目次
前回までのあらすじ
居飛車穴熊の猛威と、総裁大山の死により激震が走った振り飛車党。
しかし、天は彼らを見捨てなかった。
若き革命家たちの登場
精神的な支柱であった大山総裁の死。これによって振り飛車党に激震が走る。
その中にあって振り飛車党の中心となったのは若手の新しい力だった。
世紀末四間飛車を掲げて、NHK杯を制した櫛田。
相振り革命の提唱者杉本。
振り飛車党の窮地を救うために、スーパー四間飛車を武器にA級で戦った小林。
彼らが作った流れは、さらに若き才能たちに受け継がれる。そして、怪物たちが登場したのだ。
振り飛車御三家の登場である。
その日、ひとりの革命家は地上に降り立った。天敵居飛車穴熊を撲滅するために。
藤井猛である。
彼は居飛車穴熊に組ませずに攻め勝つ方法「藤井システム」を発明し、棋界に覇を唱えたのだった。
暴力的な固さを誇る穴熊も完成しなければ脆弱だというコロンブスの卵的な視点は当時の将棋好きを魅了した。
彼はそのまま、最高位戦である竜王戦で、居飛車党のエース谷川を撃破し、竜王戴冠。
振り飛車党が再び棋界の頂点に達した瞬間だった。
そして、歴代最強ともいわれる居飛車党総裁(オールラウンダー派)の羽生善治を凌駕する指しまわしを見せて、竜王戦3連覇を達成。
大山死後、空席状況だった総裁の座を完全に射止めたのだった。
藤井総裁の元には、新たな実力者たちが集結していく。
鈴木システム・新石田流を完成させた剛腕「鈴木」副総裁。
華麗なるさばきで、全盛期の大野名誉総裁をほうふつとさせる久保幹事長。
藤井総裁を加えた3名は「振り飛車御三家」としてトロイカ体制を構築し、振り飛車の復興に力を注いだ。前述の相振り飛車の革命家杉本副幹事長・ゴキゲン中飛車の完成者近藤副幹事長といった実力者たちが集結しトロイカ体制を盛り上げると、振り飛車の勢いは最高潮に達した。
さらに技術革新は進んでいった。藤井システムと同時期に振り飛車は新たな武器を見つけていったのだった。穴熊は角交換に弱い。ならば振り飛車側から角交換をしてしまえばいい。
ゴキゲン中飛車
新石田流
新たな可能性は
藤井総裁(四間飛車派)
鈴木副総裁(四間飛車派→現代振り飛車派)
久保幹事長(四間飛車派→現代振り飛車派)
中田政調会長(三間飛車派)
小倉総務会長(三間飛車派)
杉本副幹事長(中立派)
近藤副幹事長(中飛車派)
彼によって、振り飛車党はさらに若き才能たちを発掘していく。
こうして、振り飛車の新時代ははじまった。
「【将棋】振り飛車党総裁史④~振り飛車御三家の革命~【ネタ記事です】」への5件のフィードバック