目次
注意書き
将棋連盟の将棋連盟ライブ中継アプリ等(https://www.shogi.or.jp/lp/mr201704/ )を使って観戦を楽しんでいる方向けの将棋観戦記です。
ただし、将棋連盟から「棋譜利用に関するお願い」(https://www.shogi.or.jp/news/2019/09/post_1824.html )という通達も出ているのでこれを遵守して、観戦記を書いていこうと思います。
・棋譜と図面を使用しない
・読者の方が上記のアプリを使用して棋譜並べをする参考になるように、序盤の構想のどこがおもしろいのかや、終盤の注目ポイントを簡潔に述べる
・あくまで、 将棋連盟ライブ中継アプリ等 のバックナンバーで参考になる対局紹介というレベルで抑える。
今回の対局の基本情報
棋戦名:第70回NHK杯将棋トーナメント「出場女流棋士決定戦」
対局者: 里見香奈女流四冠vs西山朋佳女流三冠
日付:2020.3.29
観戦記
今日は楽しみにしていたNHK杯の女流棋士決定戦でした。
里見香奈女流四冠 は言わずもながの、女流棋士の頂点に長く君臨している最強の女性のひとり。タイトル数・連覇記録など常にトップレベルを走っています。元奨励会三段で、女性ではじめて三段リーグに挑戦したことでも有名な振り飛車党です。
対して、 西山朋佳女流三冠 は現役の奨励会三段。前回のリーグでは惜しくも次点になってしまいましたが、はじめての女性プロ棋士になれるかどうか期待されています。振り飛車党で、終盤の「暴れ馬」とも言われるほど豪快な将棋を指す棋風です。
やはり、相振り飛車になりましたね。
先手の西山先生は、三間飛車に振り、後手の里見先生は向かい飛車になりました。
相振り飛車の△5四歩戦法 を見せたうえで、向かい飛車に展開しております。そちらについてはこちらも参照ください。
さらに詳しく知りたい方はこちらの本の155頁をご覧ください。
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こっちだと77~88頁です 。
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先手は、三間飛車+金無双。後手は、向かい飛車+美濃囲いから、相手の攻撃力を利用し、モリモリと持ち上がって、右の雁木のような形になりました。
ここらへんの盛り上がっていく技術はさすが、里見先生です。
押さえ込まれる前に、角のさばきを断行した西山先生も金無双をうまく利用していてさすが!
後手が厚みを利用して主導権を握って、終盤へ。
しかし、さすがは暴れ馬の異名は伊達ではありませんでした。
際どい手を連発し、怪しい局面へ。
ここら辺の際どい手を指すやり方は、とても勉強になります。そして、里見先生は粘りに粘る。ふたりのいいところが全面にでていていい将棋です。
しかし、さすがの終盤力です。里見先生の粘りをものともせずに、一気に終盤力でねじ伏せる感じの剛腕でした。
まとめ
今回の見どころ
・里見先生の攻撃を利用して盛り上がっていく技術とおさえこみ
・おさえこまれないように、角をさばく間合い
・両者の終盤の剛腕ぶり。
他の観戦記はこちらです↓
「【将棋観戦記】里見香奈女流四冠vs西山朋佳女流三冠~頂上決戦に現れた右雁木~」への2件のフィードバック