前回までの感想
Girls side 2

さきほども書いたように、これは番外編。本編ではあまり絡まないキャラを絡ませたり、登場人物を補足したり、漫画版しか登場していない人物を逆輸入してきたりと。王道の番外編です。そう、あの時までは……。
特筆すべきは、メインヒロインと幼馴染ヒロインの仲直りイベントまで、番外編でかいてしまっているのです。これって本当に番外編なのかよ。ツッコムしかない。そして、最後の2頁で、すべてをもっていく爆弾がしかけられている。これが無慈悲の一撃。
引用しようと思うので、未読でネタバレが嫌な方はお戻りください。
場面はヒロイン同士が仲直りした夜の布団でのガールズトーク。幼馴染ヒロイン 英梨々 は、彼女(加藤恵)に主人公(倫也)とのなかはどうなのかとそれとなく聞くシーン。
「ずっと、何とも思ってなかった相手だったのに、ある日を境に、そのそうじゃなくなる、こともある」
……
「もちろん、そうじゃなくなったはずなのに、またある日を境に元通りになることだってある」
……
「さぁ、どっちなんだろうね?ま、でも、一つだけ言えることは……」
……
「少なくとも、一度は変わったこと、あるよ?」(232頁から233頁)
もうノックアウトです。これを初めて読んだとき、そのあとなにもすることができなくなりました(笑)。今まで、匂わせるだけだったヒロイン側の感情がここまでストレートに書かれるとは。この言葉選びのセンスもいい。もう大好き。これだからラブコメはやめられない。
気持ち悪い感想を書いてしまいましたが、言いたいことが言えたので大満足
10巻

10巻は、元シナリオ担当の霞ヶ丘先輩のメイン回。大きな仕事を任され、別の道を歩んだ彼女は、より大きな才能を前にスランプに陥ってしまう。それを、倫也が手助けして乗り越えるのですが、その描写が結構好きです。
ゲームで先輩そっくりのキャラクターをつくり、ゲームの主人公に頼ることで困難を乗り越えていくシナリオを作る。これは本来、現実世界でもありえた描写なんですよね。ただ、先輩が頼ることをしなかったから、主人公がファンであることに固執してしまったから、訪れなかったエンディング。
これって、ひとつのメッセージなんだと思います。どうして、自分に甘えようとしてくれなかったのか。自分の弱さをみせようとしなかったのか。主人公はありえたエンディングをみせることで、先輩にそれを伝えようとしているのかもしれません。
すでに、おわってしまった関係というのを自覚しているからこそ。
「【冴えカノ特集】『冴えない彼女の育てかた』原作Girls Side 2・10巻感想」への2件のフィードバック