駒落ち上手で勝負に徹する方法
目次
はじめに
今回は前回に引き続き、駒落ち上手関係の話になります。
駒落ち上手については、本がない……
駒落ち定跡の上手は負けることが大事なので、勝てる変化が書いていない。なので、本通りに進めるといつの間にか必敗や即詰み局面になってしまう。
なのに、将棋クエストや道場の大事な試合で駒落ち上手をもたなくてはいけない時も多々ある。
そう言う上手にとっても大事な試合で、どうやって下手に勝つのか。これを考えてみます。
ちなみに、指導対局の時は別ですよ(笑)
初心者の方がせっかくおぼえた駒落ち定跡に従って転んで負けてあげてください( ;∀;)
あくまで、レートなどが絡んだ大事な試合の時だけですw
今回は、私がぴよ三級と二枚落ち(自分が上手)で戦った時の棋譜を参考に使います。
私(三段)とぴよ三級の段級位差が5つあるので、本来の適正手合いは飛香落ち位なので、結構無理して戦っていますw
定跡をはずしていく
これがまず一番大事です。
上手から定跡を外すこと。今回の例では、序盤早々から定跡を外しました。これはどうしてか?
それは銀多伝の完成を妨害するためです。
二枚落ちにおいて最も厄介な定跡は銀多伝。
厚くて、広くて、固い。
あれができたら、ぶっちゃけ上手は、下手の大ポカ待ちになってしまうところがあるのでけん制します。
とりあえず、相手の理想形を妨害できれば、多少の駒損は気にしなくてもいいのではないかというのが私の主張です。
相対的に勝ちやすいのは、駒損>相手の理想形の完成なので
どこかの筋に厚みを作る
これも上手としては大事な作業です。
今回は、下手の飛車とは反対の筋に厚みを作りました。
厚みの重要性はこちらの記事でも書きました↓
駒落ちでは平手以上に、厚みが重要となってきます。
上手が得意な人は、居飛車や中飛車好きの人が多いです。
それはどうしてかいうと、がっちり厚みを築いて、相手を押さえつける将棋が上手の将棋だからです。
純粋な振り飛車党のように駒を捌いてしまうと、駒落ち上手の陣形は簡単に崩壊してしまうので、しっかり厚みを築いて抑え込むような将棋にしていくことをイメージしましょう。
厚みを作ることは、以下の意味合いがあります。
・相手の攻撃をおさえこむ
・陣形上部が広くなるので、王の避難場所の確保ができる。
・カウンターを仕掛ける際の橋頭保として作用する。
・相手玉の逃げ場所を制限する。
今回の実戦では、厚みによって相手の攻撃をシャットダウンして、その熱い場所のスペースを有効活用して、駒を打ちこみカウンター。相手の最後のお願いを、作っておいたスペースを活用して逃げまくり、逆に相手の戦力を消耗させる。
つまり、厚みによってすべての流れを制御していたことになります(笑)
駒落ちにおいて、上手・下手どちらでも厚みを制する者が、駒落ちを制します。
なので、二枚落ち下手の銀多伝は駒落ち最強クラスの戦法になるわけです。
下手の無理攻めを誘う
そして、これが次のコツ。
厚みを築いて、強固な陣形を作ったら、相手の無理攻めを誘いましょう。
下手もかなり攻撃に悩んでいます。
気分を焦らせて、ストレスをかけて、暴発させましょう。
それをしっかり受け止める。
前回の記事でも話しましたが、これが受けとなります↓
しっかり受けきることで、自軍の戦力を補強でき、厚みで作ったスペースを有効活用できる余地が広がります。
入玉を積極的に狙う
今回の対局ではうまくいきませんでしたが、上手の最大の狙いは入玉です。
下手の攻撃をひらひらとかわし続けて入玉してしまう。
これができれば、下手側から詰ませることは不可能になり、少なくとも負けなくなります。
まとめ
以上、これが上手の戦略の一例です。
はじめて上手をもつひとなどの参考になれば幸いです。
↓は駒落ち関係のまとめ記事です。
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