられないかもしれませんが、試してみませんか?」

 課長は最初、信用していなかったが、おれの必死な頼み込みで「わかった」といってくれた。

 休日、おれは課長と奥さんの病室へ向かった。

 奥さんは寝ていた。とてもやつれていた。

 「では、やってみてくれ」

 「はい」

 おれは、いつものように針を腹に刺そうとし、針はきえていった。

 「これでたぶん大丈夫です」

 「そうだといいんだが」課長は祈るようにつぶやいた。

 翌日、奇跡はおきた。

 おれは課長からの電話でたたき起こされたのだ。

 興奮気味に課長はおれにいった。

 「妻の病気が治ったそうだ。検査をしても、なにもみつからないんだ。1週間後には退院できるらしい。きみのおかげだ。なんといったらいいか」

 おれも課長と一緒に泣いた。「本当によかった」とふたりで繰り返した。

 だが、幸せも長くは続かなかった。

 3か月後、奥さんは交通事故にあって亡くなってしまったのだ。

 告別式の日、おれは課長とは話した。

 「きみがせっかく病気を治してくれたのこんな結果になってしまってすまなかったね」

 「そんなあやまることなんかじゃ」

 「でも、本当にありがとう。きみがくれた3か月はわたしたち夫婦の中でとても忘れられないものになったよ。ふたりでいきたかった温泉旅行にいったり、年甲斐もなく映画デートをしたり。本当に幸せだった。あのまま妻がベットで寝たきりだったら、一生後悔するところだった。本当にありがとう」

 おれはいたたまれなくなって、いつもの居酒屋に逃げた。

 グデグデになった状態で、あの老人にまた会ったのだ。

 「おやおや、今日は荒れているね。なにかあったのかい」

 おれは今までおきたことを、老人に話した。口調は荒かったと思う。

 「それは悪いことをしたな」彼はいった。

 「おそらく、奥さんはその日に亡くなる運命だったのだ」

 「運命?」

 「そう、運命じゃ。あの針は病気は治せても、ひとの運命まではかえることができないんじゃ。病気にその日死ぬ運命が、交通事故に置き換わってしまったんだ」

 「じゃあ、おれがやったことは無駄だったのか。課長に残酷な希望をもたせてしまったんじゃないのか」

 「なんともいえんが、それは違うと思うぞ。ベットで薬漬けで死ぬという運命を変えることができたのだからな。奥さんも幸せだったはずじゃ」

 その日は老人と朝まで飲み明かした。それ以来、その爺さんとは会えていない。

フリーダム

わたしは今、自由である。すべてのしがらみから解放された。

 「意地っ張り」

 これはわたしのためにあったような言葉だ。

 なにをするにしても、他人よりも上を目指していた。

 つねに自分と他人を比べて生きてきた。

 友達が中古車を買ったと聞いたら、自分は新車を買う。

 同期よりも収入は高くなりたかったし、出世もしたかった。

 少しでも馬鹿にされたら、根に持つし激怒していた。

 つまらない男だ。でも、それがわたしだった。

 そんな生活は簡単に崩壊した。

 ある日、突然、リストラされたのだ。もしかすると、前兆はあったのかもしれない。でも、他人のことばかり気にしすぎて、大事なことに気がつかなかったのだ。

 妻子は当然のように出ていった。

 あたりまえのことだ。家族なんて顧みないで仕事をしていたのだから。

 そんな男が仕事を失ってかえってきた。滑稽だ。あまりにも滑稽だ。

 自分でも笑えてくる。

 安アパートに引っ越し、アルバイトで養育費と生活費を稼ぐ日々が続く。

 でも、自分は幸せだった。これは見栄でもなんでもない。

 むしろ、見栄という重石がなくなったことへの解放感が自分を包んでいる。

 「これが本当の自分だ」と世界に向けて叫びたかった。

 仕事終わりに一言青空につぶやく。

 「今日も幸せだった」と。

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