いやーすごい将棋でした。
藤井棋聖は、先手矢倉の早囲いから土井矢倉に変化する珍しい将棋でしたね。本来は片矢倉にするのが定跡ですが、土井矢倉でした。
たしかに、ふたつの矢倉は角交換に強いバランス系矢倉という共通点もありますし、それで代替手段に使うのは面白い構想です。さらに、矢倉端攻め攻撃の王道である雀刺しまで組み合わせる意欲的な序盤でした。
攻める藤井棋聖・受ける木村王位という構図が出来上がりました。
主導権を握る藤井棋聖は、端攻めを見せつつ、盤の3~4筋から攻撃を開始。厚みを使った猛攻から、端を食い破る矢倉の王道を行く指しまわしです。
木村王位も逃げ筋が出てきたんですが、それでも藤井棋聖が攻めをつないでしまって勝利。凄まじい攻め将棋で、全盛期の中原先生を思いだします。
こちらのブログ記事も書きましたが、土居矢倉はさらなる進化を遂げてきていますね。
最初は、先後同型矢倉の変化として登場しましたが、今局でもそうですし、最近では今まで見ることができなかった矢倉の戦法と土居矢倉が組み合わされることが非常に多いです。
矢倉藤井システム、対急戦矢倉、相矢倉などなど。
本来なら金矢倉・片矢倉が採用されるところで、土居矢倉がオプションに追加されてきています。このタイトル戦は、矢倉新時代の幕開けを象徴するような将棋でしたね!
角交換が発生しやすいバランス型の将棋が多くなることで、偏りが激しい金矢倉は数を減らし始めて、片矢倉と親戚の土居矢倉が市民権を獲得しています。
今後の矢倉にも目が離せません!!
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