【将棋観戦記】久保利明 九段 vs. 佐藤和俊 七段~振り飛車の裏芸”向かい飛車の攻防”~

注意書き

将棋連盟の将棋連盟ライブ中継アプリ等(https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/ )を使って観戦を楽しんでいる方向けの将棋観戦記です。

ただし、将棋連盟から「棋譜利用に関するお願い」(https://www.shogi.or.jp/news/2019/09/post_1824.html )という通達も出ているのでこれを遵守して、観戦記を書いていこうと思います。

・棋譜と図面を使用しない

・読者の方が上記のアプリを使用して棋譜並べをする参考になるように、序盤の構想のどこがおもしろいのかや、終盤の注目ポイントを簡潔に述べる

・あくまで、 将棋連盟ライブ中継アプリ等 のバックナンバーで参考になる対局紹介というレベルで抑える。

今回の対局の基本情報

棋戦名:第33期竜王戦1組ランキング戦

対局者: 久保利明 九段 vs. 佐藤和俊 七段

日付:2020.3.30

観戦記

さあ、はじまりました。

竜王戦1組準決勝です。

振り飛車党の重鎮同士の対局になりました。

久保先生は言わずもがなの振り飛車党の頂点。

佐藤和俊先生は、朝日杯ベスト4(2回)・NHK杯準優勝・銀河戦ベスト4など隠れた実力者として、定評があります。

著書も名著揃い。

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先手の久保先生がかなり早めに端歩を突きました。

これは、相振り飛車・対抗形どちらにするか打診する意味を持っている手ですね。

端歩を受けたら対抗形・受けなかったら相振り飛車になる可能性が高いです。この序盤構想については、毎回ながらこちらの2冊がとても参考になります。

上の本では226-235頁

下の本では208-216頁をご参照ください。

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現代相振り本はこの2冊が双璧だと思います。

さて、和俊先生が、居飛車を持つこととなりました。

相振りも居飛車もどちらも持つことができる振り飛車党よりのオールラウンダーですからね。

それに対して、久保先生は、今回はノーマル向かい飛車でした。

ノーマル向かい飛車。『将棋世界1月号』でも特集されていましたね。

基本的に、振り飛車党の裏芸のような戦法です。

ノーマル振り飛車なら居飛車の飛車先の歩の状況で振ることができるので、おぼえておいて損なしですよね。

振りなおす場合は、先手の三間飛車から振りなおすのが一番相性がいいです。銀が邪魔になりにくいので、三間飛車党には特におすすめ。

ノーマル振り飛車の中では、最も居飛車穴熊に強く、急戦が非常に強力。

『羽生の頭脳』文庫本2巻でも、主要変化では以下のように語られています。

(中略)穴熊をあきらめ、左美濃にして急戦に備えたほうがよさそうである。

上述、338ページ

今回も、やや形こそは違うものの、やはり左美濃になりました。羽生の頭脳が現代でも基本定跡になっているのがよくわかりますね。

じっくりとした持久戦になり、お互いの良い部分がぶつかりあう形になりました。

飛車先の歩をめぐる攻防やそこから玉頭戦に移る過程がおもしろいですね。

終始、佐藤和俊先生が優位を保っていた印象です。

それに対して、久保先生の粘りはまた必見ですね。この終盤で特にわからないところがあったので、将棋ソフト上に盤面を作って解析もかけましたが、評価値も浅い読みならば、久保先生が有利に立っている状況で、かなり難解な局面が続いていました。

ここを安定して勝ち切るのは、さすがは佐藤和俊先生!

まとめ

今回の見どころ

・振り飛車党同士の端歩をめぐる攻防

・飛車先をめぐる攻防と、玉頭戦への変化

・久保先生のねばりと、それでも勝ち切る冷静な終盤力。

投稿者:

D

小説家になろうで、小説を書いています。 得意ジャンルは、ラブコメ、SF、歴史もの。 このサイトでは、オリジナル小説・詩・ゲームの紹介や読んだ本の書評をしていきたいと考えています!

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