いよいよはじまる名人戦を考察する記事※名人戦は延期になりました。

はじめに

この考察記事を書いて、よしアップするぞと意気込んでいたら、残念なお知らせが飛び込んできました。↓

しかし、残念ながら記事は書き終わっていたので、お蔵入りせずに投稿します←

いよいよ、名人戦が始まりますね。
コロナショックの中、関係各位様の尽力には頭が下がります。

緊急事態宣言が発令されるかもしれないので、今後の見通しはどうなるか不安ですが、ファンとしては全力で盛り上げたいので、今回は考察記事を書きました。

対戦カード

豊島竜王・名人

vs

渡辺三冠

考察

ついに、渡辺明三冠が念願の名人初挑戦です。名人戦との相性があまり良くないと言われて、ファンの予想では毎回、挑戦者候補筆頭に挙げられながら、惜しくも挑戦を逃し続けていました。B1陥落もありながら、ついに挑戦となりましたね。

対して、豊島名人は、「無冠の帝王」などと言われながら、レーティングでは好成績をおさめつつも、あと一歩のところでタイトルを逃し続けました。

しかし、ついに大ブレーク。
ここ数年のタイトル獲得量はまさに破竹の勢い。
タイトル挑戦には圧倒的な勝率を誇っています。しかし、防衛にはやや不安があり、失陥が続いているのが気になるところ。

タイトル数・勝率を考えると、まさに頂上決戦の名人戦です。ここで勝利したほうが、まさに時代の顔になる天下分け目の戦いになるはずです。

直近の豊島vs渡辺戦の棋譜を確認しました。

角換わり 5(内腰掛け銀4)
雁木   2
相がかり 2(力戦含む)
矢倉   1

こんな内訳になりました。お互いに熱心な研究家と知られており、やはり角換わり腰掛け銀が中心となっています。

渡辺三冠の得意戦法は、結構変遷がありますが

横歩取り△8五飛車(竜王初戴冠前後)
矢倉(00年代後期)
角換わり(00年代後期~現在まで)

大まかに分けるとこんな感じでしょうか。

対して、豊島名人は、オールラウンダーとして有名です。

ソフト発達以前は、たまに振り飛車(相振りも含む)も指していましたが、現在のソフト全盛期は、ほぼ完全に居飛車にシフトしています。

特に、角換わりの研究量はすさまじく、研究範囲で魅せるノータイム指しはファンも驚愕するほどですよね。

ということで、今回は無難に「角換わり」シリーズになると予想します。

ただ、最近の矢倉の復権もあり、ふたりの直近の採用戦法でも矢倉が高いウェイトを占めています。

これを角換わりの研究の温存のためと考えるか、角換わり腰掛け銀の限界ととらえるかで評価は分かれますが、私は温存説をとりたいと思います。

角換わりがメインとなりつつ、ピンポイントで矢倉が採用される展開になると予想中。

さあ、どうなるか。

非常に楽しみなタイトル戦です。