棋書1500文字レビュー『大橋貴洸の新研究 耀龍ひねり飛車』

目次

はじめに

ということで今日はひねり飛車の本のレビューをしていきます。

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普通の相掛かりではありえない5手目▲9六歩からはじまるオープニング!

ひねり飛車といえば平成初期前後には「先手番の必勝戦法」と言われて羽生の頭脳でもかなり詳しく取り扱われている戦法でした。

ただ明確な対策が生まれたせいで激減してしまったんですよね。

でもこの耀龍ひねり飛車は▲7八金をせずに組むので新しい定跡になっています。

この動きから縦歩取りとも呼ばれています!

この後の青丸のどの駒が動くかが分岐していきます。

この本のまとめは相当うまく練られていて、最初にそこから読んだ方がいいかもです。

頭が整理されて変化に望めますね。

第1章△3三金型

これは悪形だけど意外と飛車を抑え込める感じの将棋になります。

この変化は枝分かれが多いので級位者の方にとっては結構鬼門かもw

飛車がさばけるかどうかというのがポイントで攻めまくる振り飛車っぽくなります。攻め好きにおすすめの戦法ですね。

ただし、かなりスピード勝負の1手さになりやすいので有段者向けの将棋かなと思います。

理想形に組んでどう仕掛けるかを中心に読んでいくといいと思いますね。

理想形のひとつ。

第2章△8四飛型

これは1章と違って筋がいい感じの受け方。ただし、激しい空中戦になりやすいです。

大駒総交換を狙いに行くのが戦略ですからね。

これが理想形。

ちょっとアヒルっぽい感じもありますね。低い陣形にして大駒総交換を狙い攻めつぶすみたいな(笑)

指しこなすのにはスピード感覚・受けの力が必要な形。

章の終わりのほうではアヒルも登場しますので、これは完全にアヒルじゃないかなと(笑)

第3章△4一玉型

これは後手が一歩捨てて固くする戦法ですね。

これは先手が速攻で▲8六飛とぶつけていくのが推奨されています。

これは横歩取りの青野流に近いイメージw

手が広いので力戦調になりやすい形。敵の囲いもいろいろあるので難しい話だと思いました。

第4章△5二玉型

定跡的にはここが一番難しいと思います。はっきり言えば大乱戦。

ただおもしろいのは中住まいの倒し方をこれでもかと書いてあるので中住まいが苦手な人は勉強になると思います(笑)

中住まいを崩すのはかなり手筋が必要になってきますのでそこを学ぶことができますね。

ここだけ仕掛け方も少し異質なので何度も読まないといけないところだと思います。

第5章△7二銀型

これだけ縦歩取りの変化にはなりません。

ここから通常のひねり飛車にするパターンと耀龍ひねり飛車にする2パターンがあるそうです。

通常ひねり飛車は雁木などで対策されることで厳しいということで耀龍の出番です。

この戦い方ではお互いにしっかり囲い合って戦う形ですね。級位者の方はここから読んだ方がいいかもです。

通常のひねり飛車では厳しかった状況も耀龍なら戦える!というのはおもしろいです。ここの戦い方は対抗形っぽいのでみんなやりやすいと思います。

他の章との応用になる部分もあるのでやっぱり何度も読まないといけない気がする。

まとめ

基本的に空中戦になるので級位者の方には少し難しいかもしれません。

ただ、先手相掛かりなら確実に誘導できるポイントは夢がありますね。

ひたすら攻める激しい将棋になりやすいので、攻め将棋の人にははまる戦法だと思います。

本書の内容はやはり高いので有段者向けの本だと思いました。

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投稿者:

D

小説家になろうで、小説を書いています。 得意ジャンルは、ラブコメ、SF、歴史もの。 このサイトでは、オリジナル小説・詩・ゲームの紹介や読んだ本の書評をしていきたいと考えています!

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