目次
はじめに
ということで、前回の奇襲戦法・対振り中住まいについての実戦譜をさらします。
今回は後手を激指先生に持ってもらいました。レベルは初段です。
というのも、激指先生の段位は辛い(下手したら24以上)ので、初段でも道場やウォーズ二段~三段のレベルなので、いつも練習相手になってもらっています。
さあ、対振り中住まいの行方は……
棋譜
感想戦
対四間飛車に対して、糸谷流右玉(対振り右玉)は難しい。だって、右玉完成前にすぐに乱戦になるから。その代用となる戦法として考えたのが、この「対振り中住まい」です。
右玉並みにバランスが取れていて、安定感がありますからね。
そして、大駒がさばかれても、打ちこむスキがあまりないのも評価ポイント。

激指の評価としてはここらへんで、マイナス100くらいで互角です。
意外と悪くならないんですよ、この陣形。固さは段違いですが……
四間飛車としては、これを直接的に崩すのが難しいので
①飛車を振りなおす
②自陣を整備する
のどちらかの選択肢をとることとなります。
今回は②を選ばれたので、こちらも自陣整備で対抗。

バランスを取りつつ、隙あらば対振り右玉に合流できる陣形が理想形です。四間飛車の速攻はこれで封じ込めることができているので、右玉っぽくしても結構おいしいです。
攻防で使う手筋も右玉と被るので、結構右玉感覚で指せます。

端角からの手作りから、地下鉄飛車を匂わせつつ、振り飛車の攻撃を誘う感じ。

端で歩を稼いで、あわよくば銀得を狙う攻め筋。人間相手ならたまにうっかりとってくれることもありますが、まあ、かわされますw
↓の55手目の角成ですが、誘惑に負けましたw 5五桂馬の両取りのほうが得が大きいですね。悩んで間違えましたw

60手目台の攻防は、右玉っぽいですね。ひらひらとかわして、相手のミスを誘い逆転。
一気に形勢が傾きました。

私が将棋で唯一得意なのは玉頭の攻防なので、自分の得意ジャンルに相手を引きずり込んだ感じです。
玉頭戦の奥義・桂馬連続打ちで美濃囲いを上から撃破していく図。今回は高美濃も流れの中で崩れていたので、玉頭戦がやりやすいです。

あとは、駒落ちで鍛えた小駒の使い方で王を丸裸にします。自分の飛車が守りごまとしてニート化しているのも、玉頭戦のおもしろいところ。
111手目の歩ですが、疑問に思う人もいると思うので、解説

これは同飛としてしまうと、▲6五馬が成立して必死をかけることができるんです。
なかなかの妙手だと思ったんですが、飛車で詰めろをかけてくるのが激指の終盤力の怖さ。
必死をかけたい自分と終盤にミスをさせて逆転を狙う激指の意地と意地の張り合いですw
▲6五馬が成立 すれば勝てるので、それを狙っているんですがうまいですね~

激指の終盤力を警戒して、じっくり寄せきりました。
広さを活かしてかわしまくりましたww
棋譜
先手: 先手 / 後手: 後手
手合割:平手
▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△3二銀▲3六歩△4二飛▲5八玉
△6二玉▲3八金△7二銀▲6八銀△7一玉▲7八金△4三銀▲3七桂△8二玉
▲1六歩△1四歩▲2五歩△3三角▲4六歩△5四銀▲4七銀△6四歩▲9六歩
△5二金左▲2九飛△9四歩▲6六歩△7四歩▲6七銀△6三金▲7七桂
△7三桂▲9七角△6二金上▲5六歩△5二飛▲8六角△8四歩▲9五歩
△同 歩▲同 香△9三歩▲5五歩△4三銀▲6五歩△同 桂▲同 桂△5四歩
▲同 歩△6五歩▲3一角成△5五桂▲6四歩△7三金寄▲2一馬△5四銀
▲7五歩△9四歩▲7四歩△4七桂成▲同 金△5七歩▲同 玉△7四金
▲8六桂△8三銀▲7四桂△同 銀▲8六桂△8五銀打▲7四桂△同 銀
▲8六桂△8三銀▲5六歩△6六歩▲同 銀△5五歩▲同 歩△同 銀▲同 銀
△同 飛▲5六歩△9五飛▲6三銀△6五桂▲4八玉△7三金▲6二銀不成
△7二金▲7三銀打△同 金▲同銀成△同 玉▲6三金△8二玉▲7三金打
△9三玉▲8三金△同 玉▲7二銀△8二玉▲7四歩△9三玉▲7三歩成
△9二銀▲9六歩△7五飛▲7六歩△8五飛▲8三と△同 銀▲同銀成△同 玉
▲7四銀△9二玉▲7三金△7二銀▲同 金△8一香▲8三銀打△同 香
▲7三銀成△9三玉▲8二金△7一桂▲5四馬△6二歩▲7二馬△5九銀
▲同 玉△5八歩▲同 玉△5七歩▲4八玉△5八金▲3八玉△4八金▲同 金
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「【奇襲戦法研究】対振り中住まい研究(vs△四間飛車)②~実戦譜~」への3件のフィードバック