『おれの義妹がこんなに強いわけがない ~妹とはじめる将棋生活~』メイキング部屋①

小説家になろうにて『おれの義妹がこんなに強いわけがない ~妹とはじめる将棋生活~』の投稿を始めました。
なので、ここでは、登場人物の簡単な紹介やメイキング過程を紹介していきます。

(登場人物)

・佐藤桂太
 主人公。高校二年生。幼少期から将棋にはまり、アマチュア三段の腕前となる。居飛車(飛車を初期位置からあまり動かさずに、縦の攻めをおこなう)党で、正統派な将棋を好む。防御重視の棋風。自分の陣地を防御で固めるよりも、相手の自由度を奪う厚みを築くことが多い。得意戦法は、矢倉や対振り持久戦。

・kana kana
 桂太がネット将棋で出会ったライバル。性別不明。
 ネット将棋界隈では、変態奇襲将棋マニアとして一部に有名。やろうと思えば、正統派な将棋を居飛車・振り飛車ともにできるが、本人は奇襲好きなので、めったにやらない。たまにやったら相手に驚かれるレベル。ついた二つ名が「変態オールラウンダー」。非常に好戦的な棋風で、特に最終盤は正確無比。

・佐藤英雄
 主人公の父。桂太が幼いころに奥さんを亡くしてから、シングルファーザーとして奮闘している。
 ひょうきんな性格。家事は苦手なので、桂太にまかせっきり。
 大学まで、将棋部に所属していて、それなりの実力をもち、桂太に将棋を教えた張本人。
 商社の営業をしているため、家を留守にすることも多い。

(第一話 邂逅 メイキング)
・ネット将棋第1戦棋譜

こちらは先手▲が、桂太くんです。
敵が矢倉早囲いという戦法なので、本来ならば早急に攻撃を仕掛ければいいのに、悠長に守りを固めるという桂太くんの特徴を表現してみました。

最終的に、桂太くんの陣地が厚くなって、敵の行動を制限して圧殺した将棋ですね。

・ネット将棋第2戦棋譜

こちらは後手△が桂太くんです。
ソフトの影響で棋譜が見切れています。申し訳ございません。
こちらは、桂太くんがガチガチに守備を固めて、相手を蹂躙しておりますねw
相手に一度も王手をかけさせることもなく、完勝。

・ネット将棋第3戦棋譜

こちらは先手▲が桂太くんです。
横歩取り4五角戦法を定跡どおりに撃破する主人公。
彼の勉強熱心振りをイメージして作っています。

・vs kana kana

これは有名な奇襲戦法パックマンです。
この後は大乱戦となります。

結果がどうなったのか。そちらは、第二話をご覧くださいw

【書評】トルストイの魅力を語る

新年になったので、私が一番好きな作家「トルストイ」の魅力について、書いていきたいと思います。
(この記事は、以前別のブログで書いた記事を加筆したものです)



1.はじめに

トルストイの何がそんなに好きかというと、仏教や老子といった東洋的な考えと西洋のキリスト教、ロシアの大地への信奉といった色々なものが合体してできあがった彼の思想です。西洋の作家でありつつも、執着を超えた先にある彼の理想像がとても東洋的で不思議な感覚になります。

周囲(友だち、読書メーターの読友さん)にはドストエフスキー派が多いので少数意見ですが、いままで読んだ本で1番感動したのが『戦争と平和』です。岩波版で読みましたが、特に5巻がよい。

ナポレオン軍の捕虜となった主人公が、収容先で出会う捕虜仲間プラトン・カラターエフ。このプラトンがいままでフィクションで出会った登場人物で1番好きです。2人で芋を食べるあのシーンで、自分は人生を変えられました。すべてを受容し、憂うことがない。本来ならば1番欠乏を感じるであろう捕虜生活で、満ち足りているプラトン。足りないことが幸せであって、過剰は不幸へと繋がっていく。人生観を揺さぶられる価値観でした。

衰えた体で行軍についていけず、処刑されてしまうプラトンの最期もとても好きです。自らの死を、淡々と許容していくあのシーン。彼は「死」を神からの「赦し」と考えているのがとても印象的でした。そして、死すらも乗り越えた先にある「魂の不死」という結論。本当にトルストイの思想が具現化した存在なのだと思います。

2.戦争と平和

引き続き『戦争と平和』について語っていきます。

この作品のどこが好きかというと、トルストイのお決まりパターンを大長編で余すところなく味わえるところ。主人公が苦悩し、解決策をみつけたようにみえて、じつはそれは挫折に繋がっている。挫折の果て、苦悩に苦悩を重ねたさきに、みつかる本質をもった終着点。この終着点を、私は「光」だと感じています。死と隣り合わせになりながら、極限状態でみつかるその光を味わうために、私はトルストイを読んでいます。

この作品の光は、プラトンが紡いで、彼の死を通して、主人公のピエールの中に入ってくる。この一連の流れが、トルストイの考える「魂の不死」です。

『人生論』でも語られますが、この「魂の不死」という概念が、トルストイが長く読まれている作品を作り出した原動力のようにも思えます。それについては、次節で……。

3.魂の不死

魂の不死とはなにか。一言でいってしまえば、死という概念から「肉体的な死」と「精神的な死」を2つに分けてしまう考え方です。肉体が活動できなくなったとしても、精神的なつながりによって「不死」は実現できるという主張です。

人と人との関係のなかで、お互いの考え方や主張を他人へと影響させて、それが延々と連鎖していく。『戦争と平和』でも、プラトン亡き後も、主人公ピエールの中では彼が最高の教師であり、影響を与え続けていたことが「魂の不死」です。自分の考えの一部が他者へと入り込み、他者によってそれがまた別の者のなかへと動いていく。こうすることで、人は人との関係のうえで生き続けていく。

トルストイも彼の作品によって、不滅の存在として生き続けている。だからこそ、不変的なメッセージ性を残し続ているのだと思います。

この考えを知ったことで、死という恐怖からもかなり解放されるのではないでしょうか?

4.光

最後にトルストイの最大の魅力でもあるラストの光についてです。トルストイの作品の基本的な構成は、主人公を悩ませること。ひたすら主人公に苦難を与えて、その苦悩からひとつの答えをみつけさせる。その答えをみつけたときに、読んでいるこちらも光をみたかのような感覚になります。

とくに『イワン・イリッチの死』がその傾向が強いです。不治の病に苦しむ主人公が、最後に見える光。死という概念を主題におくことで、「生」というものを際立てていく。この最後の描写が圧倒的。生きることという執着からの解放としての死という存在がこの物語の「光」です。

作品によっても、この光は変わっていきます。信仰への芽生えだったり、自分のおかれた境遇だったり、魂の不死だったり。それが、光として最後に現れてくる。この瞬間が至高の時間です。

『ファウスト』の「時よ、止まれ。汝は美しい」の一文を叫びたくなります。読書最高の喜びを私はトルストイ作品で何度も味わえました。