広瀬 章人『四間飛車穴熊の急所』(浅川書房)レビュー~四間飛車穴熊はこれ一本でOK~

『四間飛車穴熊の急所』レビュー

今日は、広瀬竜王の『四間飛車穴熊の急所』(1)(2)レビューになります。
はっきり言いましょう。この本は四間飛車穴熊の決定版です。
出版から8年以上経過していますが、いまだにこの本は四間飛車穴熊の定跡書としての価値を失っておりません。

四間飛車穴熊の利点
・固い
・居飛車急戦にめっぽう強い
・穴熊感覚を身につければ、戦えば戦うほど強くなる

デメリット
・居飛車穴熊との戦い方の定跡がノーマル四間飛車以上に難しい
・穴熊感覚を身に着けるのに時間がかかる。
・最善を尽くしても意外と四間飛車穴熊が苦しいことが多い。

振り飛車穴熊(3枚穴熊)
現代穴熊
広瀬流穴熊

1巻レビュー


・居飛車急戦(早仕掛け・斜め棒銀・鷺ノ宮定跡・棒銀)と銀冠を取り扱う。
・対急戦の左銀の位置について、特に勉強になる。ここは穴熊を指さないノーマル四間飛車党も読んだ方がいいくらい勉強になる。
・ノーマル四間飛車の対急戦定跡との比較も論じられていて、非常に勉強になった。
・銀冠編は、普通の穴熊の問題点を理論的に考察されている。普通の三枚穴熊の問題点をあぶりだした後に、現代穴熊の定跡(袖飛車への変化を含む)へと移行する。この流れがとても勉強になった。特に、なにがなんでも袖飛車にするわけではなく、四間飛車のまま位取りをしたりする場合の違いが明確になったので、なんとなく四間飛車穴熊を指している人に特におすすめ
・銀冠編の定跡は異常に難しいので、読みこなす際はご注意を!

2巻レビュー


四間飛車穴熊の急所〈2〉相穴熊編 (最強将棋21)

・今回は、対銀冠穴熊と対居飛車穴熊定跡を取り扱う。
・基本的には、1巻の銀冠の延長戦にあるので、それを理解してから勉強した方がいい
・対居飛車穴熊編は、3枚穴熊・現代穴熊・広瀬流穴熊の使い分けについて特に勉強になる。
・そして、プロの最新定跡(当時)を論じているため、四間飛車穴熊側にもかなり辛い採点をとっている。ここは専門家の本音が聞けるのでかなり嬉しい。かなり中立的な意見を聞ける。

総合レビュー
・適当に指すとすぐに四間飛車側が手詰まりになるというのが前提となっており、非常に論理的な定跡。
・穴熊=大雑把という固定観念を粉砕するほどの、理路騒然とした主張が貫かれており、大局観の養成にもなる出来
実際、私はこれを読んで居飛車穴熊の勝率まで上がってしまった(笑)。直近の穴熊の勝率は、20勝6敗(約75%)。
・そして、読めば読むほど四間飛車穴熊の苦しさが伝わってくる(;’∀’)
・唯一の希望点は、対位取り定跡がなかったこと(笑) 数少ない位取りの専門家としてはそこが残念でしたね。まあ、一般的な戦法じゃなくなっちゃったからなー(遠い目)

小説家になろうで、将棋ラブコメ連載中です。

よかったらどうぞ。

『 おれの義妹がこんなに強いわけがない ~妹とはじめる将棋生活~


ついに拙作のほうが20万PV達成しました。

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