目次
はじめに
実は以前、ツイッターのほうで四間飛車の対急戦について悩んでいた方がいたので、話を聞いていたんですが……
相談「さばきがうまくできなくて負けてしまうんです」
自分「なら△3二銀型四間飛車を使えばいいじゃない。こっちのほうがさばきやすいよ」
相談「え、△4三銀型とどう違うんですか」
というような会話がありまして(;’∀’)
たしかに、この違いを詳しく対比して、書いている本って少ないかもしれない。
そう思って今回、記事にしてみようと思ったのでしたw
それぞれの違い
△4三銀型
△3二銀型
これが基本的な場所の違いです。
今は定跡の進化の関係で、上の図が主流です。
逆に1980年代くらいまでは、下図が主流でした。
この銀の場所が違うとどうなるのか?
実は有効となる急戦が異なります。
△4三銀型 に有効な急戦
・斜め棒銀
・4五歩早仕掛け
・ポンポン桂
・棒銀
△3二銀型 に有効な急戦
・山田定跡
・鷺宮定跡
・棒銀
簡単な解説
棒銀は両方の形に有効なので、居飛車党の基本となっています。
四間飛車の歴史的に言えば、最初は山田定跡と棒銀が主流で、それに対抗するために△3二銀型 四間飛車の定跡が整備されました。
優秀すぎる △3二銀型 四間飛車 に対して、生まれたのが 鷺宮定跡 です。
この定跡はかなり複雑ながら、 △3二銀型 に対して猛烈な対抗策となり、鷺宮定跡に対抗するために△4三銀型 四間飛車の定跡が整備されていった経緯があります(結構、強引かつ簡単にまとめていますので、四間飛車党の皆さんごめんなさい)
こういう経緯があるので、 △4三銀型 四間飛車 が現在主流となっているのです。
その反面、鷺宮定跡などはやや影が薄くなり、マニアックな急戦マニアくらいしか指したことがない居飛車党が多くなっているのもたしかです。
なので、意外に △3二銀型 四間飛車 は有効だったりします。
なぜ△3二銀型をすすめるのか?
これは簡単です。
実はさばきのやりかたが分かりやすいんですw
やや居飛車指せる感じにはなってしまうんですが、基本的に開戦寸前で……
※上の棒銀の図は一例です
こうやって、角道を開けるだけでさばけます。
角交換とともに飛車の行動範囲が広がるんですね。これでだいたい序盤の評価値は居飛車+300くらいです。美濃囲いの固さを信じて逆転を狙うのもありな評価値ですね。級位者の方だったら、あまり難しく考えずに、こちらの形からさばいて勝つことを覚えていってもいいのかなとは思います。
少しだけ真面目な応用編
さて、上記は初段を目指す人向けの記事です。なので、分かりやすさを重視しています。
ということで、この章は結構真面目なお話。↓の盤面が基本図。
△3二銀型四間飛車の基本図です。
ここから四間飛車の手としては
①△5四歩
②△6四歩or△1二香
の2つに分類されます。
①を選んだ場合には、山田定跡の端角パターン。
②を選んだ場合は、山田定跡の斜め棒銀パターンになります。
そして、①と②のどちらを選んでも、↓の鷺宮定跡は使用可能ということになります。
この後の定跡的には、△4三銀が正着になりますが、わかりやすさを重視するなら、さきほど上でも紹介した△4五歩の手筋も使えます(若干、振り飛車側の損)。
こんな感じで△3二銀型四間飛車のさばきの手筋が △4五歩 が中心になるので、急戦に悩んでいるかたにおすすめできる形となっています。
最後におススメ本です。
四間飛車を指しこなす本(1) (最強将棋塾) [ 藤井猛 ] 価格:1,485円 |
「次の一手」で覚える 四間飛車定跡コレクション404 (マイナビ将棋文庫) [ 所司和晴 ] 価格:1,474円 |
「【初段を目指す人向け】四間飛車・左銀の使い分け講座(△3二銀型と△4三銀型の違いについて)」への1件のフィードバック