【創作論】創作者が、小説投稿サイトを楽しむうえで大事なこと・長編完結を目指すうえで必要なこと

「小説家になろう」「カクヨム」で小説を投稿したいと思っている方向けの記事です。


「小説家になろう」「カクヨム」で投稿している私が、思う大事なことを書いていきます。
どうやって投稿を楽しむか
長編小説を完結させるために必要なこと

1.人と比べ過ぎない(楽しむ)


これが長く続けるコツです。投稿サイトには、アニメなどメディアミックスの成功例・書籍化作家さんがゴロゴロいるわけですが、いきなりそのレベルにたどり着けるひとなんて、一部の天才だけです。そんな天才たちと比べて、ポイントやPVが伸びない自分に焦ってはいけません。普通の人がその次元に達するには、継続して努力しなくてはいけません。
私の好きな将棋の大名人「羽生善治」は、「才能とは継続できる力」と言っています。続けていけば自ずと能力は伸びていきます。
なので、マイペースに卑下することなく、書き続けましょう。
比べるにしても、ほかの人の小説を読んだりして、こんな小説を書きたいといい影響を受けるようにしましょう。他人と比べてネガティブになるのではなく、ポジティブにモチベをあげるようにしていくべきだと思います。
くれぐれも不正にはしってポイントを底上げしたり、ブックマークの数に一喜一憂しすぎる暗黒面に落ちないようにしましょう。いろんな意味で、作家生命を狭める原因(炎上・書籍化しても打ち切りなど)になります。

2.交流を楽しむ


これも長く続けるコツ。
せっかくの投稿サイトです。ほかの人の作品もたくさん読みましょう。
新着やランキングでおもしろそうな作品を読んでいく。そして、おもしろかったら感想やレビューを書く。誤字を見つけたら、誤字報告をしてあげる。
たまに活動報告やtwitterにお邪魔する。
これをするだけで、ほかの方々との交流は生まれていきます。
そうすれば世界は広がって、自分の作品もおもしろくなる。自分を変えるためには、外部からの影響を受けるのが一番早いです。
現状の自分だけの世界で、創作しても先細りしてジリ貧になります。
どんどん自分を変えていき、おもしろい作品を書いていきましょう。

3.長編を完結させるために必要なこと


それは、強い精神力です。
長編小説は、フルマラソンに似ていて、完結させることはかなりの精神力が必要です。
投稿サイトには、完結できずに更新がとまる(俗にいう、「エタる」状況)の作品のほうが多いです。
まずは基礎体力をつけましょう。
短編をたくさん書くと、物語の完結までの道のりをイメージしやすくなります。そうすることで基礎体力が身につきます。
エタることが少なくなれば、それだけユーザーからの信頼を勝ち取れます。
完結できる人のほうが少ないので、長編を完結させることができるだけで、希少価値が生まれるのです。
自分の作品は、結構ニッチなテーマが多いんですが、それでもほとんどの長編作品でPVが数万~数十万くらい取れているのは、そう言った信頼関係が読者さんと作れているのが多きいのだと思います。
長編完結率98%が、私の唯一の売りですw

4.厳しい感想をもらっても引きずりすぎない


これも難しい問題です。
たまに、かなり手厳しい意見をもらうことがあります。
私も結構ありますw
こういう時は、あまり気にしすぎることが無いようにしましょう。
動揺すると継続更新に影響します(;’∀’)
わざわざ感想をくれるかたです。粗末にしてもいけません。
「アドバイスありがとうございます」とお礼を言って、直すべきところは直していきましょう。

くれぐれもSNSや活動報告などで、さらすようなことはやめましょう。
他のアドバイスしてくれるひとが委縮して離れていったり、炎上して作家生命を縮めることになりかねません。
モチベーションに重篤な影響があるときは、もう一度自作を読み直してみましょう。たぶん、おもしろいと思えるはず。
そして、自己肯定感を高めたら、もらった嬉しい感想やレビューを読み直しましょう。
これで私の経験上、精神的なダメージは癒えますw

将棋ラブコメ後の新作を考える

ということで今日は創作論です。

小説家になろうに投稿している『 おれの義妹がこんなに強いわけがない ~妹とはじめる将棋生活~ 』ですが、ついに20万PVを超えました。

将棋ラブコメという異世界ものの拠点であるなろうではマイナー分野で勝負しているので、こういう結果を残せたのは読者のみなさんのおかげです。本当にありがとうございますm(__)m

ということで、本作もいよいよ最終章間近。

単行本で言うところ5・6冊の分量で終えたいと思っているので、もうすぐ完結です。

いくつか次回作の構想を練っているので、そのメモ記事になります(笑)

読みたい作品があったら是非ともtwitterなどでコメントいただけると嬉しいです。

①将棋転生もの

こちらは、将棋ラブコメの延長線上ですね。

新人王戦で優勝経験まである奨励会三段【プロ一歩手前】が、年齢制限でプロになれなくて、失意のうちに、転生トラックに引かれてしまう。

目がさめた時に、彼は江戸時代に転生していた。

天才少年として二度目の人生も将棋にかける主人公は、やがて江戸時代最強の棋士として覚醒していく。

自分は古い将棋が好きなので、より自分の好みに全振りしてしまう作品です(笑)

江戸時代の棋譜を集めている人は少ないので、かなり自分のカラーが出せそうw

80%プロット完成中。

②三角関係ドロドロもの

主人公と幼馴染の双子ヒロインが織りなす愛憎もの。

前になろうに投稿した短編『病室の天使』の本編です(笑)

ドロドロして救いのない、胃が痛くなる作品を目指す。

あえて「ざまあ」要素も排除して、ひたすら読者を絶望の淵へと追いやる誰得作品。

ちょっと対象年齢層が高めになりやすい。

プロットほぼ完成。

冴えない彼女の育てかたの二次創作のために、「white album2」をプレイしていて浮かんだアイディアですw

あの作品のおかげでドロドロ三角関係を書きたくなりましたw

③冴えカノ二次創作

これはいまカクヨムに投稿している『冴えない彼女たちの育ちかた』とは別作品にする予定です。

あっちはイチャイチャものに対して、こっちは②と同じでドロドロもの。

原作終了後の倫也・恵・エリリの三角関係を描く。

②のアイディアから派生したもので、まだプロットも作れていない(;’∀’)

原作完結後に、あえて問題を掘り返すのは自分的にどうかと思ったりで、一番可能性が低いかも(;’∀’)

まとめ

現状は、この3点です。

あとはイチャイチャものも書きたいので、いいアイデアないかを検討中。

ちゃんとしたオリジナルのイチャイチャものは「あざとい後輩」以来書いていないので、書きたいんですよね。

もう少し精進しますw

あなたはどのタイプ? 小説創作スタイル論

ということで久しぶりに創作論を書いていきたいと思います。
今回は小説のスタイルについて。
小説を書くために何を重視するか。それを重視するとどんな小説になるかを考えていきたいと思います。

①文章を重視する


描写や文章を重視するスタイルですね。純文学が好きな人に多いタイプです。
暗喩や体言止め、韻などリズムを重視して、芸術的な小説になりやすいです。
一般受けよりも玄人向けになりやすいスタイルですね。
全体的に硬派な世界観になりやすく、自分の人生観や価値観が強く影響する小説を書く人が多いと思います。私の小説とは真逆にある小説です←
内省的な人が多いスタイルです。
芸術肌のひとが好みますね。

②ストーリーを重視する


私はこれです。
物語の全体像を最初に作って、エンディングから逆算して流れを作るスタイルです。
理路騒然とした安定感がある小説が書きやすいです。一方、優等生っぽくなりやすくて、良くも悪くも暴走が少ない。途中で中断して絶筆することが一番少ないのがこのスタイルです。最初に全体の流れが作るので、おもしろくなるかは前準備が重要となります。どちらかというと努力型に多いスタイル。
安定感がある一方、ドキドキ感が少なくなりやすいですね(自省)
ラブコメや恋愛もの、ヒューマンドラマを好む作家さんが多いイメージ。

③設定を重視する


こちらはぎちぎちに設定を重視するスタイルです。
SFや異世界系の作家さんに多く見られますね。
詳細な別世界を自分の中に作りこんで、その世界で登場人物を動かしていきます。
②と似ているようで、ちょっと違う。
まるっきり別の世界を創るので、②以上に事前の準備と、設定をつなぎ合わせる技術が必要になります。
理系のひとが多いイメージ。
スケールが大きい話を書きやすい一方で、序盤に設定の話が多くなりやすくて、読者さんが置いていかれしまいやすくバランスをとることがかなり難しいです。
かなりの技術と専門知識が必要となる職人肌の人が好むスタイルです。

④キャラクターを重視する


これもわかりやすい。
かわいいキャラや面白いキャラを作ってあとは自由に動いてもらう。
事前準備よりも即興的な技術が重要になってくるスタイルです。
調子がいいときは、どんどん話が進み、悪くなると簡単に更新が止まってしまう。
天才肌のひとに多いイメージです。
完結をあまり重要視せずに、プロセスのおもしろさを重視するスタイルともいえます。
魅力的なキャラが多く、ファンも付きやすい。
上を狙うのであれば、このスタイルが最もやりやすい。しかし、天才肌のため、作者が失踪してしまうことも多いです。なんとなく、この分類でいちばんマンガ家に近いイメージです。

まとめ

以上、私が簡単に4分類してみました。

創作を始めたい人は、どのスタイルでいくか考えてみると面白いかもしれません。

その他の小説関係の記事はこちら

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冴えカノSS解説

はじめに

 カクヨムに『冴えない彼女の育てかた』の二次創作SS『冴えない彼女の育ちかた』を連載しているので、そちらの解説になります。もうすぐ映画公開なので、勝手にどんどん盛り上がっていきます(笑)

 今回は、完全に自己満足なので、飛ばして読んでもらって大丈夫です。いろいろ書いていますが、完全に痛い妄想です笑。そう思って読んでください。以前、カクヨムにも同じ内容のものを投稿しています。

1.本作品のコンセプトについて

 簡単に、コンセプトについてですが、「原作やアニメでえがかれていなかった幕間を作者の妄想で書いてみよう」というものを設定しました。二次創作としては、なにをあたりまえのことをと言われてしまいそうですが、これが初の二次創作なので、そこを強く意識しています。

2.ヒロインたちの考察

 まず、これを書くのにあたって、原作『冴えない彼女の育てかた』のメインヒロイン加藤恵について、考えてみました。

 わたしが、一番最初に疑問に思うのは、加藤はいつどこの段階で倫也のことを好きになったのかについてでした。作中では、感情の増減の幅については語られていましたが、明確なタイミングについては語られていないのではないかと思います。

 なので、私としては「加藤の帽子が風に飛ばされて、アルバイト中の倫也がそれを拾いに行った瞬間」をそのタイミングに設定しております。

 つまり、原作の最初から、すでに加藤は無意識かもしれないが、倫也に対して一定の好意が存在しているのではないかという考えです。

 これについて、想定した根拠というのは、原作1巻で加藤が家族そろっての旅行を途中ですっぽかしたことをあげています。正直、これって倫也に対するかなりの好意を示す指標じゃないのかなと私は推論しているのです。

 そんな、痛い妄想をしていたら、できたのがこの二次創作の「第1話 約束の坂で【原作1巻 霞ヶ丘視点】」というわけです。これは、霞ヶ丘先輩の視点を借りて、作者の考えを書いているのです。

 原作第一部(原作7巻、アニメ2期最終話まで)について思うのは、加藤は結局のところメインヒロインに成りきれていなかったのではないかという妄想でした。

 1~6巻まで、ずっとメインヒロインポジションにいながら、最終的にエリリとの選択肢において選ばれなかった。メインヒロインになりきれなかった。だからこそ、彼女をちゃんとしたメインヒロインにするために必要だったのが、原作の第二部になるんじゃないのかと思うのです。

 そして、第二部につながるフラグとしては、エリリの自主的な退場が大きいんだと思います。

 エリリは、「退場した」とは思っていないと思いますが、やはり、倫也と才能のどちらを選ぶのかという段階で、彼女は後者を選んでしまったのが大きい。それは、作中作の「恋するメトロノーム」の最終段階の選択肢とも重なるところがあります。

 原作世界線上において、メインヒロインになりえたのは、加藤かエリリのどちらかだろうなと私は勝手に妄想しております。下記のような関係ですね。

加藤≧エリリ>詩羽>出海=美智留

 上記のエリリと詩羽の間には、たぶん大きな壁がある。

 エリリは、下手すれば加藤すら飲みこめる存在だけど、詩羽先輩がそうなるのはかなり難しいんじゃないか。

 でも、番外編として詩羽先輩がメインヒロインの『恋するメトロノーム』があるじゃないかというひともいるでしょう。

 あの作品は、倫也がゲームを作らない世界線ですよね。つまり、加藤との運命的な出会いは存在せず、それに触発されたゲーム作りもおこなわれていない。そうなるとどうなるか? エリリとの和解もおこなわれていなくて、喧嘩が進行中になっているということ。上記の関係から、上位ふたりが消えることで、詩羽が最上位になった世界線ということです。

 そう考えると、本当に詩羽先輩って不憫なポジションだなと思います。だからこそ、最終巻直前にすごく魅力的なキャラクターになっている。この二次創作でも、その考えが反映されております。

【創作論】掌編で学ぶ物語の終わらせ方

さて、久しぶりの掌編論です!
前回の創作論で、掌編やショートショートでは物語の構成を短期間で学べるので、経験値が高く美味しいという話をしました。

さて、そうは言ってもどう終わらせればいいのかわからない。
物語のたたみ方って難しいですよね。

なので、自作掌編を紹介解説しつつ、物語の終盤のパターンを3つほど紹介していこうと思います。



1.例1(オチをつける)

「侵略宇宙人」

【本文】
「相変わらず、勉強熱心ですね」
 部下のAは、私に言った。

 我々は、マリウス星人。
 移民先の惑星を求める者たちだ。

 故郷を失った我々は、宇宙に散り散りとなり、新しい故郷を探している。
 そして、我々はたどり着いたのだ。

 新しい故郷となるべき惑星に……。

「課長は、ずっとあの惑星のデータを見ていますからね」
 私は笑って答える。

「あの惑星、原住民は《地球》と呼んでいるが、あれは我々の希望なのだ。今回の作戦は、絶対に失敗できないのだ」

「それで、どうやって、あの惑星を奪うのですか? やはり、武力制圧ですか?」
 Aは、若者らしく威勢がいいい。

「あの惑星の原住民をなめないほうがいい。確かに、 宇宙関連の技術はまだ、発展途上だが、軍事技術に関しては優れたものがある。レーダーを無効化する飛行機、恐ろしい威力を持つ核兵器、ネットワークシステムを混乱させる技術。すべてが、宇宙規模でみても、一級品だ。武力衝突したら、われらも大きな損害を出してしまうだろう」

「では、どうやって、あの星を……」
 私はニヤリと笑う。

「わからないのか?」
「はい」

寝て待てばいいんだよ。そうすれば、やつらは自慢の軍事力で勝手に自滅してくれるよ。じゃあ、俺は二百年くらい昼寝してくるから……

2.例1解説

これは王道ですね。
物語にオチをつける。

「侵略宇宙人」は、太字部分のように人間の現状を皮肉るオチを用意しました。
分かりやすく言えば、「どんでん返し」のようなものを用意すればいいのです。

侵略宇宙人は、武力や謀略をつかって地球を攻撃すると普通の人は考える。
それを逆手にとって、人間の歴史の皮肉をぶつけて、静観すればいいという結末を用意してみました。

こうすれば、物語にオチがついて綺麗に幕を閉じることができます!

3.例2(終わらせない)

「不幸な男」

【本文】
おれは、不幸だ。
世界一不幸だ。
今日も本当についてなかった。

朝は7時におきた。おきたくなかった。本当はずっと寝ていたかったのにだ。
でも、おきてしまった。
太陽がカンカンとまぶしい。こんなんでは二度寝もできない。なんと不幸だろう。

朝食は目玉焼きとトーストとサラダ。
半熟たまごとベーコンのうまみ。
バターがとろけたトースト。
さっぱりした生野菜にクリーミーなドレッシング。

だが、おれは和食が食べたかったのだ。味噌汁と魚の気分だった。
こんなことを妻に言ったら確実にけんかになる。
「うん、うまい」
 こんなつまらないウソをつかなければいけない自分が悲しい。

でも、おいしかった。
会社に向かうために満員電車にのる。息苦しい。
こんなのって絶対におかしい。
痴漢に間違われたら一発で人生という名のゲームが終わってしまう。
人権侵害もいいところである。

 なんて日だ。
10時のコーヒータイムしか楽しみがない。
こうなったら隠しているチョコレートも食べてやる。

昼休みになった。
延々と続くつまらない事務仕事もいったん休憩。
今日の昼飯は妻が作ってくれた弁当。
魚の照り焼きとたまご焼き。袋の中にカップみそ汁も入っていた。
これが朝食だったらよかったのに。肉厚の魚をむさぼりながらそう考えた。

昼休み明け大きなトラブルが発生した。
取引先に発注した商品がまだ届かないのだ。
昨日の午前中までが期限だったのに。

「おまえのチェックが甘いからだ」
 と部長は大目玉。どうも新人が間違えたらしい。あのバカ佐藤め。

得意先に出向き、無理いって、手配してくれることになった。
こんな外出はいやだ。あとで佐藤に嫌味をいってやる。でも、無事に終わってよかった。

そんなトラブルのせいで定時を一時間過ぎての帰宅。コンビニでビールとつまみを買って帰る。
日は完全に暮れていた。まっくらな空にむかってため息とともにこうつぶやく。

「ああ、今日も不幸だったな」と。

4.例2解説

これもよくありますね。
あえて、終わらせない。
ちょっと、ずるい手法です。

例2の「不幸な男」ですが、この物語はまだ続きを書くことができます。
でも、あえてここで終わらせる。

よく週刊マンガ雑誌の、「俺たちの戦いはこれからだ」という打ち切りの仕方を思い浮かべてみればわかりやすいです。
あれと違うのは、編集さんではなくて、作家自身がそのタイミングを指定できること。

余韻が一番残る場所で、大胆に終わらせてしまう。
そうすれば、綺麗に物語を〆ることができます。

5.例3(感情を爆発させる)

「バイバイ」

【本文】
「バイバイ」
 彼女が最後に発した言葉はこれだった。
 もう夢のなかでしか会えないあのひと。

 最後のくちびるの味はもうおぼえていない。
 お互いに若かった。どうして、あんなことになってしまったのか。わからない。

 たぶん、彼女もそう思っているはずだ。
 もう日曜日の夕方。

 窓から見える風景もどんどん暗くなる。
 夕飯の買い物にいかなければいけない。

 ぼくは外に出た。
 歩いていると、彼女と似た背格好のひとを目で追ってしまう。

 こんなところにいるわけがないとわかっているのに。
「大好きだったよ」
 突然、彼女にそんな風に言われた気がした。

 涙があふれそうになる。暗くなっていく街にむかって、叫びたかった。
 のどが痛くなるほど叫びたかった。

「  」

 街灯が自分をあたたかく包んでくれていた。

6.例3解説

例1・2でも物語が終わらないのなら、ある意味最終手段です。
主人公の感情を爆発させる。

そして、その後に風景描写や手を差し伸べてくれる人を登場させて終わらせる。
やり方としては、2に近いです。

でも、2と決定的に違うのは、感情を爆発させてしまうことで、自分から余韻を作れるということ。
2は自然の流れを重視している一方、こちらは自分から流れを作っているのです。

だから、書き手は自分の好きなタイミングを自分から作れる。
ちょっと、強引すぎるかもしれませんが、これもよく使います。

7.総括

以上、私がよく使う3つの終わらせ方を書きました!
「未完の名作よりも、完成した駄作」という言葉もあります。

とりあえず、終わらせてみるというのは、書き手の読者に対する責任のようなものだと私は思います。
よかったら、ご参照ください。

←前

 

【創作論】掌編創作の魅力を語る

ということで、今回は掌編創作の魅力を語りたいと思います。
なぜ、掌編なのか?

それは、私が掌編大好きだからです(笑)
もともと、掌編が書きたくて、ネット小説を書き始めました。
そういうこともあって、1年間で100編程度の掌編を書いておりますw

(幸運なことにたまになろうのランキング入りできることも)

ただ、掌編はネット小説では、本流とは言えませんね。なろうのカテゴリランキングでも、10位内に数百文字はほとんどないですし……。

だから、微力ながら、ここで魅力を大いに語って掌編人口を少しでも増やせればと思っています。

ちなみに、掌編とは、原稿用紙数枚程度の小説(300文字~1000文字くらい)を想定しています。
それでは、掌編の魅力を語っていきます。



1.書く時間が短くて済む

やはり、一番の魅力はこれですね。
すぐに書ける!

例えば、10万字超えの長編(文庫本1冊程度)。
これを書くとなると、かなりの決心と時間が必要となります。
話の繋げ方、増え続ける登場人物、回収しなくてはいけない伏線、下がり続けるモチベーション。
それを何カ月も、何年も……。

長編小説は、マラソンです。
自分との戦いをひたすら続けていかなくてはいけない。

しかし、掌編はそうじゃない。
掌編は、短距離走です。

アイディアを一つ考えて、登場人物を何人か作れば形にはなります。
おもしろいかは別ですが……汗。

オチを考えて、そこに至るまでの過程を書けば完成します。
数時間から1週間程度で、一作ができあがるのです。

2.すぐに読んでもらえる

掌編はすぐに読める、敷居が低い。
文庫本1冊以上の量を読むとなると、かなり時間がかかります。

でも、原稿用紙数枚なら?

10分程度で読み終わるのでは、ないでしょうか?
その程度の時間なら、読者さんもすき間時間を使って、気軽に読むことができますね。
さらに、感想も書きやすい。

なろうのような大手サイトに、何作か投稿すれば、感想などのフィードバックをもらえる確率はかなり高いと思います。
そうすれば、作者さんもモチベーションがあがり、新しい掌編を作りたくなる。
最高のスパイラルを作りやすくなりますね!

3.経験値が高い

RPG好きですか?
私は、ドラクエが好きです(笑)

RPGで、レベル上げをするとき、経験値が高い敵を倒すのが手っ取り早い。
そして、創作においてのメタルスライムは、掌編なのです。

なぜ、掌編が高経験値なのか?

漫画の神さま、手塚治虫は、「マンガをうまく書きたいなら、短編をたくさん書きなさい」と言っていたそうです。
これは小説にも言えるとわたしは思っています。

掌編は、オチがほとんど決まってから書き始めるので、途中で投げ出すことは少ないです。
そして、内容は起承転結に沿って進行していく。

物語に流れを作って、完結させるということはかなり難しいです。
実際に、投稿サイトでは、長編が完結する確率はかなり低いです。
起承転結の「起承」部分くらいで、挫折していることが多いと思います。
物語を終わらせるのは、至難の技です。

しかし、掌編は違う。

すぐに書けるのだから。

物語を作るのに、一番必要な流れをすぐに経験することができる。
何度も掌編を書けば、長編の挫折率はかなり抑えることができるはずです!
私も長編小説5作書いて4作は完結させております(一作は……)

そして、飛躍的に自分の構想力を伸ばすことができる。
トレーニングとしても有効な方法だと思います。

4.まとめ

以上のように、掌編を書くことは創作にとっていいことだらけです。
初心者の人も、長編を書いて挫折したことがある人も是非とも書いていただきたいと思っています。
そして、みんなで掌編を盛り上げましょう。

最後に番宣ということで、自分の掌編を宣伝して終わります(笑)
3分間で読める物語

よかったら読んでください!

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【創作論】簡単に書ける! ゼロから始める小説・シナリオの書き方

・小説を書こうと思ったけど、何を書けばいいのかわからない。
・「小説家になろう」や「カクヨム」に投稿してみたいけど、なにをすればわからない。
・そもそも、小説を書こうと思ったけど、一行も書けない。

・宿題で小説やシナリオを書かなくていけないのに全然書けない。

そう悩む人も多いでしょう。わたしもそうでした……。

しかし、そんなわたしも一年半の試行錯誤のはてに無事に、小説家になろうでコンスタントにランキング入りできるくらいには成長することができました。

ということで、今回は小説を書きたいんだけど、どうすればいいのかわからないという人向けの、小説の書き方を考えていきます!

小説をまだ一度も書いたことがない人を対象に書いていきます。

 

 



1.難しく考えすぎない

はい、いきなり根性論です(笑)

でも、これが一番大事。

 

一番最初の作品で、超大作を作ってやる。

小説の歴史を変えてやる。

だれも見たことがない世界を創ってやる。

 

完全に死亡フラグです。

「この戦争が終わったら、結婚するんだ」並みのフラグです。

絶対に挫折しますw

それができる天才なら、そもそもこのサイトにはやってこないはずです。

 

野望は大事です。モチベーションにもつながります。

でも、まだ一作目です。

 

肩の力を抜きましょう。

 

「とりあえず、1000文字以下の超短編で、そこそこ面白ければいいな~」くらいのやる気が大事です。
そうすれば、一作目は完成します。

2.書きたい作品のコンセプトを決めよう!

 

さあ、気持ちもできたので、実際の書き方に入りましょう。

まず、なにをするか?

 

それはコンセプトを決めることです!

どういう作品を作ろうか?

ラストにどんでん返しするSF?

ワクワクする異世界の冒険?

切ない恋愛もの?

楽しいラブコメ?

緊迫したミステリー?

 

一概に小説と言っても、いろんなカテゴリーコンセプトがありますね。

まず、自分はどんなコンセプトで小説を書くのか。

それを決めましょう。

 

ピンと来ないひとは、好きなドラマや小説、アニメなどを思い浮かべてください。

あんな雰囲気の作品を作りたいな~と思うものがひとつはあるはずです。

 

パクってはいけませんが、方向性を決める際に自分の趣向を思い浮かべれば、道は開けます。

 

(例)

ラブコメアニメを見るのが好き→あの後輩キャラかわいかったな~→可愛い後輩とイチャイチャするラブコメを書こう(単純)

3.キャラクターを創ろう!

 

さて、コンセプトも決まったところで、次はキャラクターです。

さきほどの例から考えると、まず後輩キャラは確定です。

そして、ラブコメなので相手となる主人公。

 

これでふたりのキャラクターが登場することは確定しました。

さらに、ふたりの家族や友人と、連鎖的に必要なキャラクターが増えていきます。

 

しかし、ここで注意。

 

まだ初心者のうちに、たくさんのキャラクターを本編にだすのは大変です。

こんがらがって、なにがなんだかわからなくなりますw

だから、まだ最初のうちは、2~3人の登場人物で止めておくほうが無難だと思います。

 

そうしたほうが、より魅力的なキャラクター劇を作れるでしょう。

 

(例)

①後輩

高校1年生。

あざとくて、部活の先輩の主人公をいつもからかっている。

本当は主人公のことが好きで、好意に気がついて欲しいのだけれど、主人公は鈍感でいつも失敗する。

……

 

②主人公

高校2年生。

鈍感ラノベ主人公で、いつも後輩の好意をスルーしてしまう。

……

 

(例)のように、こんなイメージでキャラクターを創りましょう。

設定が多いほど、あとあと楽になります。

 

4.エンディングを考えよう!

エンディングを決めずに作品を作る方法もあります。

しかし、やはり最初のうちは決めてしまったほうがいいと思います。

その方が、途中で挫折することなく書くことができるはずです。

 

(例)

後輩が告白し、ふたりは幸せなキスをして結ばれる。

 

(例)で言えばこんな感じ。

やっぱり、ラブコメのラストはキスです。

5.コンセプトとキャラクターとエンディングを繋げよう!

 

さあ、ここまできたらもうすぐ完成ですよ。

完成したコンセプトとエンディングをつなげましょう。

 

(例)

コンセプト:可愛い後輩とイチャイチャするラブコメ

エンディング:後輩が告白し、ふたりは幸せなキスをして結ばれる。

主人公は、部活の後輩と仲が良い。

ふたりはいつも話している。

後輩がアプローチをかけようとするものの、いつもスルーされてばかり……。

後輩は勇気を出して、先輩をお祭りデートに誘う……。

(以下略)

紆余曲折のすえ、いくつものデートを体験し、自分の気持ちに気がつくふたり。

後輩が告白し、ふたりは幸せなキスをして結ばれる。

 

コンセプトとキャラが骨格になるので、それに少しずつ肉付けをしていくイメージですね。

 

そして、自分の考えた理想のラストへと突き進んでください。

6.実際に書いてみる。

 

5.で示した内容で、小説の容姿は完成しました。

あとは、体重(=文章量)を増やしていきます。

例の内容で言えば、どこにデートに行くのか?

どんな会話をするのか。

どこで、壁を殴りたくなるような展開にするのか(笑)

 

風景、描写、会話を増やしていくことで小説は完成します。

 

これで、あなたの第一作は完成です。

自分で読んだり、友だちに読んでもらったりして、感想をもらいましょう。

自信がついたら、レッツ投稿タイムです(笑)

 

ちなみに、(例)で示した内容は、わたしがなろうに投稿している『あざとい後輩』という短編のものです(最後に番宣していくスタイル)

 

よかったら読んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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