プロ棋士やアマ強豪が実践していた勉強法を紹介
目次
はじめに
今回はプロ棋士やアマ強豪たちが実際にやっているもしくはやっていた勉強法をいくつかの書籍から引用して紹介したいと思います。
三浦弘行九段
修業時代はネット将棋などもなかった時代。地方に住んでいた三浦先生は、実戦は奨励会の例会の時だけというのが長く続いていたそうです。
そこで、取り組んだのが江戸時代の詰将棋の最高峰の問題集『将棋図巧』。それに1年間かけて取り組んで、読みの技術を磨いたそうです。
序盤の研究家のイメージが強い三浦先生ですが、やはり長くA級に君臨する怪物です。基本的な読みを最も大事にしていたから今の長い活躍があるのだと思います。
中学3年のとき、奨励会に入ってからです。(省略)そこで『将棋図巧』を始めたんです。それ以前から『詰将棋パラダイス』を購読していたのですが、そう考えてから長手数の難解作を、真剣に考えるようにしました
将棋世界1992年12月号 より
佐藤天彦九段
将棋世界の対談で、昭和期の棋譜をたくさん並べていると言っていました。将棋世界の特集号で、師匠の師匠である大山康晴十五世名人の全集を並べていると語っていて、詳しい解説まで書いていたので相当精通していると思われます。
渡辺明三冠
棋譜並べ中心の勉強だと、よく将棋世界やNHK将棋講座で話しています。
・谷川浩司全集
・中原誠名局集
などを勉強したと語っていてやはり棋譜並べが勉強の中心になっているものだと思われます。逆に、あまり詰将棋は好きではないそうです。
渡辺明竜王は小学生の頃から『谷川浩司全集』を片手に棋譜を並べ、谷川九段の「一直線に勝つ技術」を学んだという。
『NHK将棋講座』2013年7月号より
千田 翔太 七段
将棋ソフトを使って勉強をしていることは有名ですが、実はソフト中心になる前は、永世名人の棋譜を全て並べていたことを『不屈の棋士』という本で語っていました。
価格:924円 |
木村名人から羽生名人までのすべての棋譜を並べた後に、将棋ソフト中心の勉強法に切り替えたそうなので、やはり基礎力はすごいのだと思います
永瀬拓矢二冠
鬼軍曹と呼ばれて、すさまじい勉強量を維持していることで有名な永瀬先生ですが、マイナビのインタビューによると実戦と棋譜並べを中心に勉強していたと語っています。
また、この本では実際の練習対局量(修行時代は1日30局)や中手数の詰将棋(20~30手くらい)も解いていることを明かしています。
永瀬流負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS) [ 永瀬拓矢 ] 価格:1,650円 |
実戦が中心になっているようですが、vsからいろんな研究を吸収しているんですね。。
小池重明元アマ名人
破天荒な行動で知られたアマチュア強豪中の強豪ですね。別名は新宿の殺し屋。
彼の勉強法の中心は、「必死」問題でした。以下、引用。
たえず自分より少し強い人と指すこと(二級差位)相手の知識を吸収する。知らないうちに強くなっている。番数を指すこと。頭で覚えるより体で。一つの得意戦法をもつこと。必至問題をたくさん解くこと。
近代将棋1982年6月号 より
詰将棋は難しかったから、実戦的に見える必至問題を中心に添えたということらしいです。そういう考えはおもしろいですね。
小池重明の殺し屋のような終盤逆転力は必死問題がルーツだと思うとやる気があがります。
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